EnVyUs Taimou選手インタビュー

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APEX Seson 3で準決勝進出を決めたEnVyUs所属Timo “Taimou” Kettunen選手のインタビューです(Inven)。

インタビューの内容は長めですが、これまでのAPEXでの戦いぶり、新戦力の加入、プロシーンでも問題視されている現行のスキルレートシステム、そして先日のTwitter上でのバーンアウト宣言などインタビューの内容は多岐に渡り、とても興味深い内容となっています。

– 準決勝進出おめでとう気分はどう?

: よい気分だよ。シーズン2は失敗ではなかったし、むしろシーズン3でよいプレーをするための警鐘だった。シーズン3には自信を持って臨んだ。X6に負けたけど、あの時はチーム内で衝突があった。だからあの時はベストな精神状態ではなかったけど、今はもうその問題は克服できた。僕達はトップコンテンダーであると感じているし、実際にシーズン3を勝ち取ることも可能だと考えている。

– X6ゲームに負けた後でベンジを果たすわけだけど、この2つの試合の違いは何だったの?

: 最初のゲームはチーム内に問題があった詳しくは話せないけどね。よくないメンタリティがチームに漂っていた。まさに雰囲気は最悪だったね。次の試合の前にコーチのKyKyがワールドカップ米国代表発表会のために一旦帰国した。その時に休暇をはさんだことがチームにとってはよかった。休暇の後X6戦前に1日だけ練習する機会があったけど、休暇の効果がよい形で現れていたよ。僕らは休息を必要としていたんだ。チームはよりリラックスしてコミュニケーションも改善された。チームでは団結することがとても重要だからね。メンバー全員が平等で同じ意見を共有しなくちゃいけない。もうチーム内に意見の相違は存在しえないよ。衝突の一因をひとつあげると、メンバーがお互いを信頼することができなかったということだね。

– 負けた試合ではリーパーをスイッチせずに使い続けていたけど何か理由はあるの?

: リーパーのコンポジション(+ソンブラ)をしばらく練習していたんだけど、それがスクリムでとても効果的だったんだ。しかし、ある時からどのチームを相手にしても上手く機能しなくなった。あの試合で実際僕はリーパーを変えたかったんだけど、チームに「気にするなリーパーを続けよう」と言われたからリーパーでプレーし続けたというわけさ。X6戦のハリウッドではエレベーターにテレポートした時アナに見事に眠らされたよ。チームメイトにはアナをマークするように言ったんだけど反応がなかった。あの試合では全てが機能していなかった。あの日はもっとよいコミュニケーションが取れていればこのコンプはもっとうまく機能していたと思う。たとえリーパーが最適なピックではなかったとしてもね。

– 準決勝からはBo5がBo7になるけどなにか特別な対策は準備している?

: 僕らはBo7に慣れている。これまでにたくさんのゲームをこなしてきたからスタミナ面は問題にならない。最大の問題はアヌビスやハナムラといった2CPマップを重点的に練習していないからBo7に備えてそういったマップも練習する必要が出て来る。このマップでのゲームは厳しい戦いになるだろう。僕らがこのマップで負ける可能性はかなり高いと思う。でも実際にはハナムラも得意だし、問題となるのはアヌビスだね。アヌビスは本当に苦手だからもっと練習する必要がある。

– 火曜日の試合で準決勝にコマを進めるのはどちらのチームだと思う?

: できればLunatic-HaiがLW Blueに勝って準決勝まで来て欲しいと思っている(このインタビューはLH vs LWB戦より前に収録)。KDP、AFB、LH、LWBのトップ4チームの中でLW Blueだけが他のどのチームともスタイルが異なっている。KDPやAFBのようなチームのコンプは僕らはどう対処すべきか心得ているけど、LW Blueだけは他のどの韓国チームとも違うからやりずらい。彼らはFlow3rのような並外れたDPSにかなり依存している。そしてメンバーをPineに変更することでコンプや戦術の引き出しを広げることもできる。Lunatic-HaiよりもLW Blueのほうが僕らにとっては脅威だね。できることならLW Blueは避けたい相手だ。

– EnVyUsはMickieとEFFECTが加わってよいパフォーマンスを見せている。彼らはチームにどんな影響をもたらしている?

