9月27日に韓国のソウルで開幕する「OWCS ASIA STAGE 2」出場全8チームのチームガイドを作成しました。
前ステージ2に続き現地でのオフライン開催となりますが、日本からはLazuliとNyam Gamingの2チームが出場します。
OWCS ASIA|出場チームロースターのご案内
日本から @lazuli_team と @NG_NyamGaming の2チームが出場⚔
一緒に熱い試合を盛り上げましょう!📅DAY1 9/27(金) 15:00~
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また、今大会の上位2チームが、11月にスウェーデンのストックホルムで開催される今年最後のOWCS世界大会「OWCS World Finals DreamHack Stockholm」への切符を手にします。
トーナメントはダブルエリミネーション形式で行われ、グランドファイナル決勝は10月5日に釜山での開催となります。
BLEED ESPORTS
OWCS Pacific:1位
拠点:シンガポール/タイ
- Seungan(タンク/韓国)
- HVS(ダメージ/タイ)
- Ace(ダメージ/タイ)
- Palee(サポート/タイ)
- Maka(サポート/韓国)
- Lumi(フレックス/シンガポール)
OWC Pacificステージ1に続きPacificを連覇を達成。Esrports World CupでZETA DIVISIONから1マップ奪った当時のロスターからは大会前にClearが退団3したものの、後釜に韓国出身のSeungan、さらにサポートには元リーガーのMakaも加入しています。
注目選手はPacificの圧倒的No.1ヒットスキャンHVS(Hyvision)です。後述するYoshinori2kがまだ間に合わないため、ダブルフレックスメタも予想される新環境でヒットスキャンを貫くのかにも注目が集まります。Pacific大会ではエコーなどを出す場面もありましたが、あまり機能していなかったように思います。
HVSとトレーサー/フレックス及び全ロールもこなすAceのDPSコンビは非常に強力で、チームがDPSではなくサポートに韓国人選手を補強したことにもそれが表れています。尚、Patiphan二世ことYoshinori2kは規定年齢に満たないため、今大会も出場することができません。
新加入のSeungnとMakaはチームにとって大きなアップグレードになりました、前者はアグレッシブなDVAでチームのPacific優勝に貢献。後者はアナの阻害瓶で重要な攻撃の起点となり、決勝では大事な場面でクナイのヘッドショットを連発しています。また、ジュノ役のPaleeも決勝ではよい動きを見せていました。
実力的にはPacificの2チームが日本チームのライバルということになりますが、OWCS Asiaステージ1では日本チームの0勝2敗でマップスコアも0-6と非常に分が悪く、今大会では対Pacific勝利が日本チームにとっては現実的な目標になります。
99DIVINE
OWCS Pacific:2位
拠点:アジア
- R3K(タンク/香港)
- Sgy(ダメージ/シンガポール)
- Colourhex(ダメージ/ニュージーランド)
- Opener(サポート/韓国)
- Raymomo(サポート/台湾)
- Lightt(フレックス/台湾=米国)
OWCS Pacificステージ1準優勝のHoneypotが前身で、ta1yo氏も所属したMFCと同じSupreme氏が所有するロスターです。ステージ2決勝ではBleed Esportsに敗れたものの、それ以前のアッパーブラケット決勝では勝っており両者の実力はほぼ互角といえます。
ステージ2決勝終了後にサポートのKameが学業に専念するために引退したことから、代役としてPacific3位のFull Houseから台湾代表のRaymomoが加入しています。
攻撃の中心はパシフィックNo.1トレーサーのSgy(Soggy)で、得意のパルスボムは抜群の精度を誇ります。ファラ/エコーをメインにする元リーガーの大ベテランColourhexは、必要とあらばヒットスキャンからサポートまでマルチにこなします。
