[Overwatch] 最新メタリポート(11/24)‐メタの変遷

Overwatch

今回の最新メタリポートはAlienware Monthly Melee / OGN APEX準々決勝のマッチ(11/15~20)を対象に集計されています。

Overwatch Hero Tier List and Meta Report

※今回のメタリポートはシーズン2のレビューを主眼に構成されていますが、数値やデータによる検証がメインなので、この記事ではソンブラパッチ後の使用率に目立った動きのあるヒーローと、オーバーウォッチがリリースされてからこれまでのメタの変遷に注目してまとめることにしました。

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今週は個々のティアーごとに焦点を当てるのではなく、ソンブラパッチがリリースされた先週以降の目立った動きに注目していこうと思う。ソンブラとそれにともなう多くのバランス調整がリリースされた最初の週となるが、ソルジャー76はダメージがダイレクトで強化され、ティアーをFからCへと一気に上げている。おおよそ40%もの使用率の変化はメタの移り変わりやピックレートがいかにGeoff Goodman氏(リードデザイナー)率いるチームのバランスアップデートにかかっているのかを物語っている。ソルジャーと同じことが言えるのが、DVAであり、ブースト強化、ヘルス+100、メック召喚コスト減(Ultの全体ナーフがあるので実際にはパッチ前と同じ)により使用率が激増している。アナのナノブーストからスピード強化が削除されたが、これまでと変わったことはと言えば、ナノブーストのターゲットが誰になるのかということだった。

興味深いことに現在のナノブーストのプレミアムターゲットはソルジャーになり、ナノブーストを乗せたタクティカルバイザーは”NanoVisor”として威力を発揮していた。しかしながら、EnVyUsは急遽代役を務めたMickie操るDVAがナノバイザー化したTivQのソルジャーの眼前に立ちはだかり視界を遮ることで容易にカウンターとしての役目を果たしていた。

ソンブラについて言うと、彼女の使用率は5%だったが、OGN APEXではバグにより彼女のピックを一時的に禁止していたため、それらの試合を除くと、使用率は概ね7%で、HollywoodとLijiang Towerでの使用率が高かった。


■の大きさはピックされたゲーム数、色はゲーム勝率

ソンブラを使ったHollywood攻撃側でのポピュラーな戦術は“Ultimate Dive Comp”とも言える戦術で、ウィンストン、ルシオ、アナ、ソンブラ、トレーサー、ゲンジのラインナップで以下のMistfitsが見せた戦い方がよい例となる。

https://www.youtube.com/watch?v=U7ThwNwChJc&feature=youtu.be&t=1583

先陣を切ったウィンストンがカフェテラスの奥にダイブすると、LDLCのラインハルトがMisfitsのZebbosai操るソンブラにハンマーを振るう前に、既にソンブラがLDLCのマーシーをキルしている。そして、LDLCがSkipjackのウィンストンを倒すよりも早く、Misfitsの3フランカー(トレーサー、ソンブラ、ゲンジ)がLDLCのノンタンクヒーロー全員を始末していることが分かる。ソンブラの研究が進むにつれて、こういった戦術がもっと見られるようになるのではないかと思う。リスキーではあるがこれらの戦術が機能したときはとても効果的だった。また、ソンブラはHollywodd守備側でもよい選択肢だった。キャプチャポイント周辺にあるヘルスパックをハックすることでチームに追加のヒールを提供していた。Lijiang Towerでも同様で、コントロールポイント周辺のヘルスパックのハッキングと接近戦での彼女の火力はピックするに値するものだった。

オーバーウォッチがリリースされてからこれまでのメタの変遷を簡単に振り返ってみたい。

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Gif demonstrating Chart Usage

オーバーウォッチは最もアクティブなバランス調整チーム…もしくは少なくとも最も透明性のある調整チームに恵まれている。ゲームの発売日からシンメントラのリワークに至るまで、オーバーウォッチでは多くの変更があり、それらは競技シーンに大きな影響を与えてきた。パッチがリリースされるたびに、ヒーローたちは一喜一憂し、トーナメントプレーにおいては、アップデートによるヒーローへの影響度はさらに大きいものであったと言える。一方で、ラインハルトやルシオといったヒーローは競技シーンでもコンスタントにその姿を見せていた。

OVERWATCH’S RELEASE (MAY 23 – JUNE 14, 2016) 0HL AND THE MCCREE-WIDOWMAKER META

ベータの頃からヒーロー重複禁止ルールは叫ばれていたが、オーバーウォッチがリリースされて最初の1ヶ月は重複禁止は採用されなかった。この頃のコンポジションは、エスコートマップで、マクリーとウィドウメーカーを中心に進化し、コントロールではウィンストン、トレーサーを中心に編成されていた。ヒーラーとして出番があったのはマーシーとルシオで、ゼニヤッタはまだヘルスが150しかなかった。マクリーは弱体化前のファニングでタンクを破壊し、マーシーでブーストされたウィドウメーカーはボディへのワンショットであらゆるヒーローを葬ることができた。2ウィンストン、2ルシオ、2トレーサーのコンプはコントロールで威力を発揮していた。これらのヒーローの高い使用率は6月14日のウィドウメーカーのナーフとそれに続くマクリーのファニングの弱体化まで続いた。

