オーバーウォッチでよく使われている基本的な用語を以前公開していたスラング/ミーム/用語集をもとに再編集しました。
以前公開していた用語集は2017年に海外有志が公開していたものをそのまま翻訳していましたが、いくつか古くなったり国内では一般的でないものもあるため、オーバーウォッチ2リリースにあたって余分なものを削って加筆編集し直しています。
用語の説明にあたってはOWを基準にしているため、他のゲームでは若干意味合いが異なる場合もあります。また、一部の観戦用語や今では使われないミームも残してあります。
更新履歴:
- 「咎める」(punish)追加(2024/8/3)
- 「カート」(cart)(2024/8/3)
- 「Ajax」「Boostio」「Winton」追加(2024/7/29)
- 「ギャップ」「スタック」追加(2023/12/19)
- 「メタル・ランク」追加(2022/11/9)
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150K
OWプロ時代のsinatraaがサンフランシスコ・ショックと年俸15万ドル(150K)で契約したことから生まれたミーム。
2CP
“2 Capture Point”の略でアサルトモードの別名。OW2でアサルトは基本マップからは削除されている。
Ajax
ルシオがサウンドバリア発動直後、バリアを付与することなくジャンプ中にデスすることを意味する。かつてATL AcademyでプレーしていたAjax選手のルシオが、1試合で3回もULT未遂でデスしたことから誕生したミーム。
日本ではあまり馴染みがないが、OWLや海外実況ではよく使われており、OWL公式の用語集にも登場している。
AoE
“Are of Effect”の略。範囲攻撃や範囲効果のあるアビリティ。
Boostio
ナノブーストをルシオに付与すること。元々は狙いと違ってナノしてしまったルシオが予想外に活躍した場合を指す。
現在ヴァロラントのVCTマスターズにEvil Geniusesの一員として来日中の元OWプロBoostioの名前の由来もこれ。
OWL公式の用語集でも取り上げられたものの、OW2以降はほぼ死後となっているミーム。
C9
プロチームのCloud9がバトルに夢中になるあまり、ポイントを踏むことを忘れお留守にしてしまったために、相手にポイントを奪われるという凡ミスを1試合で3回も犯したことが発祥。
OWLの試合でも見られる光景だが、実際にはC9とは言えない場面(敵ULTが邪魔して踏みたくても踏めないなど)でもC9と誤用されることも少なくない。
CC
“Crowd Control”の略。相手の動きを封じたり制限するスキル。スタン、スリープ、ノックバック、フリーズ、ハックなど。状態異常もCCに含まれることもある。
Diff
“difference”の略で差があることを意味する。同じロールやキャラクターで相手とプレーに差があるときに使われる。
チームが押されている時に「DPS diff」と言われたら大抵は味方DPSが格下ということを意味する。
DPS
ダメージヒーローの別名。“Damage per Second”の略だが、OWでは海外含めてアタッカーではなくDPSと呼ばれることが多い。ロールキュー導入以降公式では「ダメージ」で統一されている。
GOATS
無印時代を象徴をする悪名高き構成。OWL発足以前の競技シーンでGOATsという名の無名チームが格上相手に快進撃を続けたことがその名の由来。
元々はCS版出身のプレイヤー中心に結成されたチームで、パッドプレイヤーも多く、マウスエイムに頼らない構成の結果生まれたとも言われている。
オリジナルのGOATS構成はラインハルト、DVA、ザリア、モイラ、ルシオ、ブリギッテ。その後いくつかの派生が生まれておりそちらのほうが一般的。ロールロック導入も3タンク3ポートで構成されるGOATSが引き金となっている。
OW以外では、略語の“GOAT”は“Greatest of all Time”(史上最高)という意味で使われるのが一般的で、単語の“goat”は山羊を意味する。GOTAsのチームシンボルも山羊がモチーフ。
LoS
“Line of Sight”(視線/射線)の略。
MMR
“Match Making Rating”の略で一般的には内部レートを指す。SR(Skill Rating)がユーザーに可視化された指標である一方でMMRをユーザーが知ることはできない(※1)。
※1 OW2ではSRが廃止され、ランク/ディビジョンという形でMMRが可視化されている。
様々な内部データ、スタッツ、ビッグデータとの比較から導き出された真の実力を反映したものがMMRであり、MMRとSRの乖離が大きくなると、SRはMMRに引き寄せられるようにその変動が大きくなる。
OW2リリースに合わせてこのMMRがリセットもしくはソフトリセットされたと言われており、トッププレイヤーがプラチナ以下に認定されるケースも報告されている(※2)。
※2 結局認定プロセスに不具合があったことが判明。
MTD
“Main Tank Difference”の略。Diffと同じ意味合いで使われるがメインタンクに限定される。メインタンクの定義が薄れた1タンク制のOW2ではおそらく使われることはないかもしれない。
