-MMR(Matchmaking Rating=内部レート)がどのように算出されているのかについて。また、グループサイズが偏ったり「勝機のない」試合に度々マッチングされることがある件について。
※ユーザーが自身のランクマッチでのサンプルデータを提出。
:実証にもとづいたポストをしてくれてありがとう。MMRがどうなっているのかいくつか説明してみようと思う。
システムは実際に可能な限りグループサイズの等しいチームがマッチングされるよう試みている。君の2試合目のリポートでは野良6人と、2組の3人グループ が対戦するという状況になっているが、これは我々が設定したルールにそぐわない現象であるように見えるから後で調査してみようと思う。
我々にはプレイヤーが「勝てそうもない」試合にマッチングされないように努力する必要がある。マッチメイクする際には両チームの勝つ確率をそれぞれ割り出している。大部分の試合が50%付近になるようマッチングされているが(特にレートが中央値のプレイヤーでグループを組んでいない時)、明らかにこれにそぐわないマッチログも確認しているのでこの点には注目している。
残念ながら、拮抗したパーフェクトな試合が常に組まれるわけではないのも事実であり、特に非常に高いスキルレート(もしくは非常に低いレート)では同レベルのスキルを有するプレイヤーの数が少ないためこういったことが起こり得る。そして、勝算を判定した後でレイテンシーの低いプレイヤーで構成された同じグループサイズの対戦相手と優先的にマッチすることになる。これらの全ての判定を可能な限り早く行うが、午前3時といった人口の少ないオフピーク帯ではこういったことが難しいときもある。我々は待ち時間に関連した異なる調整を試したが、不幸にもそれらの改善は待ち時間が伸びるという地味な結果になった。今でも我々はこの問題を改善しようと考えている。
ありがたいことに、50/50の互角な試合にマッチングすることができなくても、スキルレートの獲得ないし喪失でこのギャップを調整している。仮に君のチームが勝算20%だとしたら、負けてもレートの喪失はより少なくなるはずだ。
グループのマッチングについてだが、我々は別々の2つの問題を解決しようと試みている。まず最初の問題は「MMRの異なるプレイヤーで形成されたグループをどう扱うべきか?」。シーズン2ではレートの差が大きいプレイヤー同士ではグループを組めないようにしたが、それでもいくつか対処しなくてはならない差異がグループ内には生じている。我々は時間をかけて、ベストな方法を探るために異なるモデルをテストしている。そして今、内部では最も正確と思われるモデルでテストを行っている(ヒント:単にMMRを平均化しただけのモデルではない)。
もうひとつの問題はグループを組んでいるプレイヤーのシナジー効果をどのように評価するかにある。君が言うように、グループであればボイスチャットを使うことができるが、その場合、物事はより興味深いものとなる。この「大きな」アドバンテージは実際にはグループメンバーのスキルレートによって影響度が違ってくる。例えば、我々のデータによると、低中レートのプレイヤーはボイスチャットによる恩恵は勝率にそれほど影響を与えていないことが分る。高レートでは目に見えて勝率への影響が見られるが、君が思っているほど大きな差があるというわけではない。とはいえ、両チームの勝算を割り出す際には、その効果も考慮に入れている。こういったデータが示すものに関わらず、グループには情報を共有できる大きなアドバンテージがあることは理解している。同じグループサイズ同士でマッチングするようにしたのは、こういったことが理由のひとつでもある。
勝敗で得られる/失うポイントが何故ランダムに見えるのか?この点については、試合後のMMR(とSR)の変動は単に勝った負けたという結果や、試合前の勝算だけに基づいているわけではない。他にも二三の考慮すべき要素がある。プレイヤーのMMRをシステムがどれだけ信頼しているか、正確なMMRを得るにはもっと試合をこなす必要があるのかといった要素もその一つになる。プレイ時間が少なければ正確なMMRを得ることはできない。極端な連勝や連敗が続いているときも正確なMMRを得ることはできない。プレイヤーのMMRに適正なマッチメイキングが行われていれば、それだけ勝敗に伴う試合後のレートの変動は少なくなる。
