「OWCS DreamHack Dallas Major」出場全8チーム短評

[OWCS] 「ヒットスキャンとしてはProperよりLipが上」-元OWLコーチ3人の対談まとめ

Overwatch Champions Series

先日、元OWLコーチ3人が出演した対談の模様がRedditに投稿されていたので、その内容を簡単にまとめました。

出演していたのは、2022年にダラス・フューエルでOWLを制したRushヘッドコーチ、元サンフランシスコ・ショックのアシスタントコーチで現OWCS解説者のNinek氏、同じく元コーチでOWLプロとしても活躍したAid氏の3名です。対談の時期は不明ですが、少なくとも2日前には行われています。

General Notes From Uncoachable Korea ft. Rush, Ninek, Aid
byu/Finklemeire inCompetitiveoverwatch

現在のメタとピック変更について

Ninek: 現時点ではオリーサ、キャス/ソジョーン、トレーサー、キリコ、ルシオがメタ。ULTでは劣るが今はキャスディがベターではないかとの考えに傾いている。対トレーサーではバティよりキリコが上。

Rush: まだメタさえ固まってないので正直どうでもいい。この手のトピックには興味がないし、時間の無駄。結局はいつ何をピックするかは選手次第であり、選手もそれを理解すべき。ULTが60%未満のときはよりベターなマッチアップのために常にピック変更を考えるべき。

※試合中コーチは指示できません。

各地域の力関係について

Rush: 韓国>ヨーロッパ>>>>>>>>>北米。今のNAは本当にひどい。

FTGとViol2tについて

Rush: FTGのDPSラインはWACやFalconsよりも弱いので優勝はゼロではないが厳しい。

Ninek: FloraとAlphayiはトップクラスに優秀だが、大舞台での経験が足りない。勝者としてのオーラが欠けている。

Ninek: Viol2tはショック時代に、ロジカルにスローテンポで戦う慎重なアプローチを好んでいた。

Rush: Viol2tはショック時代の戦いをFTGで再現しようとしている。OW1ではそれが正解だったが、OW2ではOW1よりも簡単にディフェンスが崩されてしまうので、そういった戦い方はOW2ではうまく機能しない。

Yetiについて

Ninek: WAC戦で番狂わせを演じたときのViperとKnifeはすばらしかったが、正直サポートラインは物足りない。事故死が多すぎる。D0nghakはすばらしいが、他のメンバーが活躍するのは、タンクの彼が影響力を発揮しているときだけのように見える。彼が不利な状況でも、他のメンバーのクラッチでその差を埋める場面がもっと必要。タンクが劣勢のときにカバーできるようなようなDPSがほしい。去年のフロリダのSomeoneとCheckmateはその良い例で、Checkmateはこれが本当にうまいDPSだった。

Rush: わたしの意見ではD0nghakはすばらしいプレイヤーだが、OWL新人王であり今の活躍はある意味当然。当初は期待していなかったBlissとIronyのサポートラインはとても良い。彼らは自分の仕事をまっとうしていると思う。Yetiはメタが有利に働けばトップ2チームを喰える可能性はあるが、今では相手も警戒してくるだろうから、簡単ではないだろう。

Rush: 彼らは去年のHangzhou Sparkに似ている。Guxueのウィンストンとドゥームでしかプレーしないチームだったが、本当にやりずらい相手だった。

Hanbinのウィンストンについて(Han-Binston)

Rush: 今はガチガチのウィンストンメタではないが、今後はHanbinがウィンストンをピックしなくてはならない場面も多くなるかもしれない。ウィンストンが鉄板の状況であればSmurfがプレーすべき。

Ninek:オフタンクメインのHanbinも以前は、それ以外ならウィンストンが最も好きなタンクと話していた。しかし、試合となれば話は別で、相手チームはHanbinがウィンストンをピックせざるを得ない状況を意図的に仕向けて戦っているように見える。

Rush: Hanbinのウィンストンについては、SmurfやFearlessのゴリラはわたしより上手だったが、Hanbinのゴリラはわたしよりも下手だったということしか言えない。

Aid: 実際にダラス時代のスクリムではRushコーチのウィンストンで彼らに勝ったこともあった。

Team Falconsについて

Rush: 当初はFalconsが圧倒的だと考えていたが、メタが最初に変わったときにWACがトップになるだろうと言い続けてきた。今のメタでは伝統的なヒットスキャン/フレックスDPSという構成が有利で、すべてはヒットスキャン次第。フレックスDPS2枚構成のFalconsでは分が悪い。ダラス時代もヒットスキャンメタ環境で2人のフレックスDPSを採用したことがあったが、ShyやMer1tのようなヒットスキャンと対戦するたびに、タンクからはまともにプレーできないと不満が出た。LipとProperでは典型的なヒットスキャンとしての能力に明らかな差がある。

Aid: Properは典型的なヒットスキャンのように正面での撃ち合いはそれほど得意ではなく、チームが相手にプレッシャーを与えリズムを崩してからキルを狙いに行く。それはトレーサーのプレーにもあらわれている。ただ、今の戦い方ではその価値を発揮できていない。