: 彼ら二人を除くと他のメンバーはずいぶんと長い間一緒にプレーしてきたし、既に確立された戦術もある。新たなプレイヤーがチームに加わったとき、僕らはチームとして何をすべきかを伝えるだけだから新たなプレイヤーをチームにブレンドして順応させるのもやりやすくなる。EFEECTは英語を話すことはほとんどないから、チームのことを理解するのは大変だった。だから、僕らは彼が理解しやすいように「これをやって、あれをやって、その後で自分のやりたいことをやるんだ」とシンプルに伝えた。新メンバーには僕らのプレースタイルを伝えることでチームを理解しやすくしている。勿論それを実行するだけのメカニカルスキルがあることが前提だけどね。

– シーズン3当初は自信に満ちていたのに、シーズン経過とともにプレーが受け身になっていった。最近になってまた以前のような調子を取り戻しつつあるけど何があったのかな?

: 当時はこれといった戦術がなかった。勝った試合はほとんどが個人のメカニカルスキルで勝ったようなものさ。純粋にスキルで相手に勝っていただけなんだ。正しい戦術を持っていなかったから、無意識のうちに相手のプレーに反応するような受け身のプレーになってしまった。だけど、コーチとしてやってきたKykyが戦術的な作戦を練るようになり、僕らは彼をリスペクトしているから彼の戦術を採用していくことになった。純粋に個人スキルを中心としたチームから戦術中心のチームに変わるためのプロセスに取り組みはじめた。僕らはその過程で不安定になったけど、今は新しいプレースタイルに順応している。

– 最近の君のツィートを見てファンは君が引退するのではないかと心配していたけど、あれから状態はよくなってる?

: 今のところはよくなっていると思うよ。エクササイズも再開したし、健康的な食事も摂り始めた。先はまだ長いけどね。APEXが終わったらしばらくロングブレークを取るつもりだよ。今はまだContendersのSeason 1に参加したいのかもよくわからない。この1年半の間はバケーションもとらずにずっとプレーしてばかりだったから。そして今のメタだ…僕はトリプルタンクやそれ以降の全てのメタが嫌いだよ。トリプルタンクの時はメカニカルスキルは重要視されなかった。思うに以前のゲームは自分のUltをどうやってマネージメントするかにかかっていたから今よりも楽しみがあった。ところが今はチームのサポートがどれだけUltを使えるかにかかっている。そして誰もが「アナ!アナ!アナ!」とか「ゼニヤッタ、ゼニヤッタ!」と叫んで彼らにフォーカスを合わせていく。すべてがサポート次第なんだ。ほんとうに退屈なプレーだよ。僕が気に入っているメタはまだゲームがベータ当時とリリースされた直後のメタだ。ラインハルトとザリヤが強力だったね。あのころはミスをしてもすぐに死ぬことはなかったし、相手より勝ることで状況を好転できた。しかし、今はワンミスが即、死につながる。例えばマクリーならあの頃は多くの状況で相手を圧倒することができたが、今はどこからともなく現れたDVAが目の前で右クリックを押すだけで、こっちは何もできなくなる。

– 実際ファンは君のツィートを見てとても心配しているよ。彼らに何か伝えたいことは?

: 僕はゲームが楽しめなかっただけではなくて、プライベートな問題から眠りにつくためにアルコールに頼っていた。でも今は多くの人が僕のことを心配してくれていることに気づいて前よりもよく眠れるようになった。ほんとに感謝しているよ。ファンがサポートしてくれるのは本当に素晴らしいことだと思う。家族も助けになってくれたし、この業界に長年関わっている人たちからもアドバイスをもらった。そして韓国のファンからもたくさんのメッセージをもらった。送ってもらったメッセージの半分に返事を書くことさえできないくらいたくさんね。僕に向けられたサポートには本当に感謝している。プレイヤーとして常に自分の助けになってくれる友人やスタッフがいるということを知るのはとても重要なことだと思う。例えその問題が些細なことであっても自分で問題を抱え込まないことだ。いずれそれが膨れ上がって大きな問題になるからね。あと話しがそれてしまうけど、規則正しく生活することがいかに重要か話しておきたい。決められた時間に起きて、定められた時間を働くこと。適切なスケジュールに沿った生活をすることで僕はとてもハッピーになれたよ。

– 最近のEFFECTとのインタビューで君たちがPlayerUnknown’s Battlegroundsをよくプレーしていることを知った。そういったゲームをプレーすることでストレス解消やメンタルのコントロールに役立つのかな?

