redditのコンペスレにある興味深いデータがポストされました。
このデータの主眼となっている”Hero Skill Caps”というのはそのヒーローを使いこなすのがどれくらい難しいか？言い換えればヒーロー情報にある☆マークをこのデータなりに置き換えたランキングだと思ってください。
ただし、このデータはPython botを使用してmasteroverwatchのスタッツデータから抽出したものではあれど、最終的な数値を割り出すまでに用いた計算式やバリュー値といったものは一切公開されていないので、個人的にはあまり信用していません。redditスレでのUVは2000+と評価されてはいましたが。
それはさておき、まず、このデータを算出する際の簡単なアルゴリズムはというと、コミュニティ（一定のプレイヤー群）の該当ヒーローの平均勝率が、プレイヤー全体の該当ヒーローの勝率を上回るまでに要した平均時間がもとになっています。
“The plateau point for a character’s hours played vs increased win rate above the average winrate for that character”
ただし、計算式だけでなく、平均をとるために必要な試合数なども明示されていません。1戦1勝ならその時点で勝率は上回ってるわけで当然サンプルとして採用するためには一定数の試合数が必要になるはずです。そもそも対象となるコミュニティの範囲も不明です。
また、このデータを作成した人も認めいているデータ上の欠陥がいくつかあります。
- シンメトラのように全体の使用率が低く、限定的な使われ方しかされていないヒーローでは、データからスキルキャップを割り出すことが難しい。つまりそのポテンシャルがまだ引き出されていない可能性がある。
- ラインハルト、ルシオ、D.Vaといった「ショットコール」や周囲とのコミュニケーションが重要とされるヒーローではこれを考慮することができない。
- ランクマッチのみのデータで、クイックプレイやプロトーナメントでのデータは対象外。
- ファラとマーシーのように相互補完することでポテンシャルを発揮するようなヒーローの場合は個々のスキルキャップを割り出すことが難しい。もし”Pharmercy”として一人のヒーローとして考慮すれば、単独時よりもスキルキャップは増える可能性がある。
長くなったけど、これらを踏まえてこのデータでなにが見えてくるのか？単純にスキルキャップが低ければそのヒーローを修得しやすいということ以外にも様々あるそうですが、そのひとつとして、バフ/ナーフがメタなどに影響するまでの時間といったものがあります。
例えば、作者曰く、スキルキャップの低いヒーローはナーフないしバフされた時にその影響がピック率にすぐに現れる一方で、スキルキャップが高いヒーローはバフ/ナーフされた時にその影響がメタに出るまでに時間がかかります。アナがよい例でバフされた後もしばらくはメタコンプには含まれていませんでしたが、最近は３タンクメタの軸となる存在にまでなって、今ではPTRで再調整が行われている最中です。
改めて上の画像の数値を確認してみます。注意すべきはこの数字の単位は時間ではなく、作者によると、”arbitrary units”（任意単位）ということで、特に決まった単位ではないので、バスティオンをマスターするのに平均7.4時間かかるという意味ではありません。この数値（Estimated Skill Cap）が多いほど使いこなすのが難しいということになります。
Bastion: 7.4
Torbjörn: 11
Reaper: 11.6
Symmetra: 12.4
D.va: 13.4
Winston: 14.2
Zarya: 15.8
Reinhardt: 16.4
Junkrat: 17
Soldier 76: 17.4
Pharah: 19.4
Mercy: 19.8
Mei: 21.4
Zenyatta: 21.6
Ana: 22.4
Hanzo: 22.4
McCree: 22.8
Roadhog: 24
Widowmaker: 24.6
Lúcio: 25
Genji: 28
Tracer: 28.8
言うまでもなく、これらのスキルキャップがヒーローの優劣を示すものではなく、作者も認めるように恣意的な数値と機械的に抽出した数字が混在しているデータなのでその点は注意が必要です。
ランキングを眺めてみるとルシオやザリアのポジションに納得してない人も多そうな気がするけど、一方で初心者御用達とも言えるバスティオンや、使いこなすのが難しいとされるトレーサーやゲンジのスキルキャップはいい線いってるとは思います。
