本日、オーバーウォッチ2のPVEモード開発中止を報じた「Bloomberg」のJason Shreier記者ですが、OW2に本格的PVEモードが実装されることになった経緯について、以下のようにコメントしています。
Overwatch director Jeff Kaplan wanted to make a sequel centered on PvE. He spent several years helming it, then left Blizzard in 2021. A new leadership group took over and for various reasons they pivoted back to PvP. Would have been way too late at that point to nix the sequel
— Jason Schreier (@jasonschreier) March 22, 2024
前任ゲームディレクターのジェフ・カプラン氏はPVE中心の続編を作りたがっていた。彼は数年間その制作指揮を執り、2021年にBlizzardを去った。新しいリーダーシップのグループがそれを引き継いだが、さまざまな理由からPVPに軸足を戻した。その時点で続編を中止するのは遅すぎたのだろう。
この件については、ジェフ退社後に当ブログで取り上げたことがありますが、PVE開発だけで400人規模の人員が必要になるなど、PVE構想が広がりすぎたため、開発期間が大幅に延びたことがジェフ退社の主な理由と見られています。
元々オーバーウォッチは、MMO型FPSとして開発されながら開発中止を余儀なくされた「Project Titan」が原型となっており、同ディレクターは初代OWの成功を受けて、最終的にはMMO版オーバーウォッチの実現を目指していたと言われています。
巷ではActivision Blizzard上層部が現場の声を無視してPVEモードの実装を推し進めたとの見方もありますが、PVEやシナリオに特化したモードの開発を誰よりも強く望んでいたのが、「World of Warcraft」開発出身のジェフ・カプラン氏でした。
OW2発表時には本格的なPVEモードの実装が大々的に発表されていましたが、Blizzard内でPVP回帰の方針へと舵を切り直した時には、既にOW2リリースを取りやめるには遅すぎたということでしょう。
Something like that can never really be attributed to a single person – it’s the result of many, many meetings and slideshows and Excel spreadsheets. In fact, Blizzard strongly considered making the first game f2p as well
— Jason Schreier (@jasonschreier) March 22, 2024
続けてShreier記者は、「基本無料化の決定は社内で様々な議論を尽くした末の結果であり、ジェフや上層部含めた誰かの独断ではない」としています。実際にBlizzardは初代OWを基本無料化することを強く検討していたそうです。
PVE開発縮小後もリリースが予定されていたPVEミッションではありますが、既にミッション全体の開発自体はある程度完了しているとの情報もあり、残されたミッションもリリースされる可能性がまったくないわけではないと思います。
Blizzardは当初、約1年半ごとに3つのキャンペーンをリリースする予定だったそうで、少なくともあと2つ分のキャンペーンがお蔵入りになったことになります。
これらのPVEミッションとは別に、イベントモードのような小規模なPVEモードも、今後リリースされる可能性は残されています。