Lunatic-HaiコーチによるAPEX Season 3決勝レビュー

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Lunatic-HaiコーチによるAPEX Season 3決勝後レビューまとめです(by TISrobin311氏)。

今回もかなり長いので所々端折りつつ本筋と関係ない部分は省略してます。あと長すぎて見直してしてないので誤字脱字や翻訳ミスがいくつかあるかもしれません。

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「Deadlock」の記事一覧です。
  • Gidoは優勝セレモニーの後も泣いていて、コーチが落ち着かせようとしてもなかなか泣きやまなかった。彼はとても臆病な性格ながら、デビューシーズンとなった今季の決勝では最も強いプレッシャーに晒されていたのと、完全なルーキープレイヤーであったこともあり、こういったことが感情の爆発に繋がったいていたようだ。
  • 決勝の野外特設会場に並べられたシートを上空から見るとグランドマスターのエンブレムのように見える。
  • コーチのパソコンには「デスノート」と呼ばれる、メンバー全員がスクリムでデスした回数を記録したエクセルデータが保存されている。選手が自信過剰なそぶりをみせたらコーチはそのデスノートに記録されたデス数を選手に見せて、現実を理解させ自省を促している。今シーズンもメンバー各自に少なくとも一度はノートを見せてそれぞれの役目を思い出させていた。
  • 人々はJehongとEscaがチームのメンタリティをコントロールしていように思っているようだが、それは事実とは異なる。本来Jehongは形勢が傾いた時に最もティルトしやすい性格。しかし、試合中チームメイトに対してはそういった感情を抑え表に出さないようにしている。
  • LHとKDPの両コーチは共に野外のシート最前列で観戦していた。双方とも知り合いで、試合直前にはお互いの体に差し障るのでどちらが勝つにしてもフルセットまではもつれないようにしようと話していたが、皮肉にも試合はフルセットまでもつれている。
  • コーチは3回あったコントロールマップ全てに敗れたことについては、メンバーがポーランド予選から帰国したあとで話し合う必要があると考えている。コーチはスクリムの結果からコントロールには自信を持っていたが、これこそが決勝の怖さであると理解している。コントロールでの敗因については後述する。
  • この試合、KDPのメインスターはBirdringではなかった。コーチが試合後メンバー全員にどの選手が最もやりずらかったかを尋ねたところ、コーチはBirdringを予想していたが、意外にも6人全員がFissureと答えた。7セットすべてのマップでFissureはKDPのDPSのためにスペースを作りつづけ、チームの脅威であったと話していた。MiroはFissureが今まで対戦した中で最も難しいウィンストンであったと話している。この試合でもネパールの後すぐに、チームとして警戒すべき相手がBirdringからFissureへと移っていた。最も難しいと評価する対戦相手がメンバー6人の間で一致したのもFissureが初めてであり、ネパールの後コーチはEscaにハッキングターゲットをFissureに変更するよう指示した(試合前はBirdringのトレーサー、Voidのメックの順で指示していた)。仮にKDPが優勝していれば視聴者MVPはBirdringで、専門家のMVPはFissureになったであろうとコーチは考えている。