現役復帰したR3Kは本来シグマやジャンカークインを得意とするオフタンク系のプレイヤーですが、Pacific大会ではウィンストンでハイレベルなパフォーマンスを披露しています。引退前はライバルDAF(元Bleed Esports)のタンクとしてVARRELと死闘を繰り広げています。
チーム2人目の元リーガーOpenerはルシオとブリギッテで定評のあるメインサポートです。Pacific決勝ではジュノをプレーしていましたが、いまひとつ機能していなかったので、構成次第では新加入のRaymomoがジュノを担当する可能性もありそうです。配信者としても人気のLighttはベンチから試合を見守ることになるでしょう。
LAZULI
OWCS Japan:1位
拠点:日本
- Leonopteryx(タンク/日本)
- Masdog(タンク/日本)
- CC2(ダメージ/日本)
- Hidden(ダメージ/韓国)
- Schwi(ダメージ/韓国)
- Sakume(サポート/日本)
- Kiru01(サポート/日本)
- Neivis(サポート/日本)
OWCS Japan大会ではグループステージ4位ながらも、いち早く新環境に適応したことで初出場初優勝という快挙を成し遂げました。
大会随一のヒットスキャンの評価を得たHiddenですが、プレーオフではトレーサーやジャンクラットといったヒーローでも柔軟なピックを見せています。このHiddenとプレーオフではサポートからメイにコンバートされたNeivis、そして元リーガーのSchwiという3人で新たな環境にも柔軟に対応できることが予想されます。
タンクはステージ2で国内最高のジャンカークイーンの称号を手にしたLeonopteryxが務めます。勿論JQ以外にも得意のウィンストン含めて国内ではVARRELのKSGと実力を二分するタンクプレイヤーです。DVAマップではベテランのMasdogが起用される可能性もあり、両者ともに2度目のAsia大会となります。
SixBlowからレンタル加入したSakumeとKiru01のサポート陣はチームに多くのものをもたらしました。プレーオフでジュノにコンバートされたSchwiと共に、現時点で国内最強のサポートラインといっても過言ではないでしょう。
日本チームとしての目標としては、韓国チーム相手のマップ奪取がまずはひとつの目標になるかと思います。ステージ1ではVARRELがYeti(Fnatic)相手に1ポイントをもぎ取ったもののマップ奪取は叶わず、OWCS Asiaステージ1での対KR戦績は0勝2敗でマップスコアは0-6という結果に終わっています。
さらに言うと、Pacificチームの紹介でも触れたように、日本チームの対Pacific戦績も0勝2敗のスコア0-6です4。今大会では少なくとも対Pacificチーム相手の勝利が日本チームにとってはノルマになってくると思います。
NYAM GAMING
OWCS Japan:2位
拠点:日本
- Dox(タンク/韓国)
- Chang(タンク/日本)
- Daisy(ダメージ/日本)
- Scarlett(ダメージ/韓国)
- Mimoza(サポート/日本)
- Ydot(サポート/日本)
OWCS Japanステージ1では最下位に終わったものの、メンバーを大幅に入れ替えたステージ2ではプレーオフで絶対王者のVARRELに引導を渡し決勝に進出するなど、チームとして大きく成長しています。
ステージ2でMVP級の活躍を見せたフレックスDPSのScarlettの存在が非常に大きいですが、これまでトレーサーとしてのイメージが強かったDaisyもヒットスキャンとして大きく成長したことが、チームの躍進に繋がったことは間違いないでしょう。2度目となるAsia大会では成長の跡を見せたいところです。
ステージ1に続く国内参戦となったDoxもメインのウィンストンはじめ、とくに直近の環境ではメタヒーローのラマットラでチームの準優勝に貢献。ボールやマウガといった特定の場面で刺さるヒーローをレパートリーに加えているのも心強いです。
チームの準優勝を陰ながら支えたMimozaはステージ2随一のメインサポートとしての評価を得ています。Y.は前ステージでトレーサーとしてもプレーする攻撃的なサポートですが、OWCS JP決勝ではこの両名でジュノをシェアしていたので新環境でも柔軟に対応できると思います。
