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[オーバーウォッチリーグ] 元ワシントンHCがOWLが直面する問題を考察

Overwatch League

2020シーズンにワシントンのヘッドコーチを務めていたJohnGalt氏が、現在OWLが直面している問題についてredditでコメント。その内容が注目を集めています。

Former head coach of the Washington Justice, JohnGalt gives insight to the current troubles facing Overwatch League from Competitiveoverwatch

同氏は現在、機械学習のエンジニアとして働いているそうですが、OWLが当時から抱えていた問題についての洞察には一見の価値があります。

以下そのまとめとなりますが、コメント自体がかなりの長文だっため、まとめも長めの内容となっています。ワシントンHC時代の回顧録については割愛しています。

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OWLへの信頼を失うチーム運営

– 多くのスレッドで語られているように、今OWLチームはリーグの仕組みやシステムにますます自信を持てなくなっている。

– 2019年、グラディエーターズにアシスタントコーチと参加した当時もすでに不満の声は聞かれ、よくない兆候は見て取れた。批判や不満をリーグスタッフに伝えても「我々にはどうしようもない」「そういものだ」とやる気のない答えが返ってくるだけだった。

– 2020年になると、明らかに採算の取れないリーグへの不安がますます増大していった。新型コロナはリーグの助けにはならなかったが、それがなくても、OWLは緩やかにではあるにせよ同じ坂を転げ落ちていただろう。

-1年前、 現在は他のチームにいるかつての同僚達にメッセージを送ったが、口を揃えて所属する運営組織(org)に対する不満や、orgがリーグやActivision Blizzardに不満を抱いている現状を吐露していた。

– 約束された収益があげられないことに失望したorgはますます金を使わなくなり、コミュニーケーションも減った。組織として運営することがますます難しくなっている。

– 私から言わせれば、今のリーグのシステム構造と組織全体に最も大きな責任を負うべきはActivision Blizzardだろう。

OWL低迷の原因

– OWがesportsとして再び人気タイトルになるためには、長い道のりを少しずつ歩むことになるだろう。

– esportsにとって視聴率は重要な指標であり、スポンサーが重要視するのも視聴率。今のOWLの視聴率は散々だが、その理由を100%断定することはできないものの、いくつかの理由が考えられる。

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プレイヤーベースの縮小。プレイヤー人口が減ればその分競技シーンに還元される視聴者も減る。バスケや野球は必ずしも視聴者がプレー経験者である必要はないが、esportsではほとんどが視聴者イコール経験者。OWLのオーディエンスを増やすにはOWのプレー人口を増やす必要がある。


何故人々がOWをプレーしなくなったか?それはまた別のトピックになるが、端的に言えば、OW1ではアップデート不足がカジュアルなプレイヤーベースを殺した。そして、人々はそれほどOW2に興奮しているわけではないということ。PVEについてはまだよくわからないが、2016年にOWが多くの人々に受け入れられた理由は、FPS未経験者でも入りやすい雰囲気のゲームプレーにあった。たしかにOWのキャラクターはとても愛されてはいるが、PVEがOWをプレーするきっかけとなり、プレイヤーを繋ぎ止めるゲームプレーの核となるだろうか?


人々がライブ配信を観ているのはYoutubeではなくTwitch。OWLはTwitchに戻るべき。


OW2リリース後はより頻繁なパッチサイクルが必要。LoLのように年に一度はゲームを変えるような大型パッチとシーズン途中のパッチが必要。LoLでは毎年ゲームが様変わりするような要素があったが、OW1ではなにもなかった。ジャンケンシュタインの復讐のようにユニークなイベントは登場時は素晴らしかったが、こういったコンテンツをより多く迅速に出す必要がある。ゲーマーは飽きっぽい。

OWとOWLの今後

– 理想を言えば、フランチャイズ制を廃止してやり直したいところだが、それは絶対にあり得ないだろう。力も金もあるオーナー達がBlizzardにそんなことをさせるはずがない。

– ダメになったOW1をOW2で仕切り直して再構築するという考えには同意するが、OW2リリース当初の一時的な盛り上がり以上の成功が期待できるとは思えない。

– Blizzardは面白いゲーム作りには長けているが、彼らのゲームはLoL、APEX、ヴァロラントのような持続力に欠けている。OWやHeroes of the Stormもそうなるポテンシャルはあったが、結局リリース当初の人気は長続きはしなかった。

– Diablo Immortalが短期間で莫大な売上をあげた今、もしかしたらBlizzardは自分達が本当に得意としているのは、持続力よりもDiablo Immortalのようなゲームを量産することではないかと気がついたかもしれない。

– そうなればタイトルの長期運営を前提とするOWLをこのまま維持することに価値がないとBlizzardは判断するかもしれない。私は今そのことを危惧している。

参照
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