「OWCS DreamHack Dallas Major」出場全8チーム短評

訂正:[オーバーウォッチ 2] 第2回PVPベータを分析した開発ブログ

Overwatch 2

※ざっくりまとめの部分にいくつか間違いがあったので訂正しました。

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本日、第2回オーバーウォッチ2 PVPベータのヒーローパフォーマンスを分析した興味深いデータが公開されました。

発明の起源は想像にあります:「オーバーウォッチ 2」ベータの統計分析
ヒーローの皆さん、お帰りなさい!「オーバーウォッチ 2」第2回ベータが無事に終了し、再びデータ分析の時間がやってきました!

今回の開発日誌では、前回テストと同様にヒーローの加重使用率、非対の称勝率などのデータサイエンスがどのようにヒーローのバランス調整に影響を与えたかについて語られています。

まずはこれらのデータを中心にざっくり説明してから、その後、日本語公式ブログの記事を引用掲載しています。

コンソール対応

前回テストからCS版に対応したことで、全てのプラットフォームを含めたPC/CS版のヒーローの「非対称の勝率」3とその機種間の差異。

人気とパワーレベルの測定


ジャンカークイーンとソジョーンが人気の指標となる「ヒーロー加重使用率」4で圧倒、新ヒーローのJQはともかく、ソジョーンもCS版ユーザーにとっては新ヒーローであり、それに加え大口径化した武器強化が人気の原因となったようです。


非対称勝率でもジャンカークイーンがトップ。開発はこの時点でJQのパワーレベルが少し高すぎると認識したそうです。

女王を崇めよ!

詳細なデータを突き合わせた結果、ジャンカークイーンは、シールドやダメージ吸収などダメージを防ぐ手段がないにも関わらず、被ダメージが不自然に低いことが判明。これは彼女のモデルサイズが他のタンクに比べ小さいことに因果関係があるとの仮説を開発チームは立てています。

さらにシールドもバリアもないジャンカークイーンの「味方の死亡率」の低さは、シールド/ダメージ吸収の両方を持つシグマに匹敵するほどで、味方を守ることにも長けています。

訂正:
当初ジャンカークイーン自身の死亡率の低さと書いていましたが、JQプレー時の「味方の死亡率」の間違いです。

この点について、開発チームはコマンディングシャウトが大きな役割を果たしているとの仮説を立てましたが、こうしたデータの裏付けもあり、コマンディングシャウトとULTに下方修正が入るに至ったようです。

実験の時間だ

これはモイラの新オーブ実装時の非対称の勝率データ。ハイライトされたヒーローが当時バランス調整が実施されたヒーローです。

調整が意図したとおり、下方修正されたゼニヤッタ、JQ、ソジョーンは勝率が2-3%低下。一方で上方修正されたドゥームフィスト、シンメトラ、オリーサの勝率が上昇しています。

アビリティに仕様変更のあったモイラとマーシーについてはどちらもテスト結果は不満足なものとなり、双方の勝率も僅かに下降していますが、この件については前回ブログで触れたとおり、今後の両者の調整については明確なビジョンがあります。

モイラの新型オーブ実装前後の10分あたりの与ダメージとファイナルブローの推移をあらわしたデータ。

点線が実装時を示していますが、それ以降、FBは約25%、ダメージは30%も下落しています。

このようなテスト結果もあり、新型オーブは廃止され以前の仕様に戻されることが決定しています。

ちなみに、この開発ブログを投稿してくれたデータアナリストのBen Trautman氏はOW初期にoverbuffで数々の貴重なメタリポートを提供してくれたあのCaptainPlanet氏です。

2年ほど前にBlizzardに入社し昨年まではOWLでStatsLabのデータ集積なども担当していました。


発明の起源は想像にあります:「オーバーウォッチ 2」ベータの統計分析

発明の起源は想像にあります:「オーバーウォッチ 2」ベータの統計分析

ヒーローの皆さん、お帰りなさい!

「オーバーウォッチ 2」第2回ベータが無事に終了し、再びデータ分析の時間がやってきました!前回のベータ統計ブログでは、「オーバーウォッチ」のデータと統計について、「加重使用率」、「非対称の勝率」などの指標を用いながら詳しくお伝えしました。ヒーローバランスの調整を行う上で、今挙げたデータと、豊富なフィードバック、ユーザーの研究、社内ディスカッションは欠かせない要素です。今回のブログでは、もう一度同じ道筋をたどり、第2回ベータ期間中の判断をくだす上で、どのようにデータを活用していたのかに迫ります。

第2回ベータの目玉はもちろん、ジャンカー・クイーンでした。デザインチームとしては、シネマティックで見せた力強さを損なわないようにしつつ、ゲームバランスを保てるようにしたいと考えました。ただし、ジャンカー・クイーンだけが焦点だったわけではありません。今回のベータでは一度に多方面で変更が行われ、その中にはダメージヒーローのパッシブの大幅調整も含まれました。また、今回はコンソールも対象となったため、全プラットフォームを通じて、各ヒーローのバランスが取れているか確認する必要がありました。

