[OW2] ラインハルトを皮切りに、タンクは個別に硬さを強化予定-ディレクターの​視点:タンクと​今後の​バランス調整に​ついて

Overwatch 2

本日、オーバーウォッチ公式ブログ「ディレクターの視点」が更新され、ゲームディレクターのアーロン・ケラー氏から、シーズン11開幕から1週間が経過した現状、そしてタンクと今後のバランス調整方針について説明がありました。

ディレクターの視点:タンクと今後のバランス調整について

既に日本語ページも公開されているので、以下、その引用と簡単なまとめになります。

  • シーズン9からタンクが厳しい状況にあるという意見には開発陣も同意している
  • シーズン9以前に比べると今のタンクには「硬さが足りない」と考えている
  • そのためタンクとサポートが1組で行動しなければならずプレーに制約が生じている
  • シーズン9の弾丸サイズUPなどの変更以降、ボールを除くほとんどのタンクに、硬さを表す指標「Tankness」に変化が生じた。ヘッドショットダメージ低減により多少硬さは戻ったが意図した程ではない
  • 開発内部では議論はあるものの、今後は一律調整から個別調整する方向でヒーローの変更を検討している
  • 以上を踏まえ、現在はタンクの硬さを増やすべく調整中だが、ヒーローの個性やストーリーに基づいた個別調整が理想的

例:ラインハルトはシールドとライフを増やすことで彼の個性を引き出すことができる

  • これらの調整はシーズン11中盤からシーズン12に成果を反映できるようにしたい
  • ヒーローのバランス調整にはダメージやKD以外にもピック率、ランク帯、地域、そしてヒーローのコンセプトとコミュニティの意見が重要となる
  • コミュニティではラインハルトのように勝率60%でも問題にならないヒーローが存在する。これは我々からすると高すぎる勝率だが、コミュニティから不満はほとんどなかった
  • 一方で、ロードホッグが似たような勝率(最近は54%)に近づくとコミュニティからは不満が噴出する
  • 「フェア」という観点からは、不満が出にくいヒーロー、出やすいヒーローはこの例のように存在する。今後は特定のヒーローが他を圧倒しないよう、積極かつ適切なタイミングで調整することがゲームの健全性につながると考えている
  • 以下、シーズン11直後の現状:

タンク:抜き出た存在はいないが、上位勢としてはDVA、シグマ、ウィンストン、ジャンカークイン、ラインハルト、ザリア(6人の勝率は50-55%)

ダメージ:ファラが高い性能を発揮(勝率は約58%)、リーパーとメイがそれぞれ55%と50%に上昇、ソジョーンは急落(約44%)

サポート:ロール全体のバランスは安定、イラリーのパフォーマンスが大幅に改善し、勝率が数ポイント上昇(55%)

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ディレクターの​視点:タンクと​今後の​バランス調整に​ついて

ディレクターの視点:タンクと今後のバランス調整について

皆さん、​こんに​ちは!​前回の​「ディレクターの​視点」から​少し間が​空いてしまいました。​ここ数か月、​更新頻度が​低めに​なってしまい申し訳​ありません。​皆さんに​情報を​伝える​ことは、​私たちチームの​優先事項です。​今後も​情報発信に​努めていきます。

今回は​タンクに​ついてお話ししましょう。​もっと​厳密に​いうと、​皆さんの​間で​よく​議論が​交わされている​タンクに​ついて、​私たち開発者の​視点から​掘り下げていきたいと​思います。

シーズン9に​なってから、​タンクが​厳しい​状況に​置かれていると​いう​意見を​耳に​しています。​これには​私たちも​同意見です。​シーズン9以前の​タンクの​立ち位置が​完璧だったと​いう​訳では​ありませんが、​今の​タンクの​ほとんどに​「硬さが​ない」と​言いましょうか…。​両方の​サポートヒーローの​援護が​ないと​キルされてしまうと​いう​状況が​多く​発生しているので、​タンクと​サポートが​1組で​行動せざるを​得なくなり、​ゲームプレイに​制約が​生じてしまっています。

この​問題は、​シーズン9から​導入した​「Tankiness」​(硬さ、​タンクらしさ)と​いう​ストレートな​名称の​新指標にも​統計的に​表れています。​この​指標は​大まかに​説明すると、​実際に​重ねた​デス数と​本来あるべきデス数の​比率を​表した​ものです。​デスが​想定に​沿っているかどうかを​判断する​ための​指標は​Tankiness以外にも​沢山あるのですが…​ここでは​詳細を​控えます。​とにかく​言いたいのは、​皆さんが​感じる​タンクの​弱さが​データ面でも​裏付けできていると​いう​点です。

シーズン9で​実施した​大変更の​主な​目標の​1つが​「高い​バースト・ダメージと​ヒーリング両方への​対処」だった​ことも​あり、​タンクに​硬さが​なくなる​ことを​まったく​想定していなかったと​いう​訳では​ありません。​ですが​例の​変更後、​変動が​ほぼゼロだった​レッキング・ボールを​除く​タンクに、​他の​ロールの​どの​ヒーローよりも​大きな​変化が​生じる​形と​なりました。​ヘッドショット・ダメージの​低減を​はじめと​する​最近​導入した​調整の​おかげも​あり、​タンクの​硬さは​少しだけ​戻りましたが、​本来意図する​硬さを​生み出すまでに​至っていません。