  • コーチはネパールでは勝てるだろうと自信を持っていた。しかし、LHのメンバーは普段よりもせっかちなプレーが見られ、ultのイニシエートも性急だった。これに気づいていたKDPは素早くultをやりすごし、即座にカウンターultをしかけてきため、LHはKDP側のスピードにすぐに対応することができなかった。ネパールでは終始こういった具合で、KDPにうまく利用されてしまった。これまでは常に自らのペースを崩すことがなかったが、決勝ではLHは明らかにプレッシャーを感じていた。決勝前にコーチは100回以上「何があっても焦るな」と選手に言い聞かせたが、ファーストセットの戦いでは選手達はこれを忘れていたようだ。
  • KDPはこれまでのチームとは異なりEscaをファーストターゲットとして狙っていた。例えばRascalがEMPを使用するとKDPのメンバーは常にEscaを狙っていた。Escaもそれに気づいており、城マップの後でコーチと話し合い、KDPはRascalのEMPによるイニシエートからEscaのソンブラ、Gidoのトレーサー、ZunbaのDVAの順でフォーカスしてくるという見解に達した。コーチによると、これがソンブラ対策としてベストなメソッドであり、AFBもLWBもこの対策を使ってこなかったために楽に試合を進めることができたという。今シーズン、Escaをメインに狙ってきたチームは他にConBox Spiritがいたが、LHはその試合で苦戦を強いられている。そして、ソンブラを最も効果的に使っていたチームがKDP、ConBoxとLHであった。
  • Gidoはマッチを通してハイキングでもしているかのように山あり谷ありだった。チームをキャリーしていたかと思えば、スノーボールのきっかけになるようなミスを犯したりしていた。彼にとっては初めてのLANトーナメント決勝であり無理もないことではある。全体的に見れば彼はペイロードでとても上手くプレーし、2CPではまずまずのできだった。明らかにチームとのシナジーを欠いたプレーも見られ、今後はバトルの引き際についても学ぶ必要がある。例えばヌンバニでは残りメンバーが引いたにも関わらず彼だけバトルを続けたために一人取り残されピックされていた。彼はとても成長したが、他のトップトレーサーに比べると個人スキルでまだかなり劣っている。Gidoが十分な経験とゲームセンスを身につけるまでコーチは今後もマンツーマンで指導していくとのこと。
  • コーチはKDPが選択するマップすべてを正確に予想していたことを喜んでいた。KDPの試合とコンプを分析した結果、KDPはアヌビス、ヴォルスカヤ、ヌンバニがストロングポイントになるだろうと予想した。また、LWBのGamblerも放送中にKDPのマップをすべて当てていた。LHは予想したマップを練習し決勝に備えたものの、ヌンバニ以外は僅差で敗れている(ともにタイブレーク)。
  • 城マップで使ったトリーサコンプ(Torisa、トールビヨン+オリーサ)に対する批判については、スクリムで高い勝率を残し、適切にプレーすればポイントAをシャットダウンできるコンプであるとしている。KDPがリーパーを出してきたことはLHにとって予想外であり、それがファーストウェーブでの失敗に繋がった。この場所でトリーサコンプが機能するには、MiroのラインハルトがポイントAに続く小ヘルスパックのある通路を守ることが必要だが、相手を刺せると思ったMiroのチャージが不発に終わり通路を出てしまう。LHはこれで小ヘルスパックをRascalにハックされこの通路をKDPにコントロールされてしまった。通路を取られたことでLHは小屋(小ヘルスパックのある)の中に後退せざるを得なくなり、最終的にポイントAを奪取されてしまう。コーチは、この場面に代表されるようにオーバーウォッチはとても複雑なゲームであり、メンバー一人のワンミスがスノーボールに発展することから、メンバー6人のシナジーがいかに重要であるかを説いている。
