追記 [OW2]「ウィルスは失敗作、ソンブラは競技系対戦ゲームにおいて、不快な要素が詰め込まれている」―海外メディアによるソンブラのリワークの歴史と深堀り記事

Overwatch 2

先日公開された公式データでは実に90%近いBAN率が明らかとなったソンブラですが、彼女のリリースから現在に至る歴史を遡りながら、今後彼女にさらなるリワークが必要か否かを、海外メディア「Esports Insider」が特集記事として掘り下げています。

Is it time for yet another Sombra rework?
We explore Sombra’s history, her current state, and whether Blizzard should revisit her design to finally make her both ...
記事の要点
  • 2016年の初登場以来、ソンブラはこれまでに何度もリワークを受けてきたが、それでもなお賛否が分かれ、バランス調整の難しいヒーローであり続けている
  • ソンブラのリワークが行われるたびに激しい議論が巻き起こり、一方では「十分にバランスが取れており、プレイヤーが適応すべきだ」とする声がある一方で、「どれだけ弱体化されても対処するのが苛立たしい」と感じるプレイヤーは後を絶たない
  • ソンブラは、新たに導入されたヒーローBANシステムにおいても主なターゲットになっており、その影響でランクマッチでは彼女の姿を見ることはほとんどなくなっている
  • ソンブラには、単なる数値調整やアビリティの入れ替えではなく、彼女の根本的な問題点に真正面から向き合うような、抜本的かつインパクトのあるリワークが必要

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ソンブラは長らくオーバーウォッチで最も意見が分かれるヒーローの1人であり、ステルス愛好家からは愛される一方で、彼女のゲームプレイを苛立たしく感じるプレイヤーからは嫌われてきました。2016年の登場以来、彼女は複数のリワークを受けてきましたが、それでもなおバランス調整の悪夢のような存在であり続けています。

オーバーウォッチ2では、最新の調整により彼女のアビリティは強化されたものの、それと同時に賛否両論も激しくなりました。かつてのユーティリティ性を捨て、アサシン型のアーキタイプへと移行した彼女は、ランクマッチではほぼ常時BANされる状態となっており、コミュニティの我慢は限界に達しつつあります。さて、そうなると、次の疑問が浮かび上がります―ソンブラには再びリワークが必要なのでしょうか?

ソンブラの簡単な歴史

2016年11月15日にオーバーウォッチに登場したソンブラは、他のヒーローとは一線を画す形で導入されました。Blizzardは彼女を、ドラドのマップ上空に隠されたメッセージや暗号化されたパズルなど、謎めいたARG(代替現実ゲーム)を通じて徐々に情報を明らかにし、最終的にBlizzCon 2016での短編アニメ『INFILTRATION』によって盛大にお披露目されました。しかし、その話題性とは裏腹に、リリース時のファンの評価は芳しくありませんでした。

ソンブラの初期バージョンでは、当時「Thermoptic Camo」と呼ばれていた任意に発動可能な6秒間持続するステルス能力を持ち、目標地点のコンテストも可能でした。彼女の代名詞でもある「ハック」も同じく6秒間持続し、クールダウンも6秒だったため、ターゲットをほぼ永続的に沈黙させることが可能でした。

ユーティリティ系の妨害キャラとして、彼女は扱いにくいメカニクス、低いダメージ、そしてチームワークへの過度な依存に悩まされていました。プロの試合ですら、彼女のデビューは期待外れだったのです。Lunatic-HaiのEscaは、試合で彼女を試してみたものの、当時の彼女が足を引っ張る存在であることを認めざるを得なかったのは有名な話です。

初期の頃、ソンブラは2CP(アサルト)マップでニッチな使い道が見出されていました。特に、ハックを利用して「アヌビス」第2ポイントのようなマップでEMPのチャージを高速で溜める戦術が使われていました。しかし、Blizzardはこのインタラクションを2018年2月に削除。それに対する補填として、彼女の武器の拡散を抑え、ハックの詠唱時間を短縮し、「オポチュニスト」のパッシブを強化して、体力が満タンでない敵のHPバーが見えるようになりました。

そして2018年7月、彼女は大きな強化を受けました。ステルスとトランスロケーターが時間無制限となり、透明人間のまま無限に潜伏できるようになりました。開発陣はこれを、彼女が戦闘への関与を見極めて、仕掛けるタイミングを確保するためだと説明しましたが、これは彼女の「大活躍するか全く役に立たないか」という問題のあるデザインの始まりでもありました。

不安定なスタートにもかかわらず、ソンブラはプロシーンで自身の居場所を確立していきました。Kongdoo PantheraのRascal(現ZETAコーチ)が、タンク中心のチーム構成に対して彼女がいかに効果的かを最初に示した選手でした。2021年のOverwatch Leagueでは、Shanghai DragonsがGOATS構成のバリエーションでソンブラを用いてリーグを圧倒し、LIPの圧巻のパフォーマンスによりソンブラにはチャンピオンシップ・スキン(「燭龍」)が与えられました。

