現在開催中の『OW2 Esports World Cup』グループステージ終了時点でのヒーローBANの内訳が有志調べにより明らかとなりました。
Most banned heroes in EWCS (so far)
byu/shiftup1772 inCompetitiveoverwatch
今大会では大会独自のルールとしてヒーローBANシステムが採用されており、OWのゲーム性を考慮して、以下のようなプロセスで運用されています。
- 各チームはマップごとに1人のヒーローをBAN可能
- このBANは両チームに適用される
- 前マップの敗者側がBANの順番を選択可能
- 二番目に選択するチームは先のチームがBANしたロールとは別のロールを選択する必要がある
- Dva (16)
- バティスト (16)
- ウィンストン(16)
- アナ (16)
- ルシオ (14)
- キリコ (12)
- ブリギッテ (11)
- エコー (9)
- アッシュ (9)
- シンメトラ (8)
- イラリ (7)
- シグマ (7)
- ファラ (7)
- トレーサー (5)
- ラマトラ (5)
- マウガ (5)
- ベンチャー (3)
- ラインハルト (3)
- ウィドウメイカー (3)
- ゲンジ (3)
breakdown by mode: pic.twitter.com/CWefI3zq7u
— jammy (@JammmSupport) July 26, 2024
上位のBANヒーローは現在のプロシーン本来のメタ構成を暗示していると見てよいかと思います。
タンクは30%、DPSが27%、サポートが43%という割合はタンクとサポートがメタを定義するという現状にも当てはまる結果となりました。とくにサポートは他ロールに比べてバリエーションがまだ少ないので、特定ヒーローへの依存度が高まります。
大会前はダイブ寄りのラッシュ構成が優勢との見方もありましたが、とくにDVA/キリコ/ルシオ構成とウィンストン/アナ/ブリギッテ構成が本来のメタ構成の軸になっているのではないかと思います。
DPSヒーローは数が多い分割れていますが、シンメトラが8回と意外な順位にいます。
これについては、左右対称のシンメトリなマップでの開幕TP封じや、コントロールやラッシュと相性の良いシンメ潰しという見方もある一方で、TWISTED MINDSのシンメ神Youbiの存在も無視できません。TMの試合だけでシンメトラは3回BANされています。
ルール上続けて同じヒーローがBANされることもありえますが、そういったケースは珍しく、1試合あたり2回以上BANされるケースはほとんどなかったように見えました(グループステージはFt3)。
観戦者にとっては、波乱やエキサイティングな試合も多く、多様な構成が見られ好評な意見が多い一方で、選手コーチにとっては負担も多く、BANシステムに泣かされたチームも少なくないようですが、OWCSキャスターのAVRL氏は今回のBANシステムについて以下のように述べています。
Hero bans have been the best possible addition to the competitive format I have seen in some time. Absolutely exceeded my expectations in how far it’s elevated the gameplay of pro OW. Far more competitive games. More varied comps. Greater strategical depth. Everything I’ve wanted
— Kevin Walker (@imAVRL) July 26, 2024
ヒーローBANは、わたしがこれまで見てきた中で、競技フォーマットに追加された最高のルール変更だ。プロにおけるOWのゲームプレーをどれだけ向上させたかという点で、わたしの期待を完全に上回っている。はるかに競技性の高いゲーム、より多様な構成、より大きな戦術的な深み、わたしが望んでいたものすべてがここにある。
実はOW競技シーンでは過去にヒーローBANが実装されたことがあり、OW1や過去のOWLでは「ヒーロープール」の名でゲーム内と大会の両方で採用されていましたが、今回のBANルールとは大きく異なります。
このルールは週ごとに、事前に開発が指定した主に4人のメタヒーローをBANすることで、大会視聴体験とゲーム内での体験がかけ離れないよう、試合やランクマッチの両方で使用を禁じるルールでしたが、選手や一般プレイヤーからは不評だったこともあり今では黒歴史とされています。