THE POST-WIDOWMAKER/MCCREE ERA (JUNE 14 – JULY 19, 2016) – THE PHARAH-SOLDIER 76 META

6月14日のウィドウメーカーの弱体化とそれに続くマクリーのファニングの弱体でこの二人の使用率は瞬く間に激減した。マクリーの使用率低下は緩やかではあったが、徐々にソルジャー76やリーパーがヒットスキャンDPSとして選ばれるようになった。ソルジャーはマクリー、ウィドウメーカーの弱体化を受けて当時拡大を見せていたファラのラインナップのカウンターとして普及していたが、ファラを空から引き釣り落としたのは彼女の母親である一人の老女の出現(パッチ)だった。

THE DISCORD ORB ERA (JULY 19 – SEPTEMBER 1, 2016) – THE ZENYATTA-GENJI META

7月19日のパッチでアナが実装された。ただし、この時の最もインパクトある変更はゼニヤッタのヘルスが200になったことと、ディスコードオーブのダメージブーストが50%になったことだろう。今まで競技シーンで最もドラスティックな影響を与えたのがこのパッチであった。ゼニヤッタは一夜にしてマーシーの座を奪い、強化されたマクリーは再びDPSの主役の座に戻ってきた。この二人のヒーローの隆盛により、ソルジャーとファラがメタから消えていく一方で、ゼニヤッタのディスコードオーブに侵されたターゲットをキルするゲンジが台頭し、”Discord-Orb-hunting”は相手サポートヒーローの脅威となった。

THE ANA ERA (SEPTEMBER 1 – NOVEMBER 15 (?), 2016) – THE 3X3, BEYBLADE, “PICK YOUR ANA LINEUP” META

9月1日のシーズン2の開始と共に導入されたパッチでは多くの人々が望んでいたディスコードオーブのナーフが行われた。これにより、ゼニヤッタの使用率は徐々に落ちていき、一方でアナはNinjas in Pyjamasが多用していたタンク偏重のコンプとナノブーストの活用により、その使用率を着実に伸ばしていった。このパッチでブリザードが強化されたメイはタンクメタのカウンターとして一定の使用率を維持していた。10月中旬にアナのUltがナーフされたものの、どのチームも多かれ少なかれアナを中心としたラインナップを進化させていった。

THE POST(?)-ANA ERA (NOVEMBER 15TH-PRESENT) – META UNKNOWN

アナメタは今後もオーバーウォッチを支配し続けるだろうか?リワーク内容が公開されたシンメトラやソンブラは確かにアナ中心のラインナップを破壊する可能性を秘めている。彼女達が大きな影響を与えると判断するのはまだ時期尚早すぎるが、ソンブラのパッチではアナがリリースされた時と同様に多くのバランス調整も含まれている。大幅に強化されたソルジャーは既に使用率が急上昇しているし、DVAも再び存在感を増している。DVAのピックが発展しアナも引き続きその座に留まり続けるのであれば、タンクメタが過去最高潮に達する可能性もある。しかしながら、まったく新しいヒーローと、完全に生まれ変わるヒーローのリリースが今後のプロシーンにどういった影響を与えるのか確実に知ることができる人間はまだ存在しない。私はそれを発見するのが今から待ちきれない。

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今回のリポートを見ると以前Kaplan氏がブルコメで言っていた、メタの自浄作用といったものは実際のところオーバーウォッチにはほとんどなくて、アップデートという外的な要因でしかメタは変わらないということがよく分かりますね。

バランス調整やアップデートはゲームにとって必要不可欠なものである一方で、オーバーウォッチでもLoLが抱えている問題と同様のことが今後のプロシーンで起きる可能性を孕んでいるのではないかと思います。

429 Restricted
メタリポート使用上の注意
  • 原文のリポートは毎回とても情報量が多いので原則的にティアーリストに的を絞りつつ、所々独断で大幅に端折ってはいますが、大まかなメタの流れを把握できる程度にはまとめてあります。
  • このリポートではあくまでもプロシーンにおけるメジャートーナメントを対象としてデータを集計しているので、このリポートがそのままランクマッチやゲーム内でのメタを反映しているわけではありません。
  • リポートは作者であるCaptainPlanet氏の個人的な見解が色濃く出ていることもよくあり、また、同氏の見解や意図をこのブログの記事で正確に伝えられていない場合も多々あると思うのでその点については留意してもらえるとありがたいです。
  • グラフやリポート中に出てくる”King of the Hill” (KotH) はコントロールマップのことを指しています。
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