Element Mysticは、SP9RK1EのドゥームフィストとDohaのソンブラの個人技のみで「ハックフィスト」戦術を完成させ、Contenders Koreaで優勝を飾りました。Los Angeles Valiantは、ソンブラを含むトリプルDPS構成を用いて、Vancouver Titansの19連勝を止める戦術を遂行しました。ソンブラは2019年のOverwatch League Stage 3で最も影響力のあるヒーローとなり、プロたちは彼女を積極的に採用するようになりましたが、一般のランクマッチプではプレイヤーが彼女を使うことは稀だったのです。

バランスとアイデンティティの永遠の葛藤

ソンブラは、2022年4月の『オーバーウォッチ2』ベータ版で再びリワークを受けました。主な変更点としては、マシンピストルの拡散のさらなる軽減、ハックによるアビリティロック時間の5秒から1秒への短縮、そして透明状態でもハックを使用可能になったことが挙げられます。

また、オポチュニストはハックされたターゲットに対して追加ダメージを与えるようになりました。これらの変更により、ソンブラはサポートやユーティリティの要素を捨て、よりキル性能に特化した正統派のフランカーとして、単独キルを狙いやすくなりました。

その後もBlizzardはソンブラに対して何度も調整を行い、ハックによるロック時間を1.75秒に強化した後、最終的に1.5秒に落ち着かせました。しかし、大きな弱体化として、サイレンス状態のターゲットに対して再度ハックを行えないように変更されたため、レッキング・ボールやドゥームフィストのような厄介なヒーローを抑え込む能力を失いました。さらに、EMPのULTコストの増加や、ハック状態の敵に対するダメージの減少といった変更もあり、ソンブラは一時期大きく弱体化された状態に陥りました。

2023年10月10日、ソンブラはオーバーウォッチ2のシーズン7にて、再びリワークを受けました。ステルスはパッシブスキルとして再設計され、戦闘から数秒間離れると自動的にクローク状態になるよう変更されました。そして、オポチュニストは完全に削除されました。さらに、トランスロケーターは投げた瞬間に即座にテレポートする仕様へと変更され、もはや緊急退避用にデバイスを設置しておくことはできなくなりました。

最大の変更点は、新アビリティ「ウイルス」の追加です。これは敵に時間経過でダメージを与える能力であり、ハックされたターゲットに対してはより早くダメージを与えます。この賛否両論の変更により、ソンブラは潜入・撹乱に長けたステルスキャラとしてのアイデンティティを完全に失い、トレーサーのような高機動型DPSへと変貌しました。

開発者はこのリワークについて、「戦闘にもっと積極的に関与させることで、使用する側にとって楽しく、対戦相手にとっても理不尽さを感じにくいようにしたい」との意図を明かしています。

しかし、これらの変更は賛否が大きく分かれることになり、高レベル帯のプレイヤーですら、それが強化だったのか弱体化だったのか一致した見解を示せませんでした。この時期のソンブラは、透明化とバーストダメージを活かしてサポートヒーローをリスポーン地点でキャンプすることが多く、コミュニティから非常に嫌われていた時代でもあります。

ソンブラはその後しばらくの間、大きな変更を受けることはなく、ウイルスやEMPに対する小規模な調整が行われるにとどまりました。しかし、Blizzardはその状態に満足せず、1年後の2024年10月、シーズン13において4度目のリワークを実施しました。ステルスはパッシブではなくなり、トランスロケーターを使用した後に5秒間だけ発動する仕様に変更されました。オポチュニストが復活し、ハックされたターゲットに対して与えるダメージが増加するようになりました。そしてついには、ハックを使用してもステルスが解除されないようになりました。

追記:シーズン13のリワークでハックによるステルス解除はなくなりましたが(一時的な解除)、2週間後には再び解除される仕様に戻されています。

ステルスの発動タイミングをプレイヤーが任意に選べるようになったことは正しい方向性の一歩でしたが、それを移動手段であるトランスロケーターに紐づけてしまったことで、直感的に使いにくくなってしまいました。廉価版トレーサーのように戦闘中にロケーターで跳び回るのではなく、プレイヤーはむしろ透明化の終了を待ってから攻撃を仕掛けるほうを選ぶ傾向にあります。また、ステルス中に敵をハックし、その後に解除を待ってからウイルスを使うという流れも操作感をぎこちないものにしています。

ソンブラにさらなるリワークが必要か?