Lazuliの紹介でも触れたように、チームとしての目標も同じく、対Pacific勝利が第一目標となります。いずれもトーナメント第1戦のKRチーム(LazuliはPoker Face、NGはZETA)はマップが取れれば賞賛に値するほどの相手ということもあり、ローワーブラケットでPacificチームとの対戦になることが予想されます。Bleed Esportsと99DIVINE(Honeypot)もステージ1ではVARRELとINSOMNIAが敵わなかった相手とはいえ、実力的には十分対抗できる相手だと考えます。
TEAM FALCONS
OWCS Korea:1位
拠点:サウジアラビア/韓国
- Hanbin(タンク/韓国)
- Smurf(タンク/韓国)
- Proper(ダメージ/韓国)
- Stalk3r(ダメージ/韓国)
- Happy(ダメージ/韓国)
- Fielder(サポート/韓国)
- Chiyo(サポート/韓国)
- Sirmajed(サポート/サウジアラビア)
OWCS Koreaステージ2のグループステージでは3位とライバルに遅れをとりましたが、終わってみればステージ1に続く大会連覇を達成しました。パッチひとつで勢力図が変わるOW競技シーンで今最も波に乗っているチームと言えるでしょう。大会直前での補強はありませんでしたが、既に役者は揃っています。
シーズン12のパッチ環境がチームの追い風になったことは間違いないものの、Lipと実力を二分する現役最強DPSのProperの復活が何よりも大きいと思います。環境的にオフタンクゴッドHanbinの出場機会が増えたこともチームに安定感をもたらしています。
予想されるダブルフレックス環境でもProperとStalk3rの2人で十分対応できるどころか、彼らにとって最も適した構成と言えるかもしれません。ヒットスキャンが必要な場面でも、スナイパーマップのHappy以外はこの2人が起用されると思います。トレーサーに関してはどちらもワールドクラスのトレーサーです。
新環境でのサポートラインについてはまだ最適化の余地があるものの、ジュノメタが続くようであれば、サイレントキャリーの名手Fielderがアナ/キリコ、Chiyoがブリギッテの場合に一方がジュノを担当することが予想されます。Sirmajedはジュノ起用の可能性もありますが、代名詞のイラリーの現状も踏まえると出場機会は限られます。
優勝の行方については、ライバル2チームも今大会に向けてフレックスDPSを補強して万全の体制で臨んでおり、正直なところどこが勝ってもおかしくない状況ではあります。少なくともOWCS KR決勝のような楽な戦いにはならないと思います。
ZETA DIVISION
OWCS Korea:2位
拠点:日本/韓国
- Heesung(タンク/韓国)
- Bernar(タンク/韓国)
- Flora(ダメージ/韓国)
- Alphayi(ダメージ/韓国)
- Pelican(ダメージ/韓国)
- Finn(サポート/韓国)
- Viol2t(サポート/韓国)
OWCS KRステージ2のプレーオフでは、いち早くジュノ環境に適応したものの、決勝ではTeam Falconsのテンポの速い攻撃に苦しめられました。ラマットラかDVAで迷いがあったようにも見えましたが、このままで引き下がるわけにはいきません。
KR大会は無念の準優勝に終わったものの、大会直前に大物フレックスDPSのPelican加入が決まりました。OWL時代はエコー、ゲンジ、メイでリーグトップクラスの評価を得ており、ZETAでもダブルフレックス構成、もしくはOWLワシントン・ジャスティス時代からFloraとコンビを組むAlphayiに代わる先発として起用される可能性もあります。リーグ時代に大幅に向上したトレーサーの実力も申し分ありません。
DVAがパッチで弱体化とバグが修正されたことで、ラマットラ環境も予想されていますが、OWCS KR決勝に続きBernarが起用された場合には、プレー数の多くないラマットラのパフォーマンスも鍵になってくるかと思います。
ジュノ環境が続いた場合は、他チーム同様にFinnとViol2tそれそれのメインピックに合わせて片方がジュノを担当することになると思いますが、KR大会決勝ではFinnがアナを出す場面がなく、彼がほぼ固定でジュノを担当しています。ZETAとしてはFinnのアナで阻害とダーツを活かせる展開になればチャンスが広がります。ルシオの出番は少ないかもしれませんが、ファンタジスタViol2tのAjaxスペクタクルなプレーには今大会でも注目です。
