Behind the scenes at the #OverwatchLeague: Esports’ biggest gamble (part two).
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— DEXERTO.COM (@Dexerto) January 22, 2020
OWL関係者の証言を交えたRichard Lewisのリポート。予想どおりというかネガティブな話題が並んでいるけど、いくつかポジティブなニュースもあり。
かなりの長文なんでOWL以外の話題は省いて目についたとこだけ抜粋したまとめ。
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OWLチームのほとんどすべてのチームが現在は赤字運営。リーグにほとんの取り分がいく一方で、チーム側の取り分は少ない。Twitchとの大型契約でかなり助けられたが、その多くはBlizzardの取り分(リーグとチーム側の分配率は50/50)。
マーチャンダイスの売上は他のプロスポーツに比べてとても少ない。各チームがどのスポンサーと契約するかについての最終決定権はリーグにあり、自由に契約することはできない。
チームの運営コストは周囲が思っているよりもずっと高く、これまで関わったどのesportsチームよりも高い。ロスターは平均9人で彼らのサラリーは平均6桁に近い(~100K)。
ベンチに3人も座っているようなチームは他のesportsではあまり見られない。ロスターのサラリーだけでも年に平均100万ドルはかかり、さらにコーチ、アナリスト、ハウジング、食費、移動費などを賄わなくてはならない。
当初はこれらのコストをリーグに参入した投資グループが負担し、その後は、スポンサー、マーチャンダイジング、放映権による三位一体の収益で相殺する計画だった。しかし、現時点ではその計画は期待していたように運ばず、それらの恩恵は主にリーグが受けているように見える。とくにチームスポンサーはリーグに決定権があるため、リーグのスポンサーと競合する契約は結ぶことができず、これが大きな障害になっている。
コカ・コーラがリーグのメインスポンサーであるためチームはエナジードリンクメーカーとは契約を結ぶことできない。そのコーラとの契約にしてもActivision BlizzardのKotick CEOがコーラ社の社外取締役を務めているが、そのスポンサーシップの実態は実質無料広告であり、リーグに箔を付けるためだけの取引であると関係者は指摘している。この契約条件について、Activision Blizzard側は公開することを拒んでいる。
OWLが過去に契約したIntel、HP Omen、Toyota、T-mobileなどの100万ドル単位のスポンサーは現時点で契約更新に同意していない。Blizzardはこれらの更新がなかった場合に備えて、セールスチームに大きなプレッシャーをかけているものと見られている。
当初各チームのマーチャンダイス収益はリーグとは切り離される予定だった。しかし、ボストンのユニフォームの売上が不調であったことからRobert Kraftオーナー1の機嫌を損ね、同オーナーにおもねる形でリーグはユニフォームの収益をチーム全体で一律に分配することを決定した。ただし、これはNFLやNBAのオーナーにとっては馴染みのある制度。
Twitchの幹部は、OWLとの放映契約更新の可能性は低く、リーグとの2年9000万ドルの契約は同社史上最悪の契約と社内で呼ばれており、このようなことが二度と起こらないような措置が講じられているとオフレコで証言している。
Twitchとの大型契約に関しては、Twitchとの放映契約がまとまらなかった場合、Activision Blizzardが自社タイトルをTwitchの配信カテゴリから取り除くことを検討していたとの噂も根強くある。
OWLのようなリーグには多くの初期費用がかかるものだが、現実には3シーズン目を迎え不安定な状況にある。もし上記のようなスポンサーや放映権の大型契約が更新されないようであれば、来年、2021年は悲惨なことになる。
リーグがあげた収益は50/50でチーム側と分配される。Twitchとの契約では4500万ドルがBlizzardに、残りは20チームで分配されたことになる。一方で、100万ドルのリーグスポンサー契約では各チームの取り分はせいぜいが2.5万ドル程度にしかならない。
ただし、全てのオーナーがリーグに対する信頼を失ったわけではない。Activision BlizzardはTwitch並の大型放映契約の存在を示唆している。これらはCall of Duty Leagueとのパッケージ契約であると言われてはいるものの、大型スポンサーがOWLとの契約延長にサインするチャンスはまだある。さらに視聴者数に関する議論が無意味に思えるほど、キャッシュをつぎ込む観客を手にするチャンスもある。
オーナーは2019年の収益分配金を受け取ることになっている。額はそれほど大きくはないが、スポーツリーグの2年目としては素晴らしいことであるとオーナーの一人は話している。
また、リーグ広報は、まもなく新しいスポンサーシップとスポンサーシップの延長が発表される予定で、各チームもほとんどのカテゴリで自由にスポンサー契約が結べるようになると明らかにしている。