OP
“Over Powered”の略。特定のキャラクターやアビリティが強すぎる時に使われる形容詞。
OTP
ワントリック参照
TP
テレポーター(teleporter)の略。
Winton
2022年くらいにOWLチャットで流行ったミーム。Winstonの”s”が脱落したチャットの誤用が、その間抜けで愛らしい響きもあり広まったと言われている。
とあるミームをサンフランシスコ・ショックがツィートしたり、OWLのオブザーバーIDから広まったとも言われており、現在でもウィンストンの愛称やミームとして使われることがある。
アンチピック
カウンターピック参照
オフタンク
メインタンク/オフタンクを参照
オフメタ/オフメタヒーロー
メタ環境から明らかに外れたヒーロー。トールビヨン、シンメトラ、ジャンクラット、バスティオン、オリーサなどがその典型だが、勿論その時のメタや環境にもよる。
カート(cart)
ペイロードのこと。ペイロードだと少し長いためカートと呼ばれることが多い。
カウンター/カウンターピック
相手ヒーローが苦手とするキャラクターや対抗手段になるキャラをピックすること。相性がより極端な場合にはハードカウンターとも呼ばれる。
ギャップ
意味的にはdiffとほとんど同じ。diffが侮辱的なワードとして浸透したことから、最近ではこう呼ばれることも少なくない。
キャリー
独力で集団戦や試合そのものを勝利に導くこと。試合などでチームを牽引した選手のことを指し、さらにその上を行く活躍を見せた選手をハードキャリーとも言う。
クラッチ
試合の流れを変えるプレー。試合を決定づける重要なプレー。単にファインプレーを指すことも多い。
コンプ
チームの構成(composition)の略。例:ダイブコンプ。英語版ではランクマッチを”Competitive Play”と呼ぶため、その略称として使われることもよくある。
ジェフ
ジェフ・カプラン氏の愛称。オーバーウォッチの初代ゲームディレクターでありOWコミュニティから最も愛された人物のひとり。2021年4月に退社し後任にはアーロン・ケラー氏が就任している。
スタッガー/スタッガーリング(stagger)
意図的に相手をキルせずに相手チームへの合流を遅らせること。集団戦で一人だけ生き残った敵に対してよく用いられる戦い方。
戦術とはいえ、あまりやりすぎると顰蹙を買う。特にプロシーンでは生身になったDVA(ベビーDVA)を取り囲む光景が異様に映っていたこともたしか。
その後、召喚メックキルが追加されたことで、DVAに対するスタッガーリングは見かけなくなった。
スタック(stack)
グループを組むことを主にスタックという。基本的には3人以上のグループを指し、フルスタックといえば5人グループを意味する。尚、2人組はデュオ、3人ならトリオと呼ばれることが多い。
ストール/ストーリング(stall)
オーバータイムにポイント上で粘ることで時間稼ぎをする戦術。相手を倒すことよりもコンマ1秒でも長く生き残ることを目指す。
ペイロードを中心にぐるぐると回るレッキング・ボールが一般的で、ただの悪あがきと言えなくもないが、ハイレベルなチームになると、順番にポイントに入るという高度な戦術を用いる。
スノーボール
キルなど一つのことが引き金となり雪だるま式に形勢が一方に傾いていくこと。一方的に圧され立て直し不可能な状態。
スマーフ
一般的にはサブアカウントで故意に実力よりも低いレートで格下相手に戦うことを指すが定義については諸説あり。
スロー
故意に試合に負けようとしたり、試合をさっさと終わらせたい時に試合を捨てる利敵行為。類義語にフィードやトロールがある。
ダイブ
一般的には機動力の高いヒーローが敵陣深くに飛び込むか迂回してサポートや後衛を積極的に狙いにいく戦術/プレースタイル。こういった戦い方をするための構成をダイブ構成と呼ぶことが多い。
チョークポイント
ゲートや門など進路が狭められて目的地に向かうにはそこを通過するしかないポイント。OW2で廃止されたアサルトマップに多く見られた。
チルト
ミスやイライラが募り精神的に萎えたり荒れたりやる気を失うなど、パフォーマンスによくない影響を与える精神状態。文脈次第では「炊く」も含まれる。
オーバーウォッチはこのチルトとの戦いと言っても過言ではない。
咎める(punish/punished)
語源は英語の”punish/punished”(罰する/罰せられる)であり、MOBA系の対戦ゲームなどでよく使われる。
甘えたポジションや安易なプレーを懲らしめる/罰せられるという意味だが、日本語の口語や語感的に適当な訳がなく、しばし「咎める」という言い回しが使われている。
トキシック
他のメンバーのやる気を削ぐ言動、暴言、罵倒、心無い言動を指す形容詞。英語で有毒を意味する”toxic”が語源。
トロール
自己の楽しみのために他人に迷惑がかかることを知りながらなす行為。スロー行為もトロールに含まれる。状況を無視してオフメタヒーローばかりでプレーするとトロールと言われることもある。本人はいたって真剣で他人に迷惑をかけているという意識がないこともある。
パープル/アンチ
アナの阻害瓶のこと。単にグレネードやアンチグレと呼ばれることもある。
バックキャップ
