-コンテンツや仕様などがアイデアになってそれらが実装されるまでにはどれくらい時間がかるか?
:タスクによって様々だからその質問に答えるのは難しい。
新マップやヒーローに関するタスクはリリース可能な状態に磨くまで数ヶ月かかる。新マップやヒーローのプロトタイプは非常に早くできあがるが、これらは不格好であり既存のアセットを流用したものが多い。試作品を作る時は得てして短時間で仕上げるのでバグも多く最適化されていない。そういったわけで、何かを起ち上げる時はとても速やかだが、それがコンテンツとして形になり、公なリリースに至るまではとても長い時間がかかる。我々の基準はとても高いので、それを無視して何かを急いでリリースしたりするようなことはない。
我々のもとには常にコンテンツなどの優先順位を定めたリストがある。同時に予定になかった物事にすぐに対処できるようスケジュールに余裕をもたせている。よい例が、当初ローンチ後最初のメジャーパッチでランクマッチ実装を予定していたが、ベータ途中でコミュニティから、もしローンチ時にランクマッチが実装されていなければ、このゲームは失敗するという意見が目立ったため、ランクマッチ実装を早める動きへとシフトした。ある種の仕事が完了したと思っても大抵はいくつかやるべき小さなことが残っている。ただ、ほとんどのメンバーは次の仕事に取り掛かる。コンテンツや仕様に関するネガティブなリアクションについては説明していなかったが、新たなバージョンのランクマッチ(シーズン1)のためにすべてのスケジュールを組み直したこともある。その後も、ランクマッチリリース後の多少の再調整は予想していたが、実際に予定したものより多くの修正が必要だと分かった。それを受けてシーズン2では当初の予定になかった仕事が大量に増えたものの、これらシーズン2に関する仕事の大部分は3-4週間で終えることができた。
こういったやらなければならない大きな仕事の他にも、実装はさして難しくない要素のリストもある。例えば、今回のパッチで開発スタッフのGeoffは味方のヘルスバーが見えるオプションを全てのヒーローに追加した。これはとても実装が容易なタスクでありリクエストも多かったが、アナのような、より重要な仕事があったために取り掛かることができなかった。もしこういった優先度の低い簡単なタスクを常に彼らに要求するとなると、重要なタスクに必要な時間が足りなくなり彼らは”death by a thousand cuts”シンドロームに陥ってしまう。よって差し迫ったタスクとより簡単なQoLなどのタスクはバランスよくスケジュールを計画する必要がある。
皆が簡単に実装できると思っているだろう要素(例えばマッチ開始前にスキンを変更できるようにして欲しいという意見)は実際には多くの仕事が必要になるということも知ってもらいたい。実際には実装に時間がかかる物事がそう理解されているとは限らない。優先順位は常に入れ替わることもある。計画は常に立てているが、それらが計画どおりにいかないことも我々は予期している。