Activision Blizzard hires union-busting firm as workers start to come together.https://t.co/03hBtLkWdE pic.twitter.com/1GrehwV8GV
— Kotaku (@Kotaku) July 29, 2021
昨日の記事でも少し触れた、Activision Blizzardが労働環境改善のために社内運営の調査見直しを依頼したという大手法律事務所WilmerHaleとの業務提携ですが、米ゲーム業界の週刊文春ことKotakuがさっそくこの噂を嗅ぎつけたようです。
このWilmerHaleは「組合潰し」の異名を取り、米アマゾンが従業員らの労働組合結成を阻止した際にも一役買った法律事務所。歴史を遡ると歴代大統領の顧問を務めるなど、米国で最も権威ある法律事務所のひとつとされている。ホロコーストやナチス時代の強制収容で利益を得た銀行や企業の弁護を引き受けたこともあるという。今回Activision Blizzardの運営方針見直しを指揮する弁護士はトランプ政権下で要職に就いていたこともある。
今年4月、アラバマ州のアマゾン労働者による組合結成が阻止された際には、結成を支援していた別労組の代表らが組合費で乗用車を購入しているといった会社側主導によるネガティブキャンペーンが展開され、労組結成は従業員投票により圧倒的多数で否決。この時WilmerHaleのパートナーである弁護士が従業員の分断工作などを会社側に指南していたとされている。
一部報道では今回の不祥事発覚後の全社会議において、Activision Blizzard従業員の間から組合結成の話題が出ていたとする関係者の証言もある。その際、同社の幹部は問題が起きた場合の最善の方法は上司や社内の相談窓口に知らせることだと従業員に伝えていたようだが、人事部への訴えが裏目に出ていたことは既に複数の社員が暴露している。さらに、後日予定されていた全社会議もキャンセルされ、幹部からは問題があれば社内のリソースを頼るべきであるとの提案が繰り返されたという。
米ゲーム業界では今回の不平等差別やハラスメント以外にも過酷な労働条件や大量解雇などが常に論争の的になっており、待遇改善を巡る労働者と会社側の対立も珍しくないことから、近年は業界内でも組合結成の動きが活発化しているという。今回のActivision BlizzardとWilmerHaleの提携もこういった動きを警戒したものではないかと見られている。