ロサンゼルス・グラディエーターズがX10 Critの🇹🇭Pathiphan(タイ、ダメージ)加入を正式に発表しました。
THE PRODIGY HAS RETURNED.
We’re proud to welcome @itspatiphan back to Overwatch and to the Gladiators! #ShieldsUP pic.twitter.com/daU64VGLZZ
— Los Angeles Gladiators (@LAGladiators) December 15, 2021
一昨年までOW競技シーンでプレーしていたPatiphanですが、昨年からヴァロラントへとその活躍の場を移し、先日のVCT Championsではチームのエースとしてベスト8まで勝ち残るなど多くのファンに鮮烈な印象を残しています。
OWLは規定年齢が18歳以上と定められており、2003年9月生まれのPatiphanはこれまでリーグでプレーすることは叶いませんでした。OWプロとしてはパリ・アカデミーの一員として出場した2020年3月のコンテンダーズEUの試合が最後ということで、OWLが開幕する来年4月時点で実に2年もの間実戦から遠ざかっていることになります。
ヴァロラント転向後も定期的にOWを配信していたものの、かつて神童と呼ばれたPatiphanにとっても、この2年のブランクは大きいはずで、タイ代表やコンテンダーズでの実績もある選手とはいえ過度の期待は危険かもしれません。
一方で、来季は5人制移行によりゲームが一新されることもあり、ある意味選手全員が同じスタートラインに立つことはPatiphanにとっては好都合といえます。
グラディエーターズはKevsterと、同じくヴァロラント帰りのANSといったリーグトップクラスのDPSを擁しており、両者のピックプールはPatiphanとも重なりますが、ドゥームフィストやゲンジといった得意のヒーローを中心にヒットスキャンからフランカー、必要であればプロジェクタイルまで幅広くこなせるハイパーフレックスとしても期待できるポテンシャルを秘めたプレイヤーです。
数ヶ月前からリークされていたとはいえ、思いも寄らないPatiphanのOWLデビューは来季開幕に向けて大きなトピックのひとつであることは間違いなく、新たなスター選手の加入は今後もリーグ内外から大きな注目を集めるのではないかと思われます。
尚、グラディエーターズのFace新ヘッドコーチとはPatiphanがTalon Esports時代に同コーチがアシスタントを務めていたという縁があります。タイ出身選手としてはMickie以来2人目のリーガーということになります。
余談ですが、VCT Champions前に染めたピンクともパープルともつかないヘアカラーはグラディエーターズのチームカラーを示唆したものだったのかもしれません。
現在のラインナップ:
🇺🇸Reiner(タンク)
🇺🇸Space(タンク)
🇸🇪Kevster(ダメージ)
🇰🇷Ans(ダメージ)
🇹🇭Patiphan(ダメージ)
🇰🇷Shu(サポート)
🇰🇷Skewed(サポート)
🇬🇧FunnyAstro(サポート)
追記:
以下は、Dexertoに掲載されていたPatiphanのコメントです。インタビューは今月のVCT Champions前に収録されたものです。
「自分にとってオーバーウォッチなら東南アジア以外でもより多くのチャンスがあり、アメリカで生活しプレーできることは他では得られない経験です。」
「東南アジアは他の地域ほど競争が激しいわけではなく、もし別の地域でプレーするということになれば、このままヴァロラントでプレーすることも考えていたかもしれません。」
「大会前に負傷した手首の怪我は精神面にも影響を与えました。困難な時期を経験しましたが、今では状況も変わり当時とは考え方も変わりました。」
「もちろん最初は苦戦するかもしれませんが、錆びついた感を取り戻して、以前のようにうまくプレーできるでしょう。元のレベルに戻る自信はあります。慣れるための時間が必要なだけです。」
「ヴァロラントでこんなにも高いレベルでプレーできるとは思っていませんでした。ここで成し遂げたことに感謝していますが、これで終わりではありません。私を支えてくれた人々や友人たちにいつまでも感謝しています。Boaster1との思い出が懐かしいですね、彼の幸運を願っています。」
冷え切ったOWの競技シーンとは対照的に大きな盛り上がりを見せるヴァロラントシーンですが、VCTがサーキット形式を採用している以上、勝ち残れば莫大な賞金と名声を手にする一方で、結果を残せなければ即契約を失うという選手にとっては厳しい世界でもあります。
OWLも同様に厳しい勝負の世界ではあるものの、リーグ最低給として年俸約5万ドルが保証されています。拘束時間も多いですが東南アジアの物価水準を考えれば魅力的な条件といえます。Patiphanは2年のブランクがあるとはいえ、過去の実績や今年5月以降に見せたヴァロラントシーンでの活躍ぶりを考慮すると、6桁クラスのサラリーを提示されていたとしても不思議はないでしょう。