  • コーチは、LHはKDPよりもソンブラを効果的に使えると考えていたためにペイロードでは自信を持っていた。そのため、リスクを冒さず練習ではこれまでと違ったコンプを試すのではなくソンブラでの戦い方に更に磨きをかけた。また、コーチは以前にも指摘していたが、ソンブラは個人スキルに頼るのではなく、チームワークと入念なプランが重要であると説いている。
  • 両チームの心理戦は非常に神経を擦り減らす戦いだった。小競り合いがはじまった時、どちらの側もEMPをしかけてこようとせず、サポートも相手が先にultを使うまで自らのultを使おうとはしなかった。心頭滅却やサウンドバリアを誘発させるプレーを続け相手に先に使わせることでアドバンテージを得ようとしていた。こういった戦いになると、必要なultがすべて貯まっていたとしても個人スキルを全面に出した戦いになり、場合によってはどつきあいのような展開に発展することもある。
  • コーチはKDPがリーパーをサプライズアタックとして使用してくることは予想していたものの、試合(シリーズ)全体を通して使ってくるだろうとは予想していなかった。リーパーを多用してきたことで、KDPがLHのタンク陣を警戒し、リーパー戦術を決勝のために準備してきたことが分かった。これまでLuffyがDPSをプレーする時はソルジャーを多用してきたが、この試合ではまったく異なりリーパーを多用していた。
  • コーチが語るRascalとEscaのソンブラの最大の違い:Rasclaは常に単独で任務を実行する。2階や高台でプレーする傾向にあり、相手の届かない高台からフリーでダメージを与え素早くEMPをチャージし、あわよくばラッキーキルも狙っている。このプレーの欠点は、相手プレイヤーへのハックにフォーカスする代わりに、ヘルスパックに対するハックが甘くなる傾向がある。Escaのソンブラは高台などは狙わず、どちらかと言えばチームメイトと行動を共にしながら、タンクとサポートを生かすために可能な限りヘルスパックをハックすることを優先している。このように同じヒーローでもチームによって運用方法が異なり、こういったゲームを分析することもオーバーウォッチの楽しみといえる。
  • この試合の勝利にZunbaは不可欠な存在だった。コーチはDVAのultに関してはZunbaはVoidよりも劣ると話していたが、この試合のZunbaの自爆は素晴らしく、自爆の度に少なくともワンキルは取っていた。
  • コーチは2CPのレビューは見たくなかったのでスキップしようとしたがファンの要請でアヌビスのレビューをはじめた。コーチ曰く、Luffyは隠れたKDPのエース。何故ならコーチはLuffyがあそこまで上手くリーパーをプレーするとは予想していなかった。彼はデスブロッサムを使うべきタイミングを正確に理解しており、そのためにLHは不意を突かれ、マルチキルからポイントを奪われてしまった。
  • JehongのメイがポイントB(攻撃時)でLuffyのリーパーをブリザードで凍らせた時にLHにとっては大きな問題が発生した。コーチはこの瞬間にポイントB奪取を確信したものの、次の瞬間にMiroのプライマルレイジが凍っていたリーパーをブリザードの外に叩き出してしまいリーパーは生き延びることができた。チームは混乱したように思えたが、無理に離れようとしていたVoidのメックを捕らえ剥がすことができたので、残りの30秒を実質6対5で戦うことができた。LHはこのVoidのミスにつけこんだことでオーバータイムで奇跡的にポイントBを奪取することができた。

