本日、公式ブログが更新され、ディレクターのアーロンからシーズン4のバランス調整振り返りとシーズン5で予定されているバランス調整について説明がありました。
シーズン5ではジャンカークインの弱体化とライフウィーバーの強化を中心にバランス調整が行われる予定とのことで、その他にはウィドウメイカーやハンゾーのワンショット問題の改善とクラウドコントロールの緩和。それに伴うメイやキャスディの変更がテーマとしてあげられています。
既に日本語公式ページも公開されており、以下、その引用となりますが、後ほど簡単なまとめを追記しておきます。
- ジャンカークイン…シャウトの追加HPが200から150に減少、ULTコスト上昇
- ライフウィーバー…回復ダメージ増量、グリップの回復追加、ヒットボックス縮小、花びら改善
- ウィドウメイカー…距離減衰が70-100から40-60メートルに縮小、減衰率は30%から50%に上昇
- ハンゾー…ダメージ削減で250族はワンショット不可、索敵矢が敵に分かりやすくなる
- メイ…ブラスターの効果蓄積で1.5秒間スロー効果がアップ
- キャスディ…グレネードのダメージが減少する代わりにスロー効果と移動スキル封印効果を追加
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- シーズン3と4はバランス調整の観点からは近年で最もバランスが取れていた。
- ジャンカークインはシーズン4の強化で勝率が5%ほど上昇、ピック率は最高になった。
- 多くのランク帯でシーズン後半最も多く選ばれたタンクはJQとラインハルトだが、マスター以上ではJQが圧倒。
- JQのコマンディングシャウトは追加ライフを200から150に削減。ULTのコストも少し上昇。
- ライフウィーバーを標準的な強さにするため、シーズン5では多くのバフを予定。
- 回復やダメージ量の増加、ライフグリップの回復追加、ヒットボックスの僅かな減少、ペタルプラットフォームの改善などが含まれる。
- 懸念の多いワンショット問題に対処するため、ロングや開けたエリアにカバーを追加。ウィドウメイカーの距離減衰を70-100メートルから40-60メートルに縮小。距離減衰の割合も30%から50%に引き上げ。これにより50メートル以上になると200族をワンショットすることはできない。
- ハンゾーもダメージ量が僅かに減少、250族の一撃死がなくなった。不意打ちを避けるために鳴響矢水がの効果が敵チームにわかりやすくなる。
- 5v5移行によりクラウドコントロールを大幅削減したが、これを緩和し「ソフトCC」という緩い行動制限スキルを追加。これを踏まえてシーズン5ではメイとキャスディに変更。
- メイは凍結ブラスターが、ブラスターの効果が蓄積するとスロー効果が1.5秒間さらにアップする(フリーズはしない)。
- キャスディはグレネードのダメージ量が減少するかわりに、敵の動きが遅くなり、移動アビリティが使用できなくなる効果を追加。
- これらのソフトCC追加は慎重に進め、一線を越えたと感じたら引き返す予定。
- 上記以外のヒーローの変更調整も予定。
追記:
With Mei changes, 100->55dps on primary fire.
For Lifeweaver, experimented with a passive that gave more healing for ally missing health and added effects for standing on the platform. Felt best bringing up his stats across the board, gives more space to work with in the future. https://t.co/TRJGSmGiaL
— Alec Dawson (@GW_Alec) June 6, 2023
リード・ヒーロー・デザイナーのAlec Dawson氏から、メイとライフウィーバーの調整内容について補足がありました。
これによると、メイのブラスターは氷結ストロングの代償としてDPSが100から55と大幅に減少するとのこと。これはフリーズ可能だった無印時代のDPSとほぼ同じです。
さらに、ライフウィーバーについては味方の残りHPに応じた回復パッシブ、プラットフォームに立った時の追加効果なども試してみたそうです(これらはおそらく非採用)。
ライフウィーバーのスタッツを全体的にあげることがベストであり、それにより、将来的により多くの変更作業を行う余地が生まれるとのこと。
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ディレクターの視点:シーズン5のバランスアップデート
シーズン4の終わりに向け、ゲームバランスを振り返りたいと思います。今シーズンは多岐に渡るヒーローがピックされ、大部分においてゲームの均衡がよく取れていたと言えるでしょう。勝率の面から見ると、シーズン3および4は近年の「オーバーウォッチ」では最高にバランスが取れていました!これを頭に入れながら、シーズン4における3つのトピックを観察し、シーズン5以降にそれらがどのように変わっていくのかについてお話しします。特に、ジャンカー・クイーンやライフウィーバーといったヒーロー、ワンショットキル、5v5でのクラウドコントロール系アビリティについて解説して行きたいと思います。