韓国ビッグ3の中では唯一タイトルに手が届いていないチームということもあり、今大会優勝に懸ける思いは誰よりも強いはずです。KR大会ではジュノ構成を開拓した先駆者だけに、今大会でも自らメタを切り開く姿が見られるかもしれません。
CRAZY RACCOON
OWCS Korea:3位
拠点:日本/韓国
- Junbin(タンク/韓国)
- Max(タンク/韓国)
- Lip(ダメージ/韓国)
- Heesang(ダメージ/韓国)
- Knife(ダメージ/韓国)
- Ch0r0ng(サポート/韓国)
- Shu(サポート/韓国)
OWCS KRプレーオフではTeam Falconsに3-1で敗れ、マップ28連勝の記録が途絶えましたが、結果的に3位とはいえ、現在も優勝候補の筆頭であることにかわりありません。全てのポジションで世界の頂点に立つプレイヤーを揃えています。
それまで勝ち続けてきたチームほどメタの移行に消極的になるため、ジュノ環境に乗り遅れはしたものの、新たな環境に対応するべく、大会直前にFnaticを退団したフレックスDPSのKnifeを獲得しています。
現役最強ヒットスキャンのLipもメイでハイレベルなパフォーマンスを見せていましたが、とくにベンチャー構成では、KR大会随一の性能を誇った新加入Knifeのベンチャーが活きてくるかもしれません。状況次第ではLipがベンチに回ることも十分考えられます。Heesangは新環境でもDPSのファーストチョイスで変らずでしょう。
KR大会プレーオフではジュノは固定せずに、Ch0r0ngがブリギッテまたはShuがアナの場合は一方がジュノという構成でしたが、ジュノ環境が続くようであれば、今大会でも同じような運用になるかと思います。
世界最高のフレックスサポートShuがジュノ環境でどのようなプレーを見せるのか、そして、この2週間でジュノ構成をどこまで仕上げることができるか、もしくは別の最適解を見つけ出すのか、世界王者としての真価が問われることになります。
プレーオフではベストピックとは言えないDVAとラマットラで戦うことになったJunbinですが、今大会ではこのJunbinのパフォーマンスが大きな鍵を握ることなると思います。今大会最強タンクのJunbinが100%の力を発揮することができれば勝利は自ずとついてくるでしょう。
POKER FACE
OWCS Korea:4位(ワイルドカード)
拠点:韓国
- Belosrea(タンク/韓国)
- Jasm1ne(タンク/韓国)
- Choisehwan(ダメージ/韓国)
- Proud(ダメージ/韓国)
- Jaewoo(ダメージ/韓国)
- Simple(サポート/韓国)
- Fixa(サポート/韓国)
- Caru(サポート/韓国)
ダークホースとしてOWCS KR大会を4位で終えたPoker Faceですが、同大会シード決定戦ではTeam FalconsとZETA DIVISIONを破った実力もあり、今大会でも番狂わせを狙えるだけのポテンシャルを秘めています。
チームは8人の大所帯ながら、ジュノ環境のKR大会プレーオフでは明らかに新たなメタに適応することができませんでした。タンクプレイヤーとしての幅を大きく広げつつあるBelosrea含めて、さらなる変化も予想される新環境にどこまで対応できるかが勝利の鍵となります。
KR大会のシード決定戦ではチーム躍進の大きな原動力となったProudですが、新環境で彼のヒットスキャンとしての能力をどこまで活かせるかも鍵になってきます。もしヒットスキャンが活躍しづらい状況が続くようであれば大きな戦力ダウンとなります。ダブルフレックスでの起用が予想されるChoisehwanとJaewooのコンビは、とくにProudと同じ17歳のJaewooがKR大会で飛躍的な成長を遂げています。
ワイルドカードのVARREL戦では前INSOMNIAのCaruが2マップでジュノをプレーしていましたが、KR大会のプレーオフを見る限り、ジュノはランクマ番長のSimpleがプレーすることになりそうです。ジュノ構成でアナが必要な場面ではCaruが起用される可能性もあります。
プレーオフの戦いぶりを見た限りでは、今大会に向けて他チーム同様にメンバーの補強がほしかったところですが、既にロスター上限の8名に達していたこともあり、新たな補強には至らなかったのかもしれません。