尚、Miroの配信によると、仮にリーパーをブリザードの外に弾き出したとしても、リーパーは完全に凍っていたので、その後も1~2秒は凍り続けるものだとMiroは思っていたらしい。しかし、Luffyはすぐにレイスフォームで逃げ切ってしまい、あとパンチ一発でリーパーを仕留められると計算していた彼はこれに驚いた。Miroはこういったケースをそれまで経験したことがなかったので、完全に凍らせたヒーローをブリザードの外に叩き出すとすぐに溶けてしまうことを知らなかったとのこと。

ヌンバニの「C9」について視聴者から質問されたコーチは笑っていたものの、はっきりとしたことは答えなかった(ただしレビュー後半でC9については言及)。

  • アヌビス防衛(延長)におけるEscaのEMPについて批判が多かったことについて。

    まずEscaは3階の大ヘルスパック部屋にトランスロケーターを設置したが、その後ロケーターがある3階はKDP側が占拠していた。KDPはEscaがロケーターに戻ってきたケースに備えつつ、テレポートを誘発させるためにFissureのウィンストンが単騎でEscaを狙いに行く。Escaはテレポートで戻りその場にいるKDPのメンバー達にEMPを放つこともできたが、その時点でLHには3階に向かいEMPを活かすことができるメンバーはいなかったので、これは効果的な選択とはいえない。そのためEscaは向かってきたウィンストンをキルするようにショットコールし、Fissureのウィンストンにキルされる前にソロEMPを放った。結果的にEscaはキルされたが、逃げる手段を失ったウィンストンをメンバーが仕留め、ポイントAを防衛することができた。これはあの状況を考えれば選択しうるベストな選択であった。
  • 最初のレイコータワーでの敗戦は戦略ミス。LHはソンブラコンプ、KDPはダイブコンプを使用した。LHはポイントの真後ろにある大ヘルスパックを取り、全員が高台に集まりポジションを取ることになった。しかしこれは、Fissureのウィンストンが一箇所に集まったLHにテスラキャノンとバリアを使い効率的にultチャージを貯めることを可能にしてしまった。これにより、FissureはMiroよりも早いペースでプライマルレイジを使いLHを敗戦に追いやった。このultの差異がきっかけとなりスノーボールがはじまりLHはこれを食い止めることができなかった。Fissureが、EscaがEMPを使うための理想的なポジションを取れないよう抑えていたこともこの戦いを難しくしていた。
  • ヴォルスカヤではコーチもLHが勝つだろうと考えていた。EscaがポイントAを奪取する直前にポイントBの大ヘルスパックを前もってハックしたことは非常にスマートな判断であり、これによりアドバンテージを得ることができる。VoidがポイントBから離れた位置に自爆を放ったのは非常にまずいプレーで、LHは実質ポイントに留まったまま自爆をやり過ごすことができ、4分を残して最終ポイントを奪うことができた。
  • ジブラルタルで攻撃側のKDPがメイを出してきたのを見てコーチはKDPのミスであると考えた。LHはLWBとのスクリムでも同様にジブラルタル攻撃でメイを出したが、その度にLWBのカウンターで抑えられたことがあったので、対策方法については理解していた。このスクリムでの経験からKDPがファーストポイントを取るまでの時間を大幅に遅らせることができた。Birdringによると、メイを使ったのは当日決まったことであり、前もって計画したプランではなかったとのこと。コーチによると「誰か」がミスをしなければポイントAでシャットダウンすることもできただろう話していた(チャットでは‘Gido laid-off FeelsBadMan’のチャントが鳴り響く)。ただし、コーチはジブラルタルでのスクリムの結果が良かったので最終ポイントが取られることはないだろうと考えていた。ここ最近のペイロードでは、防衛側のヒーラーが後方を気にする必要がない反面、攻撃側は後方から仕掛けてくるフランカーも警戒しなくてはならないために、最終ポイントを取るのが簡単ではなくなっている。
  • ヴォルスカヤで最もフラストレーションを感じながらプレーしていたのはZunbaとVoidであろうと考えている。彼らはRascal/Escaが最初に狙うハッキングターゲットであり、そのために何もできなくなることや、5対6の状況を作るきっかけとなる場面が多くあった。4分間の攻防と延長の間、全体的に見ると、ZunbaとVoidのハッキング時間は2~3分間にも及んでいたとコーチは話しており、これはDVAプレイヤーが遭遇しうる最もストレスの溜まる経験であると話している。
  • KDPがヴォルスカヤのポイントBを奪取できたのはRascalのおかげと言える。

    このシーンでLHはultのアドバンテージがあったが、最後までultをキープしようと考えていた。Gido、Esca、Miro、Tobiの4人のulが溜まっていたが、Rascalがこのうちの3人(Gido、Esca、Miro)をEMPで捉えた。そのため3人はほぼ同時にキルを取られ、Tobiはソロサウンドバリアで粘ってもLuffyのリーパーにインスタキルされてしまうため撃つことができなかった。これによりKDPはポイントBで予め有利なポジションを取ることができ、LHのメンバーがリスポン地点からポイントに侵入するのを防ぐことができた。KDPはLHが一人ずつポイントに入るように抑えていたために、LH側としてはバラバラにポイントに入り時間を稼ぐことしかできなかった。
  • 延長のKDP攻撃で彼らは残り時間も少なかったために、躊躇せずにZunbaのメック目掛けてダイブする戦略を立てていた。