ここ最近の​シーズンで​導入した​一律的な​変更、​たとえば​弾の​サイズ拡大、​タンクに​導入した​ヘッドショット・ダメージと​ノックバックの​減衰パッシブ、​全ヒーローに​導入した​ライフ回復パッシブなどは​現在でも​気に​入っています。​チームでは​現在、​今後の​バランス調整の​軸を​この​一律的な​変更のままと​するのか、​ヒーロー個別の​調整に​移すのかで​議論が​続いています。​以前よりも​効果を​弱めた​ダメージ・ロール・パッシブの​導入などの​小規模な​一律変更に​ついても​検討していますが、​今後は​ヒーロー別の​調整を​中心に​展開したいと​考えています。​個別調整には、​一律変更よりも​劇的に​パフォーマンスを​変えられる​ポテンシャルが​あるだけでなく、​「ラインハルトは​シールドを​展開する​ことで、​タンクならではの​硬さを​発揮する」と​いった​ヒーローごとの​持ち味を​明確に​する​うえでも​効果的です。

タンクに​加えられる​調整も​この​路線変更に​沿った​ものになります。​現在、​タンクの​硬さを​増や​すべく​さまざまな​調整を​考案している​最中ですが、​これまでと​異なり、​ヒーロー別に​調整していきます。​ヒーローの​アビリティや​キャラクターに​沿った​個別調整が​できれば​理想的です。​たとえば、​先ほど​名前が​出た​ラインハルトを​例に​挙げると、​シールドの​ライフを​増やす​ことで、​硬さと​個性の​両方を​さらに​引き出せるでしょう。​タンクの​調整には​現在、​調整担当チームが​一丸と​なって​最優先的に​取り組んでいます。​シーズン11の​中盤か​シーズン12に​その成果を​反映できればと​考えていますが、​詳しい​変更点は​導入が​近づき次第、​詳しく​お伝えしていきます。

今の​話は、​私たちが​いま議論を​重ねている​バランス調整全体の​アプローチにも​関連しています。​バランス調整は​単に​パワーの​合計や​勝率だけで​調整できる​ものではなく、​数値では​捉えられない​細かな​差異を​感じ取る​力が​特に​要求されます。​ダメージ量や​キル数、​デス数のような​無数に​存在する​統計値だけなく、​ピック率や​そのヒーローが​使用される​スキル・ティア、​地域、​プラットフォーム、​そして​それ以上に​ヒーローの​デザイン・コンセプトや​コミュニティの​意見が​調整内容を​決める​うえで​重要です。​最近の​メタの​変動を​きっかけに、​ニッチと​される​ヒーローの​調整に​対する​私たちの​捉え方の​違いが​浮き​彫りになりました。​この​ゲームには、​勝率と​ピック率が​高くなっても​コミュニティで​特に​問題に​ならない​ヒーローが​存在します。​たとえば、​勝率60%は​私たちに​とって​高すぎる​値ですが、​ラインハルトが​この​域に​達しても、​コミュニティ内から​不満が​出る​ことは​ほとんど​ありません。​ですが、​ロードホッグが​似たような​値​(最近は​54%に​到達)に​近づいた​時の​コミュニティの​反応は​何と​言いましょうか…​違います。​コミュニティでは​「フェア」と​考えられるような、​少なくとも​不満が​出にくいヒーローと​そうでない​ヒーローは、​この例のように​存在します。​プレイする​うえで​高い​レベルが​要求される​ヒーローには、​メカニズム面で​特に​注意が​必要です。​私たちと​しては、​ヒーロー全員の​競技性を​維持すると​同時に、​特定の​シチュエーションで​特定の​ヒーローが​ピックに​適すると​いう​環境を​大切に​したい​ところですが、​今は​特定の​ヒーローが​他を​圧倒しないよう、​積極的かつ適切な​タイミングで​そのヒーロー調整していくのが、​ゲームに​とっても、​私たちに​とっても、​より​健全な​策なのだろうと​考えています。

以上を​踏まえたうえで、​シーズン11開幕直後の​バランスを​最後に​総括しましょう。

  • タンク:抜きんでたパフォーマンスを発揮するヒーローはいないものの、上位勢として挙げられるのは、D.Va、シグマ、ウィンストン、ジャンカー・クイーン、ラインハルト、ザリア(この6人の勝率は50~55%)
  • ダメージ:ファラが引き続き高いパフォーマンスを発揮(勝率は約58%)。リーパーとメイの勝率がそれぞれ55%、50%と上昇した一方で、ソジョーンの勝率は急落(約44%)
  • サポート:ロール全体のバランスは安定的。イラリーのパフォーマンスも大幅に改善し、勝率が数ポイント上昇(55%に到達)

今週の​「ディレクターの​視点」は​以上です。​また​数週間後に​新しい​記事を​投稿するので、​どう​ぞご期待ください。​引き​続き、​シーズン11を​楽しんでいただけると​幸いです。​ともに​素晴らしい​ゲームを​作っていきましょう。

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