影響の少ない要素として、我々はプレイヤーがヒーローをどれだく上手くプレイしてるかも評価している。これは全プレイヤーが過去にそのヒーローをプレーした際の履歴データと比較することで割り出している(メダルや単純な与ダメージではない)。そして、このシステムにはコミュニティのフィードバックを参考に多くの手間をかけている。一部の人々は我々がこういったことはもう行っていないと考えているようだが、今でも行っている。個人パフォーマンスの評価は勝敗に比べると些細な要素ではあるが(レートを上げるベストな方法はチームの一員としてプレーし、チームの勝利の貢献することに変わりはない)、個人パフォーマンスを考慮することは、より早く正確なスキルレートを見つけ出すことに役立っている。
こういった要素を全て考慮しているために、試合後のレートの変動に「ノイズ」が混ざったように見えることがあるが、フェアなマッチを組むベストな方法を得るために、多くの異なる要素を考慮する必要がある。
余談ではあるが、
「フェア」なマッチとは、イリオスが常にキャプチャポイントが拮抗してゲームが3-2で終わるような試合を意味しているわけではない。ドラドで両チームが常に最終ポイントまで進むような試合を意味しているわけでもない。時として互角であるはずのチームの戦いがワンサイドになることもあるが、それは片方のチームがよりよいプレーをしたという結果にすぎない。相手チームに蹂躙されてもそれは必ずしもマッチメイキングに、君のプレーに、そして味方チームのプレーに責任があるというわけではない。
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勝敗で得られる/失うポイントが何故ランダムに見えるのか?この点については、試合後のMMR(SR)の変動は単に勝った負けたという結果や、試合前の勝算だけに基づいているわけではない。他にも二三の考慮すべき要素がある。プレイヤーのMMRをシステムがどれだけ信頼しているか、正確なMMRを得るにはもっと試合をこなす必要があるのかといった要素もその一つになる。プレイ時間が少なければ正確なMMRを得ることはできない。極端な連勝や連敗が続いているときも正確なMMRを得ることはできない。プレイヤーのMMRに適正なマッチメイキングが行われていれば、それだけ勝敗に伴う試合後のレートの変動は少なくなる。
-これはつまり時間が経てば経つほどレートが上げにくい、もしくは下がりにくくなるということか?
:長期的に見ればそうとは言えない。覚えておくべきことは、MMRの不確定要素が減れば、試合に負けた時のレート喪失も多くはならないということ。
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-連勝/連敗がレートに影響を与えるのはむしろレートを正確に測る上での障害になるのではないか、という指摘について。
:ローンチ以降、連勝/連敗をより考慮する調整をしたことで、連勝/連敗後のレートの変動が大きくなった。この調整はとても扱いにくいものだったし、我々としても勝ち負けによりレートが大幅に変動するのは好ましくないと思っていた。しかし、プレイヤーのMMRが適正でないとしたらそれをできるだけ早く適正なMMRにすることで、相応しい対戦相手とプレーすることができるような調整にしたかった。
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-相手の6人グループの話ではこのマッチングに6分かかったそうだ。平均的な試合時間が15~20分であることを考えると、もう少しマッチングに時間をかけてもよいと思う。こんな試合は双方にとっても時間の無駄だよ。
:それは我々も改善したいと思っていたところだ。問題なのは6分にしろ30分にしろ、それだけ待っても6人グループではフェアなマッチを組めないかもしれないという点にある。フェアなマッチのためなら時間がかかっても止む得ないとするプレイヤーもいるが、忍耐にも限界がある。6人グループであっても負けることはあるわけだが、我々としてはキューを入れて待つことよりもプレーしてもらうことを重視しすぎていたように思う。