目次

コンソール対応

詳細な分析を始める前に、PCとコンソールとのバランスの違いに触れましょう。「オーバーウォッチ」は他のクロスプラットフォーム対応タイトルと似た状況に置かれています。すなわち、本作を楽しむプレイヤーたちが、異なるプラットフォーム・異なる入力システムを利用する層に分かれているのです。その結果、コントローラーを使用する層と、マウスとキーボードを使用する層で異なる戦略が生まれます。コンソールとPCで特定のヒーローの勝率に差はありましたが、両プラットフォームのベータを通して、全体的なヒーローのバランスには非常に満足しています。ヒーロー間の勝率のばらつきは、PCよりもコンソールのほうが小さい傾向が見られたほどです!これからお見せする統計はいずれもPCとコンソールのデータを総合したものですが、その前に、データ好きの皆さんのためにPCとコンソールそれぞれの「非対称の勝率」をお見せします。

ヒーローPCコンソール差異
D.Va43.80%46.80%3.00%
ザリア49.80%52.80%3.00%
オリーサ40.80%43.40%2.60%
ルシオ52.50%54.70%2.20%
ロードホッグ44.30%46.20%2.00%
バティスト43.50%45.20%1.70%
バスティオン46.30%48.00%1.60%
シグマ50.30%51.90%1.60%
シンメトラ55.40%57.00%1.60%
ソルジャー7646.00%47.50%1.50%
トールビョーン55.20%56.50%1.20%
モイラ49.20%50.40%1.20%
ソジョーン48.60%49.70%1.10%
キャスディ47.40%48.30%0.90%
ソンブラ45.20%46.10%0.90%
ブリギッテ54.90%55.50%0.60%
アッシュ49.20%49.60%0.40%
レッキング・ボール48.10%48.40%0.30%
トレーサー49.00%49.30%0.20%
リーパー48.00%48.00%0.00%
メイ54.80%54.80%0.00%
ウィンストン49.50%49.50%0.00%
ウィドウメイカー51.60%51.30%-0.30%
ジャンカー・クイーン56.10%55.70%-0.40%
ジャンクラット53.30%53.00%-0.30%
ゼニヤッタ54.50%54.20%-0.30%
マーシー48.80%48.30%-0.40%
ドゥームフィスト46.80%46.30%-0.50%
ラインハルト52.90%52.20%-0.70%
ハンゾー49.20%48.10%-1.10%
エコー48.90%47.70%-1.20%
ファラ56.00%54.20%-1.80%
ゲンジ54.50%52.40%-2.10%
アナ47.50%44.50%-3.00%

PCおよびコンソールにおける非対称の勝率 – 「オーバーウォッチ 2」ベータ第1週

人気とパワー・レベルの測定

まずは一番の注目の的、青いモヒカンがトレードマークのジャンカー・クイーンについて見ていきましょう。開発チームはクイーンが大好きです。ジャンクラットに次いで、2番目の大ファンと言っても過言ではありません。ベータが開始してジャンカー・クイーンをプレイできることに、プレイヤーたちと同じくらい開発チームも喜んでいました。ジャンカー・クイーンの使用率と勝率はいずれも素晴らしいものでした。まさに主役にふさわしい活躍です。

ヒーローの加重使用率 – 「オーバーウォッチ2」ベータ第1週

この表は、各ロールにおける平衡使用率に対する相対的な各ヒーローの使用率を示しています。加重使用率については前回の統計ブログで詳しく触れましたが、簡単に説明すれば、ロールに属する全ヒーロー数に対して、あるヒーローが選ばれる比率です。「オーバーウォッチ」を席巻したジャンカー・クイーンの加重使用率はなんと7.5。つまり全タンクの平均よりも7倍以上も多く使用されていたのです。

この指標はヒーローの人気を計るには最適ですが、これだけではヒーローが強力すぎるかどうか知ることはできません。この指標ではソジョーンもジャンカー・クイーンと並んで高い人気を誇り、ベータのほぼ全期間を通して加重使用率は5以上を維持していました。新たに追加されたヒーローに人気が集まるのは当然予想されたことです。特にコンソールの参加者は、初めて触れるヒーローが2人いるため、その傾向が強くなると考えていました。この2人のヒーローのバランス調整を考える上では、相対的な人気を見るだけでは足りません。そこで、この2人の非対称の勝率を分析し、パワー・レベルを評価しました。

脚注:

  1. ヒーローが片方のチームで採用された場合の勝率
  2. ロールに属する全ヒーロー数に対して、特定のヒーローが選ばれる比率
  3. ヒーローが片方のチームで採用された場合の勝率
  4. ロールに属する全ヒーロー数に対して、特定のヒーローが選ばれる比率
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