後方で敵が人知れずポイントを奪取している様。C9と混同されることもあるが別物。ペイロードやアサルト(特にハナムラ)で発生することが多い。
バブル
ザリアのバリアをその形状から海外ではバブルと呼ぶことが一般的。
ピール
敵から狙われている味方から相手を剥がしたり追い払うこと。
ピック
膠着状態で数的優位を得ることになったキルに使われるが、単にキルを指すことも多い。また、ULT以外でキルを取った時にも使われる。
その他、ヒーローを選択/使用するという意味で使われることのほうが多い。
ヒットスキャン
発射と同時に狙った場所に着弾する攻撃(即着弾)やそれをメイン武器にするヒーロー。または、そういったヒーローを得意とするプロ選手。代表的なヒーロー:ウィドウメイカー、キャスディ、ソルジャー
中距離以上の攻撃を指すことが多く、例えばトレーサーやリーパーの攻撃も即着弾ではあるが、ヒットスキャンと呼ぶことは一般的ではない。
ブープ(boop)
ルシオやレッキングボールなどスキルで相手をノックバックさせること。これらのスキルで環境キルをとった時によく使われる。
一時期ソンブラの短編アニメの影響で若干意味は異なるが、“Boop”が流行りエモートにも追加された。
ファイナルブロー
最後にとどめを刺したキルを“Final Blow”と呼ぶ。重要なスタッツであるにも関わらず、OWではキルアシストにあたるエリミネーション含めてキルとしてカウントされることもある。
フィード
敵チームの養分になるようなプレイ。スローと似ているが、故意ではなくミスなどで相手の餌食となっている行為を指すことが多い。
フォーカス
特定のプレイヤーやヒーローを集中的に狙うこと。OWでは基本的な戦い方のひとつ。
フランク/フランカー
機動力の高いヒーローが相手チームの側面や後方に回り込みサポートを狙ったり注意を引きつけること。こういったヒーロー/プレイヤーをフランカーと呼ぶ。典型的なヒーローとしてはトレーサーやソンブラ。
フリック
キャスディやウィドウメイカーのようにターゲットに素早く合わせるように狙うエイム。ソルジャーやトレーサーの攻撃はトラッキングエイムと呼ばれる。
フレックス
様々なヒーローを柔軟に(flexible)使いこなすことができることを意味する。OW最初期の頃は「フレックス」というロールも存在していた。
OW以外では「見せびらかす(flex)」というスラング的な意味で使われるのが一般的。
フレックスDPS
競技シーンなどで使われる用語。定義は曖昧だが基本的にはヒットスキャン以外のダメージヒーローやプロジェクタイルをメインに扱う選手を指す。
フレックスサポート
プロジェクタイル
ロケットや矢など弾速のある攻撃やそれをメイン武器にするヒーロー。代表的なヒーロー:ファラ、ハンゾー1、トールビヨン
ベイブレード
アナでナノブースト化したリーパーが放つデスブロッサムをベイブレードに例えた様。単にリーパーのULTを指すこともある。
ポーク
一般的には中長距離から遠隔攻撃で敵のHPを削っていく攻撃または戦術/プレイスタイル。シールドを展開したり、チームで散開するなどして相手チームと距離を開けることを念頭に置いている。
ポケット
ファラマーシーのように特定のキャラクターやプレイヤーを専属介護すること。
ミラー
両チームの構成がまったく同じかほとんど同じときに使う。ミラー構成。
メインタンク/オフタンク
2タンク制だった無印OW時代の用語。メインタンクは主にラインハルト、ウィンストン、オリーサやそれらのヒーローを得意とするプロ選手。オフタンクは主にDVA、ザリア、シグマやそれらのヒーローを得意とするプロ選手を指す。
1タンク制となったOW2でも無印の名残りでメイン/オフタンクといった使い分けがなされているが、今後こういった呼び方は消えていくかもしれない。
メインサポート/フレックスサポート
一般的には回復量が多くなるサポートがメインサポートで攻撃的なサポートがフレックスサポートなどと呼ばれる。前者で代表的なヒーローがマーシー、ルシオで、後者がゼニヤッタ。これらのヒーローが得意な選手もそれぞれこう呼ぶ。
ただし、アナ、バティスト、ブリギッテなどヒーローによっては構成次第でメイン/フレックスのどちらにもなり得るため明確に定義されないことも多い。
メタ
一般的にはその時の最適解と思われているチームの構成。流行している構成やよく見る構成。
メタル・ランク
金属のブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ帯の総称。コンテンツクリエイターが平均的なプレイヤーや低ランクを指すときに使う婉曲的な表現。
ラッシュ
一般的には範囲回復とスピード速度UPスキルを軸に耐久力が高く近距離戦に強いヒーローで固まりながら敵陣めがけて突進する戦術/プレイスタイル。無印で一世を風靡したGOATS構成もこのラッシュ構成に含まれる。
ワントリック
一人のヒーローでしかプレーしないこと。OTP(One Trick Pony, One Trick Player)とも呼ばれる。OWではネガティブな意味で使われることもあり、特にマーシーやオフメタヒーローでその傾向が強い。
海賊船
“Pirate Ship Strat”のことで、バスティオンをペイロードに載せてオリーサやラインハルトのシールドで介護する戦術。無印ではジャンカータウンなどで見られた戦術。