OWCS公式サイトが更新され、今月末に開幕する『Midseason Championship|Esports World Cup』観戦ガイドが公開されました。

このガイドでは視聴報酬なども明らかにされていましたが、そちらは別記事で扱っているので、ここでは出場チームの紹介記事を取り上げています。

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アジア地域では、ハイレベルで接戦の多い試合が繰り広げられました。パシフィック地域の王者であった99DIVINEは、ベテラン選手と、ファンに人気のKyle “Rakattack” Raskauskas選手を擁するThe Gatos Guaposに敗れました。日本ではVARRELとREJECTがそれぞれグループを制しましたが、グランドファイナルではVARRELがストレート勝ちを収め、MSCへの出場権を獲得しました。
韓国のステージ2はスピーディーかつ熾烈な戦いとなりました。Ham “SOMEONE” Jeong-wan選手やChoi “MER1T” Tae-min選手を加入させたにもかかわらず、世界王者のTeam Falconsはトップ4入りを逃し、Crazy Raccoonに敗れて地域のLCQでも姿を消しました(※実際にはプレーオフ)。
韓国のMSC出場枠を獲得したのはT1とAll Gamers Globalで、Crazy RaccoonもChampions Clashを経て出場を決めました(※OWCS KRステージ2も制覇)。一方、Team FalconsやZETA DIVISIONなどの強豪チームは、来週行われるMSC Last Chance Qualifierで最後の出場枠を懸けて戦うことになります。
中国では、Champions Clash出場経験を持つWeibo GamingとTeam CCがレギュラーシーズンを順調に勝ち上がりましたが、6月27日からのプレイオフで波乱が起きました。ROC Esportsが初戦でTeam CCを下し、Team CCはローワーブラケットに回ることになりました。しかし、Team CCはそこから巻き返し、ローワーファイナルでROCにリベンジを果たしました。最終的には、圧倒的な強さを見せたWBGの前に敗れましたが、これら3チームは、長年培ったスキルと、白熱したステージ2を経て、Midseason Championshipに臨むことになります。
出場チーム
世界各地域から16チームがMidseason Championshipへの切符を手にしており、それぞれが優勝を目指しています。ここから各チームを簡単にご紹介します。
北米
Geekay Esports
GeekayはZeruhh選手を除き、同じコアメンバーで再集結しました。Zeruhh選手はステージ前にTeam Liquidへ移籍しましたが、それでもGeekayはレギュラーシーズンを7勝0敗で終え、グランドファイナルでは7マップに及ぶ死闘を制し、オアシスでの延長戦で北米王者の座を勝ち取りました。
Team Liquid
前ステージでは惜しくも世界大会出場を逃しましたが、伝統あるTLのロスターは今回はMidseason Championshipへの切符を掴む決意を見せました。これまでのポストシーズンでの敗北はGeekayのみに限られており、この経験豊富なロスターがさらに上を目指すことは間違いありません。MSCでもその勢いを維持できるかが注目されます。
NTMR
NTMRは諦めを知らないオーガナイゼーションです。GeekayがNTMRの前ロスターを獲得した際、今のメンバーはステージ1で5位だったRad Esportsのロスターでしたが、わずか数週間でトップ3の強豪へと成長しました。ポストシーズンではSpacestationを下して3位に入り、北米最後のMSC出場枠を手にしました。
EMEA
Al Qadsiah
ステージ1ではVirtus.proの後塵を拝しましたが、ステージ2ではEMEA最強クラスのチーム相手に圧倒的な実力を見せつけました。EMEAのステージ2グランドファイナルではTwisted Mindsに接戦を挑まれましたが、それ以外のチームに対しては群を抜いた強さを誇り、ポストシーズンへ突入しました。
Twisted Minds
EMEAで屈指の歴史を誇るTwisted Mindsは、ステージ1とステージ2の間に大きく成長し、メタの追い風を受けて6勝1敗という好成績を収めました。プレイオフを順調に勝ち進んでいましたが、Al Qadsiahに敗れ、ローワーブラケットへ落ちた後、グランドファイナル進出は叶いませんでした。それでも、最後まで勝負を諦めない姿勢と接戦を制する力を持つ、要注目のチームです。
Virtus.pro
ステージ1EMEA王座もステージ2では王座から陥落し、同地域3位としてMSCに臨みます。ステージ1のメンバーはそのままに、2人目のタンクにJonas “Eisgnorm” Stratemeyer選手を迎え、戦略の幅が広がりました。Champions Clashでは王者Crazy Raccoon相手にマップを奪取した経験を活かして、アジアの強豪相手にも果敢な戦いぶりが期待できる実力派揃いのチームです。
