「OWCS DreamHack Dallas Major」出場全8チーム短評

[OWCS] Crazy RaccoonがOW部門設立を発表-韓国2位「WAC」のロスターを獲得(どこよりも詳しいメンバー紹介付き)

Overwatch Champions Series

国内を拠点にする人気EsprotsチームのCrazy Raccoonがオーバーウォッチ部門設立を発表。合わせて、OWCS韓国大会で準優勝した「WAC」のロスター獲得を明らかにしています。

さきほど、「Overwatch Champion Series Korea」決勝でTeam Falconsと熱戦を繰り広げたばかりのWACですが、まさかの超ビッグサプライズニュースが飛び込んできました。

今大会では優勝候補筆頭のFalconsを最後まで追い詰め、プレーオフでは惜しくも準優勝という形に終わりはしましたが、グループステージではそのFalcons含め、強豪ひしめく韓国リーグで無敗というこれ以上ない戦績を残しています4。メンバーのいずれも韓国のみならず、OW競技シーンを代表するビッグネームばかりです。

タンク:

ダメージ:

サポート:

コーチ:

チームのエースを務めるDPSのLipは、世界的なヒットスキャンとして競技シーンでの地位を確立しています。OW史上最高の選手と称されるTeam FalconsのProperとも唯一互角に渡り合えるモンスタープレイヤーのひとりです。

昨年は世界最強のソンブラとしてOWL前半戦を支配していましたが、今大会ではキャスディ、ソジョーンといったLipが最も得意とするミドルレンジのヒットスキャンで凄まじい破壊力を発揮。今日の決勝でもソジョーンでハードキャリーを連発するなど、トレーサーとしても世界有数のプレイヤーです。

昨年はアトランタ・レインで前半戦優勝の立役者となり、2021年には上海ドラゴンズのエースとしてリーグ制覇を成し遂げ、グランドファイナルMVPも受賞しています。この優勝を記念したソンブラのOWLスキン「燭龍」はLipがモデルになっています。余談ですが、身長190を超える体躯の持ち主であり、ゲームだけでなく現実世界でも並みはずれたフィジカルの持ち主です。

そのLipの相棒を務めるHeesangはフレックスDPSとしてトップクラスのプレイヤーです。昨年所属したサンフランシスコ・ショックでは不完全燃焼に終わりましたが、今大会ではエコーとして大幅な成長を遂げ、WACにとっては欠かせないプレイヤーとなりました。今大会一二を争うエコー使いで、POTGの数はLipよりも多いくらいです。

タンクはJunbinMAXの元サンフランシスコ・ショックの若手コンビが務めます。Heesang同様にショックでは不本意な結果に終わりましたが、どちらも才能豊かなプレイヤーであり、今後の伸びしろも非常に楽しみな若手のホープです。レッキングボールの名手でもあるJunbinがメインタンク、MAXがオフタンクでそれぞれポジションを使い分けています。

サポートには現在世界最高のフレックスサポートとの評価もあるShuがバックラインからチームを支えます。攻守に優れたサポートプレイヤーであり、最も完成されたフレックスサポートと言っても過言ではありません。

「サイレントキャリー」といえばShuと言われるくらい、これまでに数々の大舞台でクラッチプレーを決めています。サポートながらリーグMVP最終候補にも選ばれた実績もあり、ロサンゼルス・グラディエーターズ在籍時にハバナで見せたバティストのスーパーセーブは、史上最高のクラッチプレーとして今でも語り草になっています(ゲーム内のスプレーにもなってます5)。アナも文句なしの一級品であり、的確な阻害と精度の高いダーツは数々の名場面を演出してきました。

メインサポートを務めるCh0r0ngも派手さこそないものの、ルシオ、ブリギッテ、そしてゼニヤッタにも定評があるピックプールの広いプレイヤーです。今大会でもルシオで重要なブープを何度も決めています。OWLデビューしたトロント・デフィアントが異例の長期契約を提示するなど、リーグ入り前からその才能を高く評価されていた選手で、OWL最終年となった昨年はフロリダ・メイヘムのリーグ優勝にも貢献しています。

そしてチームの指揮を取るのは、2021年にLip擁する上海ドラゴンズでOWLを制したMoonコーチです。同年にはOWL初のコーチ・オブ・ザ・イヤーに選出され、さらにEsports AwardsのCOTYも受賞している、OW史に残る名将のひとりです。

アシスタントコーチのPavane氏も経験豊富なコーチです。NYXLではヘッドコーチ経験もあり、2018年にはOWワールドカップ韓国代表のヘッドコーチとして優勝を経験。ヴァロラントのCloud9 Koreaで指揮をとっていたこともあります。

Kongコーチも、MoonヘッドコーチがOGN APEX Season6時代にMighty AODを指揮していた頃から、その右腕を務めている経験豊富なコーチです。

日本を拠点にするCrazy Raccoon傘下のチームとなりますが、メンバー全員が韓国出身であることから、今後も引き続きOWCS KR地域を主戦場に戦うものと見られています。

OWCSには地域外選手は2名までというルールがあるため、彼らがOWCS Japan地域に参戦することはありません。
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いっさい誇張なしに言うと、現時点でおそらく世界で二番目にOWが強いチーム、昨日までは世界最強、来月にはまた世界最強になっているかもしれないチームがCrazy Raccoonファミリーに加わったことになります。現在のOWプロシーンにおいて、韓国最強は世界最強とほぼ同義です。

追記:

チームオーナーのおじじ氏によると、なんとチーム名のWACは”We Are CrazyRaccoon”の略称だったことが明らかになりました。

つまり、もうかなり前から、まだOWCS KR大会が開幕する前からCR入りは決まっていたことになりますね。

今年2月16日のKRオープン予選登録締切時には既に「WAC」名義でロスターが登録されています。

OWで世界一を目指すというCR運営チームの目のつけどころの良さには脱帽です。その目標は限りなく近い場所にあることは間違いないでしょう。

脚注:

  1. 大会通算ではシード決定戦のYeti戦とグランドファイナル決勝の2敗のみ。
  2. APEX Seasonは2016~2017年にソウルで開催されていたOWの大会で、OWL発足以前に最も人気があったOWプロトーナメントです。
  3. 大会通算ではシード決定戦のYeti戦とグランドファイナル決勝の2敗のみ。
  4. APEX Seasonは2016~2017年にソウルで開催されていたOWの大会で、OWL発足以前に最も人気があったOWプロトーナメントです。
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