シーズン4ではチューニングの面でいくつか目立ったものがありました。ミッドシーズンパッチにおいてジャンカー・クイーンが連続で強化され、ゲームを支配する存在となったのです。勝率は5%ほど上がり、タンクの中で一番低いピック率だった彼女は最も高いピック率を誇るキャラの1人となりました。多くのスキル・ティアにおいて、シーズン後半に最も選ばれたタンクはジャンカー・クイーンとラインハルトでした。しかし、マスター以上において、ジャンカー・クイーンのピック率は圧倒的1位です。彼女の能力で大きく変わったのは、パッシブから受ける回復が上昇したことでしょう。この変更が彼女のプレイスタイルに与えた影響に満足しているものの、生存率が高くなりすぎてしまうので、「コマンディング・シャウト」で自身に付与する追加ライフを200から150に減らす予定です。また、ミッドシーズンの変更前と比べてアルティメットが溜まるのが早くなっていることから、アルティメットのコストも少し増やす予定です。
ライフウィーバーは本当にダイナミックなヒーローです。シーズン4の間は創意工夫をこらした使い方を見ることができ、とても驚かされました。とはいえ、多くのプレイヤーにとっての堅実なピックとなるには、まだ力不足でしょう。以前も述べましたが、新ヒーローを追加するからには、他にはない独自の魅力があってほしいと思います。何か新しいものをゲームにもたらしてほしい。これが新ヒーローを作る時の目標です。しかし現時点では、ライフウィーバーを標準的な強さへ引き上げることを優先しています。ピック率が上がってはじめて、キャラクターの個性を読み解けるようになります。そうなれば、プレイヤーはバラエティに富んだアビリティを活用しはじめるかもしれませんし、私たちも追加の要素を考えるかもしれません。シーズン5では、ライフウィーバーに多くの変更(主にバフ)が加えられる予定です。詳細はパッチノートでお知らせしますが、回復やダメージ量の増加、「ライフグリップ」の回復追加、ヒットボックスのわずかな縮小、そして「ペタル・プラットフォーム」の改善が含まれます。
今後もジャンカー・クイーンとライフウィーバーの観察を続け、必要に応じて追加の変更を行う予定です。
また、ウィドウメイカーとハンゾーによるワンショットキルの多さに対する懸念の声もコミュニティから届いています。ワンショットキルがゲーム内で起きる頻度を抑制するとともに、射線が通りやすい地形に遮蔽物を追加することを検討しています。ウィドウの距離減衰は70-100メートルから40-60メートルに縮小する予定です。距離減衰の割合も30%から50%に引き上げます。50メートル以内にいるライフ200のヒーローを一撃で倒せる能力はまだあるものの、それ以上の距離があると一発で仕留めることはできなくなります。ハンゾーのダメージ量もわずかに減少させ、ライフ250のヒーローを一撃で倒せなくなるようになりました。さらに、不意打ちでキルされるようなことがないよう「鳴響矢水」の効果が敵チームから分かりやすくなります。「オーバーウォッチ 2」におけるワンショットキルのあり方や、それがゲーム全般にとって健全かどうかについてはいつも議論が繰り広げられています。
最後に、ゲーム内のクラウドコントロール能力について少しお話ししましょう。「オーバーウォッチ 2」のリリース時、私たちは戦闘システムに大きな変更を加えました。一番大きな変更は6v6から5v5への移行です。その一環として、ダメージヒーローとサポートヒーローのクラウドコントロール能力をほぼ削除しました。全体的に見て、これはゲームにとってプラスとなった変更だと考えています。前作では、プレイヤーがまるでピンボールマシンの中にいるような感覚に陥ることもありました。とはいえ、機動力の高いヒーローを相手にしなければならない場面もあり、いつでもタンクが守ってくれるとは限りません。そこで、クラウドコントロールの削減を緩和することにしました。以前のゲームの状態に戻したくはないものの、クラウドコントロール、特に「ソフトCC」と呼ばれる緩い移動制限効果を増やす余地があると感じています。このことを踏まえ、シーズン5ではメイとキャスディに変更を加える予定です。メイの「凍結ブラスター」がアップデートされます。メイン攻撃がターゲットの動きを遅らせるのはそのままですが、さらに効果が蓄積すると、1.5秒間のより強力なスロー効果が適用されます。前作をプレイしていた人にとっては、以前の武器の感覚が思い出されるのではないでしょうか。キャスディの「マグネティック・グレネード」はダメージ量が減少する代わり、敵の動きを遅くし、移動アビリティが使えなくなる妨害効果が追加される予定です。ここはゆっくり慎重に進め、一線を越えたと感じたら引き返すつもりです。
これらの変更に加え、シーズン5では他のヒーローにも変更を加える予定です。パッチノートの公開や、新シーズンで登場するそのほかのお楽しみを皆さんに共有するのが楽しみです。いつもながら、ご愛読ありがとうございます。ゲームの中でお会いしましょう。