アジア
Crazy Raccoon
ステージ1を制したCrazy RaccoonはMidseason Championshipへの自動出場権を獲得していましたが、ステージ2でもその実力を存分に見せつけました。再び圧倒的な強さを取り戻したかに見える彼らに、世界中のファンの期待が集まっており、Midseason Championshipで最も強力なチームと目されています。
T1
韓国の二大巨塔が思わぬ脆さを見せる中、その隙を見事に突き、Midseason Championship出場を決めました。地域のグランドファイナルではCrazy Raccoonを打ち倒すには至りませんでしたが、再びトロフィーを狙いに戻ってきました。
All Gamers Global
元WAYのAll Gamers Globalは、ステージ2で華々しいデビューを飾り、印象的なパフォーマンスを見せました。フレイヤの登場と最近のメタの変化がチームの強みにマッチしており、国際舞台でどこまで勝ち上がれるかが注目されます。
VARREL
日本王者のVARRELは、ステージ2を無敗で駆け抜け、グランドファイナルも4-0で制してMidseasonへの切符を手にしました。ワールドカップ経験者に加え、韓国から新たに加入したTopdragon選手とSley選手を擁し、過去最高とも言える戦力を揃えています。2025年、世界の舞台でどこまで通用するのかが大きな注目ポイントです。
The Gatos Guapos
オーストラリアを代表する経験豊富な選手たちで構成されたTGGには、アメリカ出身のRakattack選手も加わり、彼独自のメインサポートスタイルを披露しています。長らく99DIVINEが支配していた地域で勝利を収めたTGGが、国際舞台でどこまで戦えるのか注目です。
中国
Weibo Gaming
かつて「Once Again」としてChampions Clashを戦ったWeibo Gamingは、中国最強の座を維持し続けています。Xu “Guxue” Qiulin選手、Zheng “shy” Yangjie選手、Huang “Leave” Xin選手といった名だたるベテランが揃い、前回の母国開催で4位に終わった悔しさを胸に、MSCでさらなる飛躍を目指しています。
Team CC
中国2位シードのTeam CCは、Champions Clashでの苦い敗退を乗り越え、ステージ2では力強い戦いを見せました。ローワーブラケットから這い上がり、ROC Esportsに競り勝ってMidseason出場を決めました。
ROC Esports
WBGやTeam CCと同様、ROC Esportsも有名選手を多数抱えるチームです。DPSにはLu “Diya” Weida選手、Yi “JinMu” Hu選手、さらに長年コンビを組むHe “Molly” Chengzhi選手とChen “Lengsa” Jingyi選手のサポート陣が控えています。前回ステージでは3位でChampions Clashには届きませんでしたが、今回のステージ2での3位はMidseason出場には十分な成績でした。Team CCとのローワーブラケット再戦で敗れた悔しさを胸に、リヤドでの活躍を誓っています。
南米/LCQ
南米については、Zokorp Esportsが既に出場を決めており、ここに掲載されていないのは締切の都合上かと思いますが、一部で大会ルール違反などが取りざたされています(関連記事)。
来週からはじまるLCQについては、Team FalconsとZETA DIVISIONの争いと予想されていますが、地元サウジの地の利を活かしたTeam Visionには、元ZETAのViol2tや実力者Choisehwanらが所属しており、FLCとZETAにとっては決して侮れない相手といえるでしょう。
追記:
本戦およびLCQのマッププールも公開されていますが、これをツィートした公式ポストが現在は削除されているため、内容に誤りなどがあるかもしれません。
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公式ページによると、MSCの日本語ライブ配信は蒼汁、おやつ、Gappo3、Hoshimi氏ら不動のメンバーによるキャスティングも決まっています。
また、FACEIT Watchでも大会配信が予定されており、最大4人の選手の個人視点やメイン配信を同時に視聴することも可能です。ただし、こちらは英語実況のみで、おそらくTwitch Dropsなども反映されないと思うので注意してください。
尚、年内のリリースが予定されている、OWCSパートナーチーム2のテーマスキンなども、このMidseason Championshipで公開予定となっているので、大会期間中にスキンのデザインも公開されるのではないかと思います。