[OWCS] ENCEのMasaaがサウジアラビア不支持を理由に『Esports World Cup』出場辞退を表明

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EU代表として今月の『Esports World Cup(EWC)』オーバーウォッチ部門に出場するENCEのMasaa(フィンランド、サポート)が、同大会への参加を辞退することを明らかにしました。

ENCEはこのMasaaの辞退に伴い、レンタル終了でTwisted Mindsに一時復帰していたSkairipa(ルーマニア)が再び加入することが決まっています。

辞退の理由については、チームからの正式発表はありませんが、本人は配信中に「(サウジアラビアの)現体制を支持したくはない」とコメントしており、不参加表明にはサウジアラビアの人権問題が背景にあるようです。

この問題に関しては、6月にEWCとの提携を発表したEsports Awardsの決定に際して、Goldenboyといった著名なesportsパーソナリティが同イベントへのボイコットを表明。OW界隈ではキャスターのCustaがEWCから仕事のオファーがあったものの辞退したことを明らかにしているほか、ブリギッテの英語版声優でもあるMatilda Smediusさんが共同オーナーを務めるEx OblivioneもEWC辞退を表明しています(関連記事)。

サウジアラビアの人権問題に対しては、女性、性的マイノリティ、外国人労働者への人権侵害や、過去には反体制ジャーナリストの殺害に同国皇太子が関与した疑いなどが持たれており、国際的な批判も浴びてきましたが、その潤沢なオイルマネーと石油原産国という立場から、政治レベルではほとんど無視されてきたという現実があります。

近年では、化石燃料からの脱却が進む将来を見据え、その文化的影響力や対外イメージをスポーツやゲームを通じて変えるべく、esports産業への投資も積極的に行っています。

北米とEU地域のOWCSを運営するFACEITもサウジ資本であり、今回のEWC参加チームの多くが、EWCが運営する財団による経済的支援プログラムの対象となっています。

そういった中、このほど開幕した大会初日には、名門Team Liquidが「LGBT」支持を示すレインボーフラッグバッジを付けて試合に出場しており、少なくとも大会レベルでは、こういった人権問題に配慮した姿勢は見せているようです。

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