OWCS EMEAのEx Oblivionが「Esports World Cup」参加辞退という異例の声明を発表-背景には開催地のジェンダー差別か

Overwatch Champions Series

ヨーロッパを拠点にするEx Oblivionが、今夏にサウジアラビアのリヤドで開催される『Esports World Cup』に参加しない意向を明らかにしました。

Esports World Cupはサウジアラビアが世界のesportsハブとなること目指して設立した「eスポーツ・ワールドカップ財団」が主催する国をあげてのプロジェクトです。

競技タイトルには、オーバーウォッチ2をはじめ、鉄拳8、PUBG、ストリートファイター6、Counter Strike2、FC24、ロケットリーグ、フォートナイト、Rainbow Six Siegeなどが採用されており、大会スポンサーとしてソニーがパートナシップ契約を結んでいます。

同大会は国単位ではなく、地域予選を勝ち抜いたチームが地域代表として本大会に出場します。現時点では予選含めた大会スケジュールは明らかにされておらず、それだけにこの段階での不参加表明は異例といえます。

参加辞退を明らかにしたEx Oblivionのチーム発表は以下の通りです。

慎重に検討した結果、Ex OblivioneはFaceitリーグには参加しますが、その機会があったとしても、残念ながらリヤドで開催される「Esports World Cup」には出場しません。 Ex Oblivioneは包括性と平等性を重視しています。リヤドで開催される「Esports World Cup」に参加することで、私たちのコミュニティの大切な部分に必要なアクセシビリティを提供できなくなり、わたしたちと共に応援するファンを排除することになります。わたしたちのプレイヤーは自由に競争することができ、彼らの才能が報われる「オーバーウォッチ」eスポーツで利用可能なあらゆる機会を追求することが奨励されていますが、わたしたちはEx Oblivioneとして、リヤドの「Esports World Cup」のプロモーションと参加に投資することはできません。ご理解いただきありがとうございます。

Ex Oblivionがこのような声明を出すに至った背景には、サウジアラビア国内においてジェンダー差別が制度として社会に定着している実態があります。

Overwatch Champions Series発表当初、北米とEU地域の運営をサウジアラビア政府資本傘下のFACEITが担当することが明らかになった時も、コミュニティの間ではジェンダー差別が根づいているサウジ資本運営の大会に参加することへの抵抗感や拒否感を示す声が一部にありました(FACEITの拠点はドイツと英国)。

今回の発表はそのコミュニティの声に寄り添った判断といえるかもしれません。また、多様性を尊重するオーバーウォッチの価値観とも相容れないという判断があったのではないかと見られています。

OWCS EMEA地域に参加しているEx Oblivionは、元リーガーのShockwaveらの活躍もありステージ1をプレーオフ3位の好成績で終えています。先日には英語版ブリギッテ声優のMatilda Smediusさんが共同オーナーに就任したことでも話題となりました。

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