ダラスのオーナー、Mike “hastr0” Rufail氏1のAMAまとめです。量が多いので個人的に目についたコメントだけ拾ってます。
AMAのコメントは要約次第で誤解を招きかねないので、この記事のまとめがすべてだとは思わないでください。気になったコメントは原文箇所に目を通すことをおすすめします。
– トレード期限終了後になって何故Rascalをあえて放出したのか?
チーム全体で話し合った結果、Rascal退団は必要なことだった2。コーチ陣はRascalを継続的にチームの一員にしよう(include)と試していたし、ステージ3のヴァリアント戦で彼を起用したのもその一例。既にトレード期限は過ぎていたが、チームが前進するために他に方法がなかった。
– Rascalに適切な通訳がいなかったという噂について。
韓国人のKim “Violet” Dong Hwanコーチはプレイヤーマネージャー(選手兼マネージャー)。ネイティブな韓国人であり、Starcraft2の元プロでフルタイムのプロとして最初に渡米した選手のひとり。彼は韓国人選手がチームに溶け込めるようアシストし、コーチやメンバー間の通訳も行う。さらに英語の個別指導もある。今後に向けてさらなる通訳も加えている。もっとベターなことも出来たかもしれないが、Rascalの状況は通訳が原因でコミュニケーションの断絶が起こったという状況ではなかった3。
– Rascalが突然コミュニケーション不通になったしまったのは、Rascalが言葉を誤解していたからではないのか?Fissureが指摘するように試合中における通訳の存在という点についてもっと注意を払うべきではないか?4
たしかに試合中に韓国と英語双方でやりとりできるプレイヤーはチームにはいないが、コミュニケーションの助けとなるスタッフは存在している。Rascalにとっては困難な状況ではあったが、それが彼の放出に繋がったわけではない5。
– Rascalがコミュニケーションを取らなくなったはっきりとした理由は?
それについて話すことはチームにもRascalにとってもためにならないだろう。我々は彼がチームから離れるために協力し、我々がそのために助けとなったことを彼も明らかにしてくれるだろうと考えている6。
– Kyky解任とRascal退団はオープンな形で決まったのか?
それぞれのプレイヤーと1時間の個人面談を確保していたし、これらの決断に至るまでチーム全体の話し合いも行った。
– 彼にチームの権限を完全に渡してからたった数週間で解任したことについて7。
Kyky解任についてはすべての選手とスタッフに相談した上での決断。決定は包括的なものといえる。
– Kykyをアシスタントコーチとして残さずに解任にした判断は?
選手達にはリセットが必要だった。そしてこれはチームディスカッションの後での決定。選手には話し合いの中で、Kykyがアシスタントコーチとしてチームに残る案も提示した。チームとして、我々が向上するために、それは理想的ではないと判断した。
– ダラスの先発やスクリムのラインナップはどうやって決めているのか?
100%コーチ陣と(and/or)選手達が試合前に決定する。ただし、私自身、またはマネージメント側が決定に関わった事例がステージ2第1週で、我々がXQCに先発機会を与えるようヘッドコーチに要請した。
– Kykyコーチが持っていなかったとされる権限とは具体的にどんなものか?
まず最初に明らかにしておきたい。Kyle(Kyky)は最初からチームのほとんどのことについて権限を有していた。私が一度だけそれに干渉したのが件のステージ2第1週のグラディエーターズ戦で、私はFelixが出場することを望んでいた。その週の結果は2戦全勝だったが、これは明らかに正しい判断ではなかった。なぜならKyleにコーチとしての権限に疑問を抱かせてしまったからだ。選手移籍に関してはKyleもしくはGMのMat Taylorへの十分な相談なしに決定したことはない。既に述べたように、今後はこれらの意思決定に選手達もより関与するようにすべきであり、それは既に是正されている。
– Seagull(the Bird)の出場機会について。
Seagullの出場機会についてはコーチ側の判断であり、私もオーガナイゼーションもそれらの決定には干渉していない。我々もBrandonが起用されることを心から望んでいるし、今後そうなるであろうと信じている8。
– OGEとMickieのタンクラインで定着しつつある中で今後のSeagullのポジションは?
それはコーチ陣とチーム次第。しかし、The Birdの姿をより多く見ることになるのは間違いないと考えている9。
– Coccoの現状について。
Coccoはいまでも我々ロスターの一員であり、オーガナイゼーションも彼を愛している。シーズンがはじまる前に、我々全員がCoccoのウィンストンは改善が必要であろうことを理解していた10。XQCとサインしたのもそのギャップを埋めるため。Coccoの代わりにTaimouをメインタンクに起用した決定に私は一切関与していない。純粋にコーチによる判断。Coccoが我々のもとに残るのか他のチームに移るのかに関わらず、彼の将来のために何がベストなのかを見つけるために我々も取り組んでいる。申し訳ないが現時点でこれ以上のことは話せない。
– OGEのブースト行為について。
契約前にOGEがブースト行為に関わっていたことはまったく知らなかった。リーグが承認に際してスタンダードな調査を完了したが、彼の過去についてはよほど詳細な知識を持たない限り知る方法はない11。事情が発覚した時、OGEは疑惑についてとても率直であり、リーグも我々も彼を処罰した。彼は素晴らしい人間で間違いを犯したが、我々としてはその過ちは許すことができるものであり、ファンもそうであることを望んでいる12。今はEffectもOGEも真のチームメイトであると我々は考えている。
– Chipsの現状ついて。
彼がプレーしないのは純粋にチーム/コーチによる判断。しかし、現在はChipsは以前よりもスクリメージに参加しているものと理解している。
– 新ヘッドコーチとして噂されるCuddles(元ヴァリアントヘッドコーチ、英国人)について。
これを書いている時点で、彼と直接的なコンタクトはないし、我々のもとで働いているという事実もない。しかし、新たなコーチを加えることは我々も考えている13。
– 今のラインナップで問題があると考えていることは?