    LHはこの積極策を予想していなかったために、KDP6人がZunbaにダイブするスペースを与え、メックへのハックを許してしまう。Zunbaのメックはすぐに溶け、5対6のバトルになってしまう。ポイントAに続きBも簡単に取られてしまったが、試合後にZunbaはティルトしたのはあの時がはじめてとコーチにも語っており、あの瞬間は呆然として、不意を突かれたショックから立ち直ることができなかったという。彼はヴォルスカヤは自分の責任で負けたと感じており、後の配信ではヴォルスカヤ後、完全に打ちのめされた状態にあったことを明らかにしている。この影響で彼のパフォーマンスが落ち、タワーでのタイブレイクで再び敗れた後もメンバーは彼を落ち着かせることはできなかった。
  • アヌビスとヴォルスカヤではRyujehongがコンスタントにソルジャー、メイ、リーパーにスイッチしていたが、これは彼の独断ではなくチームの判断であった。練習ではコーチもヒーロースワップに関するアドバイスは行っているが、具体的にどういった時にスワップするかまではKDPが何をしてくるかで変わるので正確に伝えられるわけではない。シーズン2でコーチは必要な場面でのヒーロースワップの重要性を説いてきたが、メンバーにはスイッチへの戸惑いが見られていた。しかし、今シーズンはフレキシブルに戸惑うことなくヒーローを変えることができるようになった。自分の意思に逆らってでもフレキシブルにヒーローを変えるという姿勢はこのゲームで最も必要とされることであるとコーチは話している。今までヒーロースワップはLHでも大きな課題であったが、これは他のチームでも同様で、解決する方法は時間、忍耐、そしてチームメイトがお互いを熟知するしかないとコーチは述べている。
  • コーチはWakawakaのルシオに好印象を抱いている。彼のサウンドバリアはほとんどが適切なタイミングで実行され、Rascalとの連携は非常に熟練し、入念にLH対策が施されたものだった。今シーズン当初彼のサウンドバリアにはミスが多かったが、その時の彼とはまったくの別人だった。Wakawakaのルシオが来シーズンKDPが更なる飛躍を遂げるための鍵になる。KDPが再びメンバーを入れ替えることはないだろうとコーチは考えている。Miroによると、現時点で韓国のトップルシオ4人は、Tobi、IDK、Bumper、Wakawakaとのこと。
  • タワーでの二度目のタイブレイクではゲームの最後でVoidのメックが瀕死だったにも関わらず割ることができずにマップを落としてしまった。ファンはGidoが仕留めきれなかったことを不満に思っていたが、コーチもVoidのメックを剥がせなかったことがKDP有利に働いたと考えている。しかし、残りのマップがペイロードであったため、コーチはまださほど心配しておらず、EscaとRyujehongには相手のマッチポイントだからといってティルトせずにチームの士気を保つように伝えた。
  • Rascalがドラドで出した単騎ファラは賛否両論あると思う。ゼニヤッタの玉付きファラはとても効果的な一方で、ディスコードもしくはヒットスキャン相手にはとても脆い。LHは後者を選択し、Ryujehongがソルジャーにスイッチした。
  • コーチはRyujehongの年齢とゲームセンスについて尋ねられた時、もし彼が7歳若かったら…言い換えると20歳であれば、彼は議論の余地なく世界最高のプレイヤーであったであろうと答えている。本人もCounterStrikeをプレーしていた当時のほうがエイムや反応速度は速かったと認めている1。コーチは今でもJehongがLHのエースであると断言しており、現在のフォームに更に磨きをかけることができるかは彼次第であると述べている。
  • ランクマッチにおけるベストアナとプロシーンにおけるベストアナとの違いに関する質問について。視聴者の質問の意図はアナの有名配信者でNAのベストアナでもあるGale Adeladeや쪼낙 (j.jonak)のようなモンスタープレイヤーがプロに転向しないため、こういったプレイヤーとプロ選手との比較をコーチに求めている。コーチはこれに対し、「どれだけアナのスキルが高くても、チームプレーで悪ければ、それはオーバーウォッチでは何の証明にもならない。もし、それらのストリーマーがチームを組んでアマチュアのトーナメントに何度も参戦し、チームワークが最も重要とされるプロの環境でも適応することができればその時、私は彼のアナは「グッド」と見なすだろう。しかし、ランクマッチでどれだけ華やかなプレーを見せても、アナはDPSではないので、プロチームでは役立たずの見掛け倒しで終わることもある。アナはヒーラーであり、自身が生き残るため、そしてタンクを生かすためにチームワークがとても重要なポジションであり、チームのプレースタイルに合わせる能力は個人スキルよりも100倍も重要である」と答えている。
  • KDPがドラドのラストプッシュに失敗したことでコーチはその時99%勝利を確信した。理由は以下の通り:LHが最後にドラドでKDPに敗れた時、彼らはプラント内のブリッジの先までペイロードを進める必要があったが、これは非常に難しい作業でもある。ペイロードをブリッジの先まで進めるのとその手前まで進めればよいのでは難易度に雲泥の差がある。当時LHは相手のペイロードをブリッジの先まで進めてしまったが、決勝の試合ではブリッジ手前で食い止めることができた。防御側に橋を利用してペイロードの進行を遅らされる心配がないため、攻撃側としては非常にやりやすくなる。
  • KDPはドラドのセカンドポイント防衛で上手く時間を稼いだためにコーチの確信は99%から70%に減ってしまう。

