ジェフは2005年からセクハラの存在を認識していたとの自称関係者のコメントが注目を浴びる、一方でBlizzard社員ら1000人以上が同社の対応に抗議の連名

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2005年から07年までBlizzardにコーダー(プログラマー)として関わっていた男性から、当時のジェフとその同僚に関するコメントがr/WoWサブに寄せられていたのでそのまとめです。

– コメント主は“FlexBar”というWoWアドオンのバニラ版のコードを担当していた人物(以降ここではA氏と呼ぶ)。WoWのアドオンとしても知られいてるLuaのバグなどの報告も行っており、最終的にBlizzardにはリモートのパートタイマーとして採用される。肩書は「コンサルタント」。

– A氏はパートタイマーであったことで、FurorとTigoleと直接接する機会が少なくてありがたかったと述べている。Furorはセクハラ問題でも名指しされていたWoWの元クリエイティブ・ディレクターAlex Afrasiabi氏のハンドル名。そしてTigoleはEverQuest時代のジェフのハンドル名。Tigoleについてはこのブログでも過去記事で触れています。

– A氏は、Alex氏やジェフとFires of Heaven(WoWにおけるAlex氏のギルド)時代からの付き合いがあり、Alex氏は欲と名声、そして女性から注目を浴びたいがために大規模ギルドを率いるタイプの未熟な愚か者で、自身の所有物と考えていたギルドに所属する女性達の友人らを交友関係があるというだけで排除していったと辛辣に評価。

– “Tigole Bitties(ジェフのHNのフルネーム)”というキャラクター名を名乗る人物を雇うことが、社内に悪しき「Frat Boy Culture」を招いたかどうかについてBlizzardがどのように考えていたかは分からない。尚、ジェフの入社は2002年。

※Frat Boy Cultureはカリフォルニア州の訴状でも触れられていたBlizzardの悪しき文化のひとつとされている。閉ざされたコミュニティにおける仲間意識のつよい男子学生(fraternity)の集まりで、身内で群れることによる悪ノリや悪ふざけを指す場合にも用いられる。

– Alex氏にはアドオン制作者界隈の著名人を含む友人が社内外に多くいたことから、彼を敵に回すことは、社内だけでなくアドオンコミュニティにおいても好ましくない人物とみなされることを意味する。

– A氏がBlizzardを辞めた理由はゲイの開発者とコードチームで働く2人の女性に対するAlex氏の扱いを巡って争いになったことが原因。Alex氏はハッカーとして無能であることを見せつけられることと、コーディングスキルや能力ある女性を何よりも嫌っていた。普段A氏とAlex氏はあまり交流することはなかったものの、接するときの態度は常に辛辣で横柄であり、嫌な人間だった。

– Blizzardを辞める前に人事部に苦情を言ったものの、後になってジェフとAlex氏の2人は「どこかの馬の骨がアナハイム(Blizzard本社)で何も得られずに逆ギレしているだけ」と一笑に付していたことが明らかになった。これはWoW: The Burning Crusadeが発表された2005年のBlizzConでの話。

– A氏はBlizzConではパートナーとTotalBiscuit氏(33歳で逝去したTwitchの”Lul”エモートの人)と共に過ごしていたが、女性従業員や女性のイベントマネージャーは、Alex氏のセクハラ行為や彼女達を酔わせて自分のスイートに連れ込もうとする口説きの手口について話してくれた。

– A氏はこれらの経緯から、自身が勤務していた2005年から2007年の間、BlizzardはAlex氏の行動について認識しており、上層部もこのことを知っていたはずであるとコメント。2007年以降に何が起こっていたかはわからないものの、Alex氏とジェフがそれぞれ2020年と2021年まで社内に留まっていたことを考えれば、何かが大きく変わったとは思えないとしている。

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この人物は、redditでの履歴も豊富にあり、Blizzardのパートタイマーとして勤務していたことはフェイクではないようですが、あくまでもreddit上でのコメントである点は留意すべきでしょう。本人としてはドキシングによる身バレを覚悟した上でのコメントのようですが。

A氏のコメントを読む限り、ジェフがセクハラ行為を行ったり、それらに加担したとは一切書かれていません。とはいえ、名前をあげられている以上、ジェフもFrat Boy Cultureの醸成かそのきっかけを担った可能性がないとは言えず、少なくともそういった文化の存在を間近で見ていたことは事実である可能性はあります。この点に関してはジェフに限った話ではなく、当時の要職についていたメンバーも同様でしょう。

一方でオーバーウォッチのプロデューサーでもあるTracy Kennedy女史は、今回の問題について声を上げた同僚達の勇気を賞賛しており、彼らこそが自分がBlizzardに留まっている理由であるとコメントしています。ジェフが在籍していた時期も含め、少なくともOW開発を担うTeam 4に関しては今回のような問題は起きてていなかったように見えます。ジェフは2009年にはWoW開発から離れOWの前身であるTitan開発に着手しています。

現在Activision Blizzard社に勤務する1000人以上の現役/元社員が、問題発覚後の同社の対応が「嫌悪を催す侮辱的なもの」であるとする公開状に署名。「我々は沈黙せず、傍観せず、諦めない」と同社の対応について抗戦する構えを見せています。

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