ルーニー・ルール導入を巡りActivision Blizzardが批判の矢面に

企業が従業員を雇用する際の人選において、候補者には少なくとも1名の黒人や少数民族のマイノリティと女性を含めなくてはならないとする「ルーニー・ルール」1採用にActivision Blizzardが否定的な反応を示したことでSNSを中心に批判を浴びている模様。

アメリカ最大の労働組合組織であるアメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)がActivision BlizzardとEAにルーニー・ルールと同趣のプログラム導入を提案したところ、前社の法務部からは「会社の事業運営能力に対する実行不可能な侵害」との反応が返ってきたという。

AFL-CIOはActivision Blizzardの株主でもあることから、このプログラム導入を株主総会での採決に委ねることを提案しているが、Activision Blizzardはこれを阻止するために証券取引委員会(SEC)に介入を求めているとも報じられている。

Activision Blizzardの法務部がSECに送付した書簡には、同社が取締役及びCEOの候補者選定に際してはルーニー・ルールに沿って実施したものの、全ての採用に対してこのポリシーを拡大することは、競争が激しく動きの速い市場において、ビジネスを運営し人材を求めて争う同社の能力に対する実現不可能な侵害と書かれていたとのこと。

同社の広報は、人材はActivision Blizzardにとっての生命線であり、世界中のオーディエンスに魅力的なエンターテイメントを提供するために、多様性を尊重し反映した様々なバックグラウンドを持つ人材を育成し、奨学金やメンター制度などのプログラムに投資しているとコメント。

一方、同じくAFL-CIOから同ルールの導入を提案されたEAの広報は、同社の標準的な手続きに従って、EAの取締役会は株主提案としてこれを検討するとKotakuの取材に答えている。

”https://kotaku.com/report-activision-blizzard-calls-policy-to-make-hiring-1846144994”

脚注:

  1. 元々はNFLで制定された、各チームがヘッドコーチやゼネラルマネージャーなどの要職を選定する際に、黒人や有色人種などの少数民族を候補者の一人に含めなければならないというルールだったが、近年ではアファーマティブ・アクション(差別是正措置)の一環として他の業種にも導入が拡大されている。
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