Activision Blizzardのボビー・コティックCEOが自身の給与ボーナス全額を削減するよう取締役会に対して要請する書簡を提出していたことが明らかになりました。
Kotick's pay will be dropped to the lowest amount currently legally allowed under California law. https://t.co/eZQjOsr7nf
— PC Gamer (@pcgamer) October 28, 2021
セクハラ問題が明るみになって以降、複数の政府機関との訴訟が続いている同社ですが、コティックCEOは不祥事発覚前の今年4月にも給与ボーナスの50%削減を提案しています。
その時の提案は大規模リストラにも関わらず2億ドル近い給与ボーナスや株式報酬を約束されたことで投資家から批判を受けたことによるものですが(税引き後の手取りは4,100万ドルほど)、今回はこれを全額返上し、同CEOが掲げるジェンダー改革と多様性の実現やその他の目標が達成できたと取締役会が判断するまでは、カリフォルニア州が定める最低賃金の62,500ドルのみを受け取るとしています。
コティックCEOが提出した書簡によると、Activision Blizzardは女性とノンバイナリー従業員の社内割合を50%まで増やすことを目標としており、ゲーム及び技術分野におけるこれらのジェンダーの進出を促進し多様性を実現するために、今後10年間で2.5億ドルを投資するなど、ハラスメントに対して今後も断固とした措置をとることを含めた5つの目標を掲げています。
今年度のQ3決算報告が間近に迫る中、Activision Blizzardの株価は不祥事発覚後も低迷を続けており、CEO自ら身銭を切るという思い切った措置で1、上層部の対応に不満を持つ従業員や関係当局だけでなく、同社の株主や投資家にもアピールしたい思惑があるのではないかと思われます。
以下のリンクは、プレスリリースとして公開されたコティックCEOの書簡:
”https://investor.activision.com/news-releases/news-release-details/letter-ceo-bobby-kotick-regarding-progress-and-commitments-made”