: 退屈するのは人間の性だからひたすら同じゲームをプレーしていれば飽きるのは避けられない。少しこのゲームから離れて他の何かをプレーすることは全てのチームにとってよいことに繋がると思う。PUBGや他のゲームをプレーするのは楽しいし、リラックスするのに役立つ。僕はなんでも飽きやすい性格だからね。例えばオーバーウォッチに飽きてプレーする気がしない時にPUBGを一日中遊んでみたとしよう。そしたら次の日には「よし、オーバーウォッチはやっぱり楽しい」とまたプレーする意欲が湧いてくる。最近ファンはLunatic-HaiのメンバーがPUBGをプレーして、練習していないことで非難していたけど、僕らも皆と同じゲーマーであることに気づくべきだよ。誰しもいつかはそのゲームに飽き始めるときはくるわけだから。個人的なことを言わせてもらえば、今の僕はゲームとしてオーバーウォッチを心から楽しんでいるわけではない。今はコンペティションや競技として捉えてプレーしている。誰よりも優れた存在になりたいし、新たなコンペティションが待ち遠しい。それが今の僕を駆り立てる要因だね。

– 韓国のファンは半ば冗談でMickieは君のストレスを取り除き、精神状態や気分を安定させるためにチームに存在していると話しているけど、実際はどうなの?

: みんなは僕がステージで怒ったりティルトしてると思っているようだけど、僕の怒りはすべて自分のパフォーマンスと僕自身に向けられている。ステージ上でチームメイトに対して怒りをぶつけるようなことは決してしない。それがプロのプレイヤーとしてあるべき姿だと思っている。勿論Mickieは素晴らしい友人だ。チームに素晴らしいものをもたらしてくれた。彼はとてもユーモラスでチームの皆を笑わせてくれる。彼がうれしそうに喋ってるだけでもこっちは笑ってしまうんだよ。彼がいるとチームの雰囲気が明るくなる。彼といるとなんでも楽しく思えてしまう。

– 新しいマップとパッチが配信されたけど、チームに何か影響はあるだろうか?新たなパッチは君たちにとって有利になるかそれとも不利になるかな?

: まだ新しいパッチではそれほどプレーしていないから確かなことは分からないな。次のKDP戦も新バージョンのパッチでプレーすることになるのかもまだよく分からないんだ。でも新パッチでプレーすることになったとしてもなんの問題もないよ。マクリーはバフされてリーパーもバフされた。ロードホッグはナーフだね。ロードホッグのナーフはKDPと僕らにとってはマイナスかもしれない。なにせBirdringはロードホッグが得意だし、僕は僕自身と彼が世界でベストなロードホッグだと評価しているからね。だからロードホッグを出す必要に迫られたらホッグのナーフは不利に働くだろう。マクリーのバフは個人的に恩恵がとても大きいよ。リーパーについては僕らが彼を使うことになるかはまだ分からないな。僕らは意表を突く戦術を編み出すのが得意だからそういった面でも何か恩恵を得られるんじゃないかと考えている。

– 君はマクリーやウィドウメイカーといったヒットスキャンのスペシャリストだけど、何か隠れたテクニックでもあるの?

僕は以前から話していたけど、オーバーウォッチはエイムよりもむしろ、相手の攻撃を避けるゲームだと考えている。Counter-Strikeではキャラクターは走る時、現実の人間のように徐々に加速していく。オーバーウォッチでは常に走りだしたと同時にフルスピードに達するから、ショットを簡単に避けることができる反面、動いている相手にショットを当てるのはとても難しい。オーバーウォッチでショットが命中した時は、それが素晴らしいショットであったからではなく、むしろ相手が避け損ねた結果だと捉えるべきだね。

– 最近のメタではソンブラがとてもよく使われている。ソンブラはどの程度君のゲームスタイルに影響を及ぼしている?ファンは君がソンブラを嫌々プレーしていると考えているようだけど。

: チーム以外でソンブラをプレーすることはないよ。だから彼女に慣れるためには多くの時間が必要だ。だけど、チームにプラスになる限り新しいヒーローをプレーすることは自体は何も問題はない。なによりチームが優先だ。ゲンジでプレーするのはあまり好きじゃないけど、チームが必要とあればそのためにゲンジのプレーを学ぶ用意がある。常にチーム第一だよ。

– NAサーバーではシンメトラがよく見られるそうだけど、なぜ人気があるのだろう?プロ選手として彼女をどう評価している?