ソンブラのリワークが行われるたびに、コミュニティでは激しい論争が巻き起こります。一方では「彼女は十分にバランスが取れている、プレイヤー側が適応すべきだ」と主張され、また一方では「どれだけ弱くなっても相手にすると苛立たしい」といった声が絶えません。

かつてオーバーウォッチのディレクターを務めていたジェフ・カプラン氏も、ソンブラに関して見解を述べており、コミュニティと開発チームのビジョンが一致していないことを指摘していました。

彼らは「ソンブラは後衛をかき乱すディスラプターであって、残忍なアサシンではない」と考えていました。戦闘のセットアップを行う潜入者(infiltrator)としてのユニークな役割は、今ではバースト型フランカーのキットに取って代わられています。しかし、元の設計が欠陥を抱えていた場合でも、ヒーローのアイデンティティを守ることに意味があるのでしょうか?ソンブラは新たに導入されたヒーローBANの最優先ターゲットとして狙われており、その影響でランクマッチではほとんど姿を見かけることがなくなっています。

オーバーウォッチ2開発チームは、オリーサやドゥームフィストのリワークのように、ゼロから再設計する際に最も優れた成果を上げています。もしソンブラを再びプレイ環境に戻したいのであれば、彼女にも同様の抜本的な見直しが必要です。そうです、ソンブラには再びリワークが必要です―単なる数値調整やアビリティの入れ替えではなく、彼女が抱える根本的な問題点に直接切り込むような、大きな変化が求められています。

ソンブラは本質的に相手にとって鬱陶しい存在です―ディスラプター(かく乱役)という役割を考えれば、それも当然でしょう。しかし、同じような役割を果たすトレーサーのようなヒーローと比べて、なぜソンブラは問題視されるのでしょうか?それは、彼女のキットが、競技性の高いマルチプレイヤーゲームにおいて、伝統的に不快とされる要素ばかりで構成されており、それらがすべて一人のヒーローに詰め込まれているからです。

ステルス、素早い戦線離脱手段、アビリティロック、そしてバーストダメージ―これらすべてが連携して機能することで、ソンブラは常に自分に有利な状況で戦うことができ、彼女と対峙するたびにプレイヤー側は常に不利な戦いを強いられているように感じてしまいます。ウイルスは、そもそも誰も求めていなかった失敗作です。

このアビリティにダメージの多くを依存する現在の設計では、命中すれば楽にキルを取って撤退し、外した場合はすぐに逃げるといった一方的な立ち回りが可能になってしまっています。一方で、継続ダメージである以上、少しでも回復を受けたターゲットに対しては、ソンブラ側にできることがほとんどありません。

ハックによるアビリティロックは、ソンブラというヒーローにおいて最も議論を呼ぶ要素です。ハックは途中で中断される可能性があるとはいえ、プレイヤーの技術が要求されるスキルショットではなく、しかもステルス中から発動可能です。しかし、現在のロック時間は非常に短く、その効果はほとんど意味を成さず、チャネリング系のアビリティを中断するか、ソンブラ自身のコンボを補強するためにしか機能していません。ハックの「無力化」としての強みを維持しつつ、敵側にとっても対処可能なインタラクティブな能力にするには、Dota 2のサイレンサーが持つ「ラストワード」のような仕様に変更するのがひとつの案です。

この仕様では、ハックを適用しても即座にアビリティを封じるのではなく、一定時間のカウントダウンが始まり、そのカウントが終了するか、あるいはその間に敵がアビリティを使用した場合に沈黙効果が発動します。さらに、この効果中にアビリティを使った場合、追加のダメージやデバフを受けるようにすれば、より興味深い要素になります。この変更により、ソンブラはハックに対してより大きな影響力を持ちつつも、敵側にも十分な対応の余地が与えられ、ゲームプレイとして健全かつ戦略的なバランスが取れる可能性があります。

もうひとつの大胆な案として、ソンブラをサポート役にリワークするという選択肢があります。オーバーウォッチはこれまでもロール変更を伴う大規模なキットの再設計を行ってきた実績があり、この案も決して突飛なものではありません。実際、ソンブラがサポートとして機能する可能性はこれまでにも垣間見えていました。たとえば「ミラーウォッチ」では、味方をハックすることで攻撃速度とオーバーヘルスを付与できる仕様が試されており、「ホワイトハッカー」パークでは、味方をハックすることで時間経過による回復効果を与えるという機能も登場しています。もしBlizzardが今後何度目かのリワークにおいてもソンブラの最適なポジションを見いだせないのであれば、彼女をチームを支援するサポートヒーローとして再設計することは、有力な代替案となり得るでしょう。

まとめ

ソンブラは依然としてBlizzardにとって頭の痛い存在であり、どのような調整を加えても、常にコミュニティの一部から強い反発を受けています。これまでの歳月を通して、ソンブラに対する非常に多くの悪印象が積み重なったことにより、彼女を「健全で公平なヒーロー」として受け入れてもらうことは、もはや不可能に近い課題となっています。

オーバーウォッチ2開発チームは、ソンブラのヒーローとしてのアイデンティティを守ることにあまりに執着しており、新たなリワークを考える前に「そもそもなぜそうするのか」という根本的な問いに立ち返るべきです。ヒーローBANシステムの導入によって、コミュニティはソンブラに対する意見を明確に突きつけることになりました。今こそBlizzardが、その声にどう応えるのかが問われているのです。

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