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[オーバーウォッチ2] 開発エンジニアがマッチメイキング改善についてさらなる深掘り

Overwatch 2
Image: Morgan Maddren

本日、公式ブログにて開発エンジニアのモーガン・マドレン氏から、マッチメイキングの改善点を振り返る解説がありましたが、同氏のSNS上では、それらを更に掘り下げていたので、以下、そのまとめとなります。

マッチのMMR範囲を狭めることが如何に難しいか、そして、MMRレンジに上限を設けることは必ずしも根本的な解決策にはならないといった、「マッチメイキングギーク」と呼ぶに相応しい同氏の見解は、必ずしもユーザーが知る必要のないことではありますが、OW2のマッチングシステムを理解する上で、なかなか興味深い内容となっています。

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  • シンプルな例えとして、高いMMRのプレイヤーと低いMMRのプレイヤーがそれぞれ9人(オレンジ)と、その中間に位置するMMRのプレイヤー1人(紫)がキューを入れていたとする。

  • この場合、作れそうなマッチのパターンはいくつかあるが、もし赤枠の集団でマッチを作った場合、残された実力差の狭い集団が分断されてしまうため、緑枠のいずれかのグループでマッチを作ったほうが、実力差の狭い9人を維持することができる。
  • これはわかりやすいケースで、こういった簡単なケースではマッチメイカーも通常は正しい選択をする。しかし、これにグループやロールのような制約が加わると話は複雑になる。さらに、時間という要素が加わることでより複雑化する。
  • 時間という要素は根本的に難しい問題であり、マッチに適正なプレイヤーがいつキューを入れるかを推測するのは難しく、人口の多いランク帯ではそれほど問題にならないが、人口の少ないトップ層では大きな問題となる。
  • MMRレンジに上限を設けるというアイデアは、数%の割合で発生する最悪のマッチングを防ぐにはよい考えで、すでにそのようなものにも、より洗練する形で取り組んでいるが、キャップを締め付けることで、また別の問題も発生する。
  • 上限を厳しくするほどプレイヤーをキューの中に閉じ込める可能性が高くなり、待ち時間が長くなる可能性が増える。上の画像で、紫のプレイヤーがキューを入れたばかりではなく、30分も待っていたと想像してほしい。もしそのような状態であれば、赤枠でのマッチ作成を優先したくなるのが人情。

注:MMR範囲の上限を厳しくすると、帯域の広い赤枠マッチは組めなくなり、紫のように高低どちらの集団にも属さないプレイヤーは待ち時間が長くなる可能性が増えます。

  • このケースを解決するために本当に必要なことは、通常であれば優先されるマッチを行わないことであり、なぜなら、紫のようなプレイヤーを長時間キューに閉じ込めないためには、他のプレイヤーにはもう少しだけ長く待ってもらう必要がある。
  • このようなインテリジェンスな作業は本当に難しく、基本的には未来を予測することであり、こういった問題を完璧に解くことはできないが、将来的に超高性能なAIが登場すれば最適解に近いものが出せるかもしれない。
  • いまのところは我々の頭脳を使ってこの問題を解決するしかないが、それでも我々が取り組んでいる多くのエキサイティングな技術でこの問題を改善できると考えており、MMRレンジの上限設定よりも洗練されたものにする必要がある。
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