欧米のチームについて

Rush: WACとFalconsが欧米のチームと戦ったら10試合中9試合は彼らが勝利する。今はEUはNAよりもベターだが、YetiがEUのトップチームと戦ってもYetiの楽勝だろう。欧米のチームは歴史的にダイブが苦手で、EUチャンピオンのTwisted Mindsが韓国でブートキャンプしたときもドゥーム構成相手に刃が立たなかった。欧米のダイブ嫌いは今も変わっていない。YetiならOWCS NAで優勝したToronto Defiant相手でも勝てる可能性はある。

Properとヒットスキャンについて

Rush: ダラス時代はProperに何度も勝利したが、本当にうまい選手だった。相手が嫌がるプレーが得意で、ヒットスキャンよりもフレックスDPSに集中したほうがよいのではないかとさえ思うこともある。

Ninel: 今のメタはこっそり相手の頭を撃ち抜くより、3タップで倒していくタイプのヒットスキャン向きのメタ。この点でLipはかなり優れている。個人的にはMer1tをハードヒットスキャンとして推したい。一貫したダメージで常に相手タンクにプレッシャーをかけることができる。

Aid: Fearlessは確実にヘッドショットを当ててくるヒットスキャン相手のときはプレーの仕方を変えると言っていた。ANSはとくに厄介で、Hanbinnは彼らとの対戦ではいつもイライラしていた。結局のところヒットスキャンはどれだけ相手のタンクに脅威を与えられるかにかかっている。

Ninek: ヒットスキャンにとっては、キルフィードを埋めるよりも、敵に与えるプレッシャーのほうが大事。そういった意味でProudもわたしのお気に入り。相手のタンクに簡単にダイブさせるくらいなら、倒れてでも相手にプレッシャーを与えに行くようなタイプの選手。ウィドウタイプのヒットスキャンよりも、CarpeやXziのように、それ以上近づいたら殺すというキャスディタイプのヒットスキャンが好み。勿論スナイパーメタになればANSのようなタイプが欲しくなるのも事実。

ShuとFielderについて

Rush: どちらも最高のフレックスサポートだが、Fielderはタンクに回復を詰め込むタイプで、Shuはダメージと回復のバランスが取れている。ダラスでFielderとの時間が多かったから機会があればShuとプレーしてみたい。

Ch0rongとChiyoのルシオについて

Rush: ルシオだけならChiyoのほうが間違いなく優れている。しかしCh0rongのほうが柔軟性がある。単にCh0rongがルシオやブリギッテに特化したプレイヤーではないということ。そういった意味ではViol2tも柔軟性(flex)という意味ではすばらしい。

指導してみたい韓国以外の選手

Rush: Kevster

Aid: Kevster

Ninek: わたしもKevster

Rush: 彼は最高だよ

最もフィジカルに優れたモンスターは?

Ninek: 2020年のKSP(現Kai)。所属チームは最悪の状態でも彼一人で戦っていた。彼がいたせいでこっちが勝てない時期もあった。その次はAlarm(2021年に逝去)、彼は常に一歩先を進んでいた。

Aid: Kevsterはフィジカルだけでなく、その上OWのIQもバカ高いという不公平な選手。

Rush: Ruler(LoLプロ)は正直言って、今まで出会ったどのOWプロよりも素のフィジカルでは優れていた。

Ninek: ErsterとDaco(共に元Atlanta Reign)は一度コーチングしてみたかった。

現在総合的に見て最も優れたタンクは?(OWCS韓国大会限定)

Ninek: Bernarだが、ウィンストンがレパートリーにないタンクを選ぶのは少しおかしな気がする。

Aid: もしFearlessが選択肢にあればRushは彼を選ぶだろう(同選手は元ダラス)。

Rush: たしかにFearlessはウィンストンは上手いが、それ以外ではプレーしようとしない。ドゥームとハルトも上手いが、ダラスではウィンストン専とみなされていた。

Aid: Junbinはわたしのお気に入り。ピックプールやフィジカルはHanbinをはじめて見たときの感覚と似ている。

WACとFalconsが対戦するであろう決勝について

Rush: 好調なWACの強みは敵の防御を突破していくLipとタンクを瓦解させないShuのサポート。逆にあえて弱点を探るとしたらMAXとJunbinのプレー時間の分割。この弱点が露呈していない理由は、唯一の競争相手であるFalconsもHanbin/Smurfという同じような問題を抱えているから。

SomeoneとSugarfreeについて

Rush: 全地域含めると現時点でのベストタンクはToronto DefiantのSomeoneだが、彼らがWACやFalconsに勝つことはできないだろう。フレックスDPSがSugarfree(米国代表)では役不足。良い選手だが、韓国の超一流のフレックスDPSと対峙すると簡単に崩壊してしまう。例えばHeesangやStalkerのようなプレイヤーと比べると明らかにレベルは落ちる。

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