今回の最新メタリポートは3月4-5日にヨーロッパで開催されたStrivewire Monthly Brawlでのマッチを対象に集計されています。
まず最初にお断りしておくと、今回のリポートはサンプルデータのサイズがとても小さいです。なのでこのデータが現在のプロシーンを反映したものとは到底言えず、また、リポート内容もかなり薄味な内容となっています。
シーズン4はスタートしたばかりだが、ゲームでの最初のオムニック・クライシス(バスティオンのDRが35%から20%に再調整される前の状態を指しているらしい)は既に去り、現在はセカンド・オムニック・クライシスとでも言うべき状況に直面している。今回のリポートはバスティオンが再調整される直前の大会データは含まれていないが、その時のバスティオンの強さはプロでなくとも証明することが可能なほどの強さだった。これは私の意見ではなくJeff Kaplan氏の意見でもある。
原文では↓の同氏のコメントを引用[Overwatch] ブルコメ ‐ OPと言われたバスティオンの調整について
先週末、新ヒーローのオリーサと共に、バスティオンのナーフはPTRでテストされ、バスティオンの再調整は幸運にもStrivewire Monthly Brawl(原文ではStrivewire Monthly MeleeとなっていますがBrawlの間違い)で確認することができた。今回のリポートはそのオムニック・クライシス後に開催されたプロトーナメントのリポートであり、このイベントにはEUのチームのみ出場している。ブリザードは本日更なる再調整を発表しており、このところ再調整の波が続いている。最新のバランス調整も来週中には反映されるとは思うが、今回のリポートでは『プロトーナメント』におけるメタリポートをお届けしたい。
プロトーナメントと強調しているのは上記のブルコメでKaplan氏がメタリポートを金科玉条としているプレイヤーに苦言を呈していたように、あくまでもプロシーンに限定したメタであることをを強調しているものと思われます。
TIERS
S Tier (>=95% Usage Rate): Lucio (96%)
A Tier (>80% Usage Rate): Ana (81%)
B Tier (>50% Usage Rate): Soldier 76 (66%), Tracer (56%), Winston (54%), Genji (52%) Roadhog (53%)**
C Tier (>20% Usage Rate): Reinhardt (46%), Zarya (39%), D.Va (36%), Roadhog (30%)
D Tier (>5% Usage Rate): Zenyatta (16%), Pharah (14%)
F Niche Tier (<5% Usage Rate): Mercy (4%), Torbjorn (2%), Mei (2%), Bastion (2%), Widowmaker (2%), Reaper (1%), Hanzo (0%), Sombra (0%), Junkrat 0 Picks
更にここでも上記ブルコメを引用[Overwatch] ブルコメ ‐ OPと言われたバスティオンの調整について
Jeffがコメントしているように、一部の人々は「バランスの取れたメタ」は全てのヒーローがそれぞれ4~5%程度(100% / 23)で均等にピックされることを意味すると説いている。そして、Jeffは必ずしもそれが現実的でゲーム全体に良いことだとは思っていないともコメントしている。私自身は「均等」なピックはデータを比較する上で興味深い指針になると考えていたが、このリポートのグラフでは23人いるヒーローを6つのティアーで評価しているので、23人を均等に分けるとそれぞれの枠は26%ということになる(100% * 6 / 23)。つまり、全てのヒーローが26%に収まっていれば、このグラフ的には「均等」と評価できることにもなるが、これを基準とすることで、現状のパーセンテージに基づいたグラフよりもマストピックとニッチピックをより鮮明にでき、使用率が極端に低いヒーローに対するネガティブなイメージもいくらかは払拭できるかもしれない。ここでは、この26%を基準としてそのヒーローのピック率を比較したグラフを用意してみた。
このグラフでは26%を基準としているので、例えばその3倍超過の使用率がSティアーとなっていますが、ルシオ(96%)とアナ(81%)がそれに該当します。また、等倍未満~1/2(0.5倍)超過となるCティアーにはゼニヤッタ(16%)とファラ(14%)が該当します。
グラフに表してはみたものの、果たしてこれまでのパーセンテージのグラフ以上に意味のある分析が行えるのかは正直定かではない。使用率を可視化する際のグラフはこれまで通りパーセンテージ式がよいか、「均等」なピック率をベースとしたグラフがよいか皆さんの意見を聞かせて欲しい。
This Strawpoll(アンケート)
個人的にはぶっちゃどうでもいいかなって感じですね。それよりもこのメタリポートは毎回サンプルデータのサイズが小さすぎるので(特に最近は少ない)、プロシーンを限定としたメタデータとしてもあまり参考にならないような気がしています。Kaplan氏が少ないプロトーナメントのデータでメタを語ってくれるなとキレる気持ちも分かる気がしますね。 試合データを基にメタを考察するのであれば、地道にデータを更新してくれているWinston's Labがのほうがサンプルデータも多く参考になると思います。寧ろこのメタリポートの持ち味はこれから紹介するようなプロシーンの戦術や傾向分析にあるように思います。
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今回のリポート対象となったStrivewire Monthly Brawlでは公認ライセンスのトーナメントとは異なり、マップはドラフト方式だったようです。そのため、使用されたマップの実に80%がKotHかハイブリッドマップでした。これは決勝までに残ったチームがKotHを得意とするダイブコンプチームと、ハイブリッドが比較的有利とされるタンクコンプチームであったことが影響していると思われます。
DIVE COMPS
トラディショナルなダイブコンプではトレーサー、ゲンジ、ウィンストン、ルシオがコアヒーローとなる。ウィンストンはキャノンボールのように相手チームのバックラインへと飛び込み、これがダイブ開始のシグナルとなることが多い。
この初動の動きとなるウィンストンのイニシエーションはチームごとに、特にフレックスヒーローの存在にその違いが現れている。例えばウィドウメイカーがラインナップにいる場合は「スロウ」ダイブを使用する。こういったチームはウィドウがキルやショットでダメージを削り、更には相手チームがポジショニングをミスするまで耐えて待つ。そして、ターゲットを見つけたウィンストンがトレーサーとゲンジを伴いダイブし、ターゲットには彼らと戦うのか、それともウィドウの火線の中に再び身を晒すのか選択を迫ることになる。また、別のチームはファラを得意のKing’s Rowなどで使うが、この一連のファラにとって有利なルートはRenegedesのMangachu選手にちなんで、“the Mangachu route”とも呼ばれている。具体的には以下の画像で示したような戦術を採るが、ファラのダイブコンプにおいては、素早いエンゲージ(交戦)で上記のウィドウメイカーと同じように、敵チームにはファラを狙うのか、残りのメンバーを相手にするのか、選択を迫るようなポジショニングを取ることになる。
この戦術については原文に画像以上の説明がないので、正直自分にはこの戦術の意味するところがよく分かりません。分かる人には分かるということでw
ダイブコンプは個々の高いスキルとチームワークが要求され、エンゲージメントで失敗すると、その後のポジショニングや戦いにも悪影響を与えるリスクの高い戦術と言える。一方でダイブコンプはタンクコンプに比べよりフレキシブルでトレーサー、ゲンジ、ルシオを核として、フレックスにはソルジャー、マクリー、ファラ、DVA、ウィンストンなどの選択肢が多く、状況に応じて柔軟な戦術を採ることができる。また、アナの大幅な弱体化も検討されていることから、今後はゼニヤッタという選択肢も増えることになると思われる。
Overwatch Hero Tier List and Meta Report: Omnic Crisis Averted!
https://www.overbuff.com/blog/2017-03-07-overwatch-hero-tier-list-and-meta-report-omnic-crisis-averted