「OWCS DreamHack Dallas Major」出場全8チーム短評

[オーバーウォッチ2] OWL 2023シーズン「グランドファイナル決勝」試合結果リポート―OWL「最後のシーズン」を制したチームは?

Overwatch League

本日、行われた「オーバーウォッチリーグ 2023・グランドファイナル決勝」フロリダ・メイヘム対ヒューストン・アウトローズ戦の試合リポートです。

昨年のリポート同様に、これといった洞察がとくにあるわけでもない、ただの観戦リポートであることを予めお断りしておきます。

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WESTチーム同士のファイナル決勝となりましたが、今季これまでの両者の対戦成績は2-2の五分ながら、4日前に行われたプレーオフ初戦ではフロリダが3-1でヒューストンに勝利しています。

初戦の対戦結果からフロリダ有利との予想が多かったようですが、その予想どおり、開幕のコントロールではヒューストンに先手を取られたものの、Rupalバティスト、Mer1tソジョーン、Mer1tメイの高い決定力で、まずはフロリダが第1ゲームを先取します。

続くブリザード・ワールドではプレーオフに入り絶好調のPelicanエコーと新加入Bernarシグマがヒューストンを牽引。しかし、昨季を彷彿させるMer1tソジョーンの爆発力とクレバーなCheckmateメイの立ち回りでフロリダがマップを連取します。余談ながら、昨季Mer1tは今日の対戦相手であるヒューストンでプレーしています。

グランドファイナル決勝初登場となったフラッシュポイントのスラヴァーサではヒューストンはオリーサ構成を採用。一方のフロリダは第1、2マップで採用したラインハルト構成からシグマ構成に変えて対抗します。

加入後間もないBernarオリーサが今季のMVP Someoneラインハルト相手に互角以上のバトルを展開したものの、決め手となったのはやはりMer1tソジョーン。Haapyとの激しい撃ち合いを制してここでもフロリダが3-2のフルスコアでマップを奪取します。

後がないヒューストンはエスペランサで昨季のグランドファイナルMVPでもあるFearlessを投入。トレーサー、ソンブラ、ウィンストン、アナ、ブリギッテというパッチ前の鉄板構成で打開を図ります。

この策が吉と出たのか、プッシュ序盤を有利に進めたヒューストンですが、トレーサーとエコーを自在に使い分けるCheckmateやRupalバティストなど、攻め手の多さと試合運びの上手さで上回ったフロリダが最終マップも制し、4-0でオーバーウォッチリーグ初優勝を達成、おそらく最終シーズンになるであろうOWLの有終の美を飾っています。

大方の予想どおりフロリダの4-0というスイープでの優勝となりましたが、実際の試合の内容自体はそこまで大きな差があったわけではなく、フロリダの柔軟なヒーローピック(特にSomeoneとCheckmateの2人)と試合運びの上手さ、つまるところ策士Gunbaコーチが築き上げた完成度の高さが決め手になったように思います。

そして、グランドファイナルMVPは古巣相手に素晴らしいパフォーマンスを披露したMer1tが選出されています。

シーズンMVPこそチームメイトのSomeoneに譲ったものの、今日の試合だけでなく、シーズンを通しての安定したハイパフォーマンスは特筆に値します。

フロリダのGunbaヘッドコーチ曰く、「アトランタがプレーオフから敗退した時点で優勝することは分かっていた」とのこと。

メタへの適応に失敗した前期王者アトランタ・レインと、シーズンを通してメタに順応してきた、まさに適者生存を地で行くオーバーウォッチプロシーンの頂点に立つチームとして、最も相応しかったのが今季のフロリダ・メイヘムと言えるでしょう。

各チームプレーオフに向けてパッチ後の準備期間が限られていたこともありますが、今季のプレーオフはこれまでにない多彩な構成やピックが展開される大会となりました。

今季が最終シーズンと見られているオーバーウォッチリーグですが、試合終了後には今季リーグのキャスティングを務めたタレント陣が一堂に会し、メインホストのSOEからは、長年苦楽をともにしてきた仲間とリーグを支えてきたファンへの感動的なスピーチもあり、思わず涙ぐむ光景も見られました。

現状ではシーズン終了後のオーナー投票により、2/3を超える賛成票が得られない限りリーグの存続は厳しいと見られています。今のところ中国勢3チームは全て撤退することが確実されており、ロサンゼルス・グラディエーターズも既に運営組織が事実上解散しています。残り3チームの反対票でリーグ解散が決まることになります(7/19票)。

各チームの厳しい財政事情など、シーズン終了を前に運営スタッフが大量解雇されたリーグの現状もあり、リーグタレント陣も今季が最終シーズンになることを理解しているのかもしれません。

これまでの6年間を振り返る公式ファイナルモンタージュ(8:12:34~

とはいえ、例え今季が現行OWL最後のシーズンになったとしても、これまでに数々の名勝負や名選手を生んできたリーグの軌跡が色褪せることはないでしょう。

OWLが終了してもOWの競技シーンが消えるわけではありません。明後日からは今季最後となるコンテンダーズ大会も再開され、4日の17時にはVARRELの試合も予定されています。11月には日本代表も出場するワールドカップ本大会が開催されます。

現行OWLはおそらく今日が最後になるかもしれませんが、これまでの6年間、Blizzardが行ってきたリーグ運営については一ファンとして思うところは大いにあるものの、個人的にはポストオーバーウォッチリーグのプロシーンがどのような形になるのか今から楽しみでなりません。

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