今の状況は明らかにシンメトラ向きではないね。DVAとウィンストンは簡単に彼女のタレットを破壊できるから。シンメトラがNAで多いのはマーシーと同様に特定のスタッツを伸ばすことでスキルレートの上昇を促すことができるからだと思う。僕の意見では今のレートシステムはとても欠陥のあるシステムだと思うよ。僕がマーシーをプレーしているとしよう。コンスタントに5人蘇生を繰り返していれば、無理して勝つ必要さえなくなってくる。レートを伸ばすプレーさえしていれば敗戦による影響を最小限に留めることができる。ラダーのトップ100を見てご覧よ。勝率45%以下のマーシーメインやソンブラメインが複数いるから。こんなことは他のゲームではありえない。ゲームに勝つ必要すらないんだ。彼らは単に高いレートを維持するためだけにプレーしているんだよ。KRサーバーではNAほどレートに注意を払ってはいない。もちろん彼らもレートを気にはする。でもそれ以上に実際にゲームに勝つことに強い執着を持っている。なぜなら彼らは最終的にはプロになることを目指しているから。だからプレーしたくないヒーローであってもチームのためならそのヒーローをプレーする。ブリザードはこのシステムをフィックスすべきだと思うよ。オフ=メタなヒーローをプレーすることでレートが優遇される意味がさっぱりわからないよ。(スタッツ的に)良いプレーか悪いプレーだったかに関わらず負けても勝っても全員のレートの変動量は同じであるべきだ。

– ワールドカップのフィンランド代表に今年も選ばれたけど気分はどう?チームメイトには満足している?

: もちろん。フィンランドの人口は少ないけどこれだけ豊富なタレントが揃っていることを誇りに思うよ。しかし、他のゲームの話しではあるけど、フィンランドは移籍市場で起きたアンプロフェッショナルな出来事が元でプロシーンでの評判を落としてしまった。だけど新世代のプレイヤーはとても成熟している。特にオーバーウォッチシーンではね。

– ワールドカップ出場国で特に注目している国はある?

最大のライバルは韓国、ロシア、フランス。この3つはとてもタフなチームだね。トップ4は狙えると考えているしファイナルまでたどり着きたい。そうなったら決勝の相手は間違いなく韓国になるだろう。強敵だよ。多分彼らは今こうやって僕らが話している間にも練習していると思うよ。

– ImmortalsやCloud9といったNAのチームに韓国人選手が加入しているけど、シーンやメタに影響を与えると考えている?

: まずラダー(ランキング)に関しては韓国のほうがよりシリアスに考えているように思う。一方で欧米ではラダーを戦う時ははるかに自由に気ままにプレーしている。韓国のほうがコンペティティブなメンタリティーを持っているしそれはとてもよいことだと思う。そして、チームに関して言えば、韓国では年上に対して敬意を払わなくてはならない。

NAでは年の差はあまり関係ない。コーチでさえも友人のような存在であるのに対して韓国ではコーチに対して非常に強い敬意を払っている。韓国人がNAのチームに加わることで戦術などの情報が持ち込まれることになる。NAと韓国の戦術がミックスされることでそれはより強力になると思う。それに彼らの存在によってシーンにも競争が生まれる。既にプロになった選手にとってもKR勢が良いプレーをすれば「脅威」に感じるだろう。だから一般的に言えば競争が生まれるのはよいことだと思う。

僕らがはじめて韓国を訪れたときはKR勢が相手でも蹴散らすことができた。しかし、彼らは急速に力を付け我々に追いつき追い越した。韓国選手のNA進出に関しては否定的な意見もあるが、NAに韓国人選手が進出したことで、プレイヤーは仕事失うことになるかもしれないし、自分のポジションが安泰だと考えていたプレイヤーがいたとしたら、これで目を覚まして危機感を持つようになったと思う。だから、これはこれでよいことではないかと思う。

– 君は配信でも韓国人は特にゲンジとトレーサーが優れているとコメントしていたけど理由は何だと思う?

: ロシアのShadowburnは別としても、欧米に比べて韓国勢はゲンジのプレータイムも多く、メカニクスとテクニックを知り尽くしている。トレーサーとゲンジは正しくプレーできれば、その高い機動力故にゲームで最も強力なヒーローになり得る。韓国ではこの2ヒーローをメインで使うプレイヤーがとても多く常に新しいアイデアを見つけ出している。このゲームでは機動力こそ正義だ。エイムもマクリーをプレーする上で役には立つけど、マクリーの背後に突然トレーサーが姿を現したらワンクリップ(ワンマグ)でかたがついてしまう。マクリーに何ができるっていうんだい?とはいえ正直なところ何故その