『OWCS Asia Championship』出場全8チーム紹介

【オーバーウォッチリーグ】SpiloコーチのLAGスカウティングリポート

プレシーズンの下馬評ではショック以上とも言われながら開幕で躓いてしまったグラディエーターズですが、元ボストンアカデミーのヘッドコーチであるSpiloコーチが開幕2試合のスカウティングリポートを公開しています(今週の試合は含まず)。

いくつか専門的なことは理解の及ばない内容だったので端折っていますが、まとめ記事になります。

グラディエーターズはあらゆる構成や状況で組織的な動きができずにいた。これはリーダーシップの欠如やコミュニケーションに問題を抱えていることを示唆している。このせいで全てにおいてチームプレーに支障をきたしている。

とくにダイブ構成でメインタンクとDPS陣との間で同期がとれていない。これも両者の間にコミュニケーションや言葉の問題があることを示唆している。Muzeのウィンストンが激しいフォーカスを受けても孤立している。

相手のマップコントロールにある中で、自軍に有利なエリア(killbox)に相手が入るのを待たずに、相手に有利な交戦地帯でアグレッシブに戦おうとしている。簡単に相手におびき寄せられ釣られている。

BirdringやShuがダイブやプレッシャーを受けてもピールがほとんどない。これもコミュニケーションに問題があり、選手の一部の声出しが欠如している可能性を示している。このせいで 、相手のダイバーにバックラインへのプレッシャーやクラッチプレーを許している。

Skewedのブリギッテは堅実だが、彼もSpaceも戦いの最中にShuとBirdringを見失っていることがある。

特にブリギッテ/ゼニヤッタのダイブ構成でマップコントロールの基本的なことができていない。ダイブを実行する際にバックラインにハードダイブするという古い考え方に囚われている。このせいで、ミラーダイブ対決で相手に対するプレッシャーが本来よりも低くなってしまうだけでなく、味方のバックラインも脅威に晒してしまっている。話が複雑なので詳細は省くが、本質的にグラディエーターズ(特にDPS陣)はダイブでのミラー対決におけるマップコントロールの基本的なことができていないため、ダイブ経験が豊富なチーム相手に無防備になっている。

前述したマクロ面での問題や後述する選手個人の問題でも説明しているが、ブロウル2での問題も、この戦術の理解度よりもリーダーシップやプランの質、そして個々のミスが原因となっている。とくにドゥームフィストを相手にした乱戦が不安定で、この構成を相手に的確に対処するためのリーダーシップが欠如しているように見える。

Mirror:アグレッシブなエコーだが、ダイブが始まる前にスティッキーボムを無駄にすることが頻繁にあり、ダイブ時にプレッシャーをけけることができない。おそらくどのヒーローでもアグレッシブと思われる。IGLとなる可能性があり、それはザリアでのプレーでも証明している(ブロウル構成で声出しができるMirrorをドゥームで使うことでうまくいくかもしれない)。メイは全体的に弱く見える。

Kevster:メイは目立った弱点もなく安定している。トレーサーは信頼できるメカニカルを持っており、Muzeと連携しようと努力していた。彼のトレーサーでの問題点はゼニヤッタ構成で敵フランカーへのマークが甘かったこと。具体的にはパルスボムの状態に関わらず敵バックラインにプレッシャーをかけ続け、ダイブミラー対決でのマクロ的な理解が浅いことを示していた。対ダブルバブル/アナ構成性での弱点となっていた。

Birdring:マクリーで一貫して裏取りをしていたが、過度に欲を出して狙うようなことはしていなかった。ソンブラは一貫性に欠けていた。ダイブミラー対決では有能ではあるが、マクリーを相手にしたときに対応できずに苦しめられた。

Muze:ほとんどのヒーローで印象に残らなかった。しかし、これはチームのシナジーやコミュニケーションが関係しているかもしれない。最も懸念されるのはウィンストンで、DPS陣と同期が取れていないジャンプでは頻繁に返り討ちに合っていた。ボールは堅実なように見えた。ラインハルトはメカニカル面で揺らぎがあり、プレッシャーをかける際にチームと同期が取れておらず、チームの準備ができてない状態でアグレッシブに仕掛けていた。

Space:すべての構成、すべてのヒーローでクールダウン管理に苦しんでいた。ダイブでのザリアはバリアの使い方が拙く、疑問の残る位置取り。Dvaもダイブ/ブロウル相手に不安定で、早いうちから不注意なスカウトやポークにより頻繁にヘルスを失っていた。Spaceはブロウルミラー対決でのマトリックスの使い方に大きな不安がある。トレードフェーズやポークフェーズの早い段階でにマトリックスのリソースを使い切ってしまうため、チームを敵フランカーとバックラインの圧力に晒し、相手のULTを吸収できる位置をとることができずにいた(私がチェックしたマップでは一度もULTを食べていない)。ダイブ相手にDvaでピールすることに手こずり、バックラインへのピールも疎かになっていた。これは今季のグラディエーターズ最大の懸案事項で、コミュニケーションやリーダーシップの問題に関係しているのかもしれない。これが解決されないと今後チームにとって問題になる。

Shu:比較的アナとゼニヤッタともに堅実なプレー。ナノウィンストン相手にいくつか決定的なダーツを焦りからミスしていた。バティストは凡庸でランプを使う位置が拙く(隠せる場所でオープンに置いてしまう)、回復バーストの使い方もひどく、常に戦闘開始前にタンクのトレードやバックラインへの脅威を受ける状態にあった。このせいで彼は敵Dva/ルシオのダイブに晒されることになった。

Moth:印象的ではないにしろ堅実なプレー。ポジショニングも概ね問題なし。オーラは静止した状態でもスピードを維持しすぎるきらいがあり改善すべき。ULTの使い方も明らかに問題があったが、これもリーダーシップ/コミュニケーションに関連している可能性がある。

Skewed:一貫してブリギッテでバックラインのピールをこなしていた。メカニカルは堅実だが、時に不用意なアーマーパックがあり、その結果DPS陣をプレッシャーに晒していた。

リーダーシップとコミュニケーション面と個々の選手が抱える危険信号が改善されればチームは最大限の恩恵を受けることになる。問題が解決されればとても強固なチームになるが、そうでなければ中位に甘んじるような結果になるだろう。

選手の多くが得意にしているヒーローが使われるブリギッテ/ゼニヤッタ構成が最も強力に見えるが(マクロ面での課題は見られるものの)、この構成は多くのマップで運用可能なわけでない。そして、ジブラルタルのようにマクリー相手にソンブラを使うようなことはせず、少なくともソンブラを運用するのではれば、これを最大限に活かすか相手のトレーサーのプレッシャーにうまく対処する方法を理解する必要がある。

脚注:

  1. ラッシュ構成などの乱戦スタイルに持ち込む戦い方。
  2. ラッシュ構成などの乱戦スタイルに持ち込む戦い方。
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