私は常にメインタンクロール、そしてそのポジションにおけるシナジーがチームにとって一番の問題と考えている。しかし、今我々は確実に正しい道を歩んでいる。
– 韓国人選手への英語のレッスンはフォーマルなものか、カジュアルでボランティアなものなのか?また、他の選手が韓国語を習得するための機会はあったりするのか?
最近、非常に評価の高い韓国人選手へのレッスン経験も豊富な英語教師を雇っている。EnVyUsのメンバーは8ヶ月間韓国のAPEXを戦ってきた経験があり、限定的ではあるものの韓国語の能力もあるが、それでは十分でなかったのかもしれない。ゲーム内のコミュニケーション手段としては英語を使うようにしている。
– ロサンゼルス滞在にチームハウスではなく、個々がアパートメントに住むようにした理由は?個人的にチームハウスのほうがチームケミストリーの向上という点で望ましいと考えるが。
我々は北米で、もしかすると全世界で最初に選手に対してチームハウスを提供したオーバーウォッチのオーガナイゼーションであるが、チームハウスはチームの短期的なケミストリーを構築するのに有効ではあっても、長期的には個々にプライバシーのあるアパートメントを提供することがベストであると判断した。
– XQCがOGEの契約はトライアウトなしで決まったとコメントしていたことについて。
シーズン途中の選手補強では現ロスターとプレーするトライアウトを実施していなかったが、現メンバーが新戦力についてどういった見解を持つかについては熟慮した。今回のようなケースでは新戦力のためにもっとトライアウトの期間を用意すべきだったが、今後も可能であればそうしたい。繰り返すが、今後は選手獲得に際して所属選手全員がより意見することができるようになるだろう。
– 以前のTeam NVの面影は消え、XQCも去り、Custaも去った。Seagullには出場機会がない。プレーオフの望みも失ったファンはなにを希望にすればよいのか?
Team Envyの面影(resemblance)がなくなったということについては同意しかねる。そしてSeagullの出場機会は増えるだろと考えているが、それはチームとコーチングスタッフ次第だ。今我々が考えていることはシーズンを力強く終えて、ファンベースとの繋がりを強固にしていくこと。これを達成するために我々は倦まず弛まずに取り組んでいく。
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その後、ダラスのマネージメントについてXQCは以下のようにコメントしてます14。
申し訳ないが、マネージメントの言ってることはまったくのナンセンス。実に嘘くさい。
僕は基本的に過去の選手たちの成功が彼らの向上を妨げたと考えている。Kykyはあまり教えたがるタイプではなかったし、指導するにしても威張るようなタイプではなかった。チームの歴史とファミリー的な要素が彼らを停滞させたんだと僕は見ている。多くの批判が蔑ろにされ、彼らは自己防衛的だった。
脚注:
- Call of Dutyの元プロで2011年までEnVyUsの所属選手としてもプレー。
- “It was a necessity to remove Rascal from the team.”
- “but certainly not a situation where no communication was happening because translation was available to him.”
- Fissureはゲーム内でのコミュニケーションでバイリンガルのBischuがとても大きな存在であるとコメントしていた模様。
- “That was a tough spot to be in for Rascal, but that is not what led to his release.”
- “we are helping him transition off of our team and I think he would tell you that we are being helpful.”
- 以前はKykyがチームをコントロールするために完全な権限がなかったことをオーナーも認めています。具体的にはどういったものかは明らかにされていませんでしたが、おそらくは他のプロスポーツ同様にロスター補強に関する裁量が制限されていたり、選手起用に関することではないかと思われます(あくまでも個人の感想)。この点に関しては後の質問でオーナーがコメントしています。
- “We absolutely want to see Brandon in the lineup more and believe that will be the case moving forward.”
- “I think it is safe to say that you will see a lot more of The Bird.”
- “we all knew that Cocco still had some work to do on his Winston play”
- “There was just no way for anyone to know he had done that without some really detailed knowledge. “
- ” He is really a great person who made a mistake that we find to be forgiveable and hope the fans do too. “
- Kyky解任時のチーム発表では間もなく新ヘッドコーチを発表するとのことでした。
- MonteとThorinがホストを務めるOversight配信中のチャットにて。