    この時点でのサポートのultチャージ率はほこ互角で、Luffyの突然の心頭滅却発動がなければどちらに軍配が転ぶのかコーチも予想できなかった。韓国コミュニティの多くがLuffyの心頭滅却のミスでKDPは優勝賞金をふいにしてしまったと考えている。後でコーチとEscaはLuffyのこのプレーについて話し合った。あの場面で広場に現れたEscaのソンブラとLuffyの距離は離れていたものの、お互いにアイコンタクトがあった。EscaはまだEMPは貯まっていなかったが、Luffyを上手く騙してultを誘発させる(原文は”Jebaited”でtwitchのエモを意味している→)ためにジャンプを繰り返しながらEMPを撃つ素振りを見せていた。多くのプロがEMPを撃つ直前にジャンプする癖を持っているが、この作戦は見事に的中した。このVODを注意深く見ればEscaがジャンプした瞬間にLuffyがQを押したことが分かるはずだ。ただし、コーチはこの時Luffyの頭の中でどういった思考が巡っていたかまでは分からないとも話している。もしLuffyが騙されていた(Jabaitedされた)とすればオーバーウォッチ史に残るベストシーンとしてしばらく記憶に残ることになるだろう。どこからともなくソンブラが現れたことでLuffyの指が震えてタイプミスしてしまっただけかもしれないが、確実に言えることは、KDPはあの場面を抑えれば優勝は目前であることは分かってたいた。そして彼らは気がはやってしまったために性急なプレーをしてしまったとコーチは考えているが、あの場面ではEscaのプレーが素晴らしかったと言えるだろう。Luffyに賄賂を渡してたいのではという冗談については、そんな金があったら今頃髪が抜けるのをなんとかしているとコーチは切り返していた。
  • コーチがLANトーナメントで最も重要視しているのが常に冷静さを保つことだが、これはシンプルでありながら実践するのが最も難しい。「何が起きても冷静さを保ち短気にならない」は選手に与えたアドバイスとしては最も多い。一度ティルトしだすとゲームが終わってしまうので、メンバーには常日頃から冷静でいるよう言い聞かせている。メンバーの一人がティルトすると一般の視聴者は気づかなくても、スクリーンでは簡単にそれを読み取ることができる。コーチはスクリムの度にこのアドバイスを思い出させてティルトの抑止に役立てている。コーチ曰く、これは全てのesports選手が克服すべき問題であり、これを解決できるのは経験のみであるとしている。こういったことから、コーチはどのチームにも精神的な支柱となる選手が必要であり、試合中常に頼ることができる精神的な支えが必要であると考えている2。頼れる存在があれば指が震えるようなこともなければ、イージーなミスを犯すこともなくなる。今回の経験でKDPは来季に向けて更なる強さを手に入れることできた。彼らは大舞台でのプレッシャーを経験し、エネルギーを消耗しながらも4時間に及ぶ熱戦を繰り広げた。KDPはAPEXのどのチームよりも強力なメンタリティを手に入れ、それは来シーズン最大の武器となる。
  • ヌンバニのポイントA攻撃ではコーチは練習でJehongにソルジャーではなくゲンジをプレーさせていた。実際に三日前のスクリムでも良い結果を残していたが、当日になりJehongがソルジャーでのプレーがベターだと自ら判断しピックを変更した。コーチは皆が思っているよりもJehongのゲンジはベターと何度も主張していたものの、スクリムで勝てたのはゲンジのおかげかどうかまでは分からないとも話している。
  • ヌンバニ防衛でTobiがトールビヨンを出したことについては、あの場所がトールビヨンとタレットが輝ける数少ないスポットであり、その理由として、他の場所に比べてトールビヨンのultがとても早く貯まりやすいことを挙げている。最後のC9についてはFissureのウィンストンを過度に警戒してしまった。彼がプライマルレイジ、Rascalがタクティカルバイザーを使うとチームは過度に神経質になってしまい、他のことに気を取られペイロードの存在を忘れてしまった。他のチームであればあのC9の時点でティルトしてしまいヌンバニはストレート負けしていただろうとコーチは述べている。LHは経験豊富な不屈のチームであり、それが故に、その後の延長も同じコンプで守りきることができた。
  • EscaがC9でティルトしていなかったことは、彼が2階にいるKDPの位置を冷静に確認していたことからも分かる。

