米経済紙のウォール・ストリート・ジャーナルは17日、Activision Blizzard社(ABK)が不祥事発覚後のここ数ヶ月間で80名近い従業員を解雇または処分した一方で、事態がこれまで以上に深刻化することを恐れたボビー・コティックCEOがその事実を隠していると報じている。
Activision has pushed out or disciplined about 80 staffers since July to address allegations of sexual harassment and other misconduct, according to people familiar with the situation https://t.co/APPW6mYGMD
— The Wall Street Journal (@WSJ) January 17, 2022
リポートによると、元々これらの処分結果は同社が冬季休暇に入る前に公表される予定だったものの、コティックCEOが上記の理由から発表に待ったをかけたとのこと。さらに不祥事発覚以降同社が行っている内部調査を受けて、重複も含め700件にものぼる不正行為の報告があったことも調査結果には記されていたという。
WSJの取材を受けたABK社の広報は、調査の結果37名が会社を去り(解雇または自主退社)、44名が懲戒処分を受けたことを認めている。しかしながら、700という報告件数ついては、SNSでの苦情も含めた数字であり深刻なものは少数であると異論を唱えている。
WSJは昨年もコティックCEOが同社管理職による婦女暴行を含む社内の不正行為を認識しながらその事実を隠蔽していた一件を報じており、CEO自身の過去のハラスメント行為についても取り上げている。
今回のリポートでは、昨年11月に英投資会社のFidelity InternationalがABK社のBrian Kelly会長に対して、第三者による外部調査を行い、その間、取締役会はコティックCEOの一時休職を検討すべきとの書簡を送っていたことも明らかにされている。この投資会社はABK社の株式約0.6%を保有しており、同社に向けられている懸念が適切に処理されない場合は、ABK社の株式を売却するか他の株主に協力を求めると警告しているとのこと。
一方、複数株主や行政機関など関係当局からの圧力も強まる中で、ABK社の取締役会はコティックCEOの留任及びこれまでの取り組みを支持しており、同社の広報も同CEOの変革へのコミットメントとリーダーシップに満足していると答えている。
この話題がポストされたredditサブでは会社を去るべき人間があと一人足りないのではないかとの皮肉も聞かれる。
”https://kotaku.com/report-bobby-kotick-is-still-trying-to-hide-the-scale-1848371871”