    このプレーでソンブラのEMPは1階にいたVoidのメック以外の5人のメンバーを捉え優勝を決定的にした。DMでメンバーを救いにいったVoidの動きを察知したEscaはメックもハックしている。あの場面でVoidのメックにはDMの容量が残っていたので、もしメックをハックしていなければ、LHがあの場面での勝利を確実なものにしていたかどうかは分からなかった。
  • ワールドカップについては、現時点で本選に出場する8チームのうち少なくとも4チームはアジアのチームになるだろうと考えている。更にその中で強豪となる4チームは韓国、中国、フランス、台湾(予選通過を前提)になると考えている。コーチはNA/EUでLANトーナメントが不足していることも欧米の停滞、アジアの隆盛に繋がっていると考えている。また本選のブリコンまでに現在のメタの傾向(おそらく今のダイブのこと)はもう一度切り替わるだろうと確信している。
  • 先日話題になった中国のMYが見せたハルトザリアコンプが本物か、もしくは単にMYが強かっただけかを問われたところ、コーチはこのコンプを攻略するには3つの方法があると答えており、その3つはAPEX Season 4でも見られるだろうと確約していた。さらにコーチはLunatic-Haiが最近MYとスクリムを行ったことにも触れており、Nexus Cup決勝でRunawayが見つけることができなかった弱点と欠点がこのコンプには少なからずあるとも話していた。
  • APEX Season 4に出場するチームや彼らとのスクリムではメタが切り替わる兆候が見て取れたのでコーチはS4にとても期待を寄せている。コーチはS4で注目を浴びるであろうプレイヤーは現メタの中心となっているゲンジ、トレーサー使いではなく、よりフレキシブルなTviQやFlow3rのように複数のヒーローを高いレベルで操れる選手になるだろうと考えている。それでもダイブ自体は普及しているだろうが、どれもが同じ退屈なダイブではなく、チームカラーにより異なるダイブになるだろうと話している。これはこれまでのスクリムの結果から、ドゥームフィストがDVAの代わりに、ハルト/ザリアがウィンストンの代わりに、ドゥームフィストがトレーサーの代わりに…といった具合に使われる可能性があることを意味している。S2がそうであったようにチームごとのカラーが見られるのはプロシーンにとっても歓迎すべきことである。言い換えればS4ではメタに多様性が生まれ、複数のヒーローを高いレベルで操るプレイヤーが注目を集めることになるだろう。各チームともはじめのうちはドゥームフィストの運用には慎重であるためにすぐにS4で見られることはないかもしれないが、プレーオフまでには各チームがその時点のメタにフィットした彼の運用方法を見つけ出すことで、ドゥームフィストはフルタイムで使われることになるだろうとコーチは考えている。
  • WohRUはSeason 4からロスターに復帰するが、常に先発ではなく、対戦相手次第でEsca、Gido、WhoRUの3人をローテーションさせることになるだろう。8人目のメンバーについては今もなお検討中だが、最終的な決断には至っていない。
  • KDPのコーチ陣は決勝までの3週間で素晴らし準備をしてきた。そして決勝はこれまで経験した中で最もタフな戦いとなった。コーチはAPEXスタッフのカメラワークについても賛辞を贈っている。映像ルームは選手の待機部屋の隣に用意されており、休憩中にそこを訪れると編集スタッフの3分以内にハイライトを作れという激が飛んでいたという。そして長丁場の試合中に交わされた編集スタッフの「ショットコール」はLunatic-Haiのどのメンバーのショットコールよりも大声であったとのこと。
  • LHはドゥームフィストパッチではまったくプレーしていないために、S3で早々に敗退したチームと比べると新パッチでの練習量は少なくなりS4でも序盤は再び苦しむことになるだろう。更にLHはワールドカップ予選に3選手を取られるために彼らが復帰するのはS4開幕の僅か3日前になる(S4開幕は8/11)ため、LHはS4出場全チームで最もスクリム量が少ないことになる。しかし、チームは更に前進し可能な限りAPEX三連覇を狙うとコーチは話していた。

脚注:

  1. JehongはSpecial Forceのプロになる前はCounterStrikeのプロとしてプレーしていました。
  2. 試合後Tobiはesportsシーンでの経験が豊富なEscaがチームの精神的支柱であり、Gidoが大きく成長したのも彼の存在が大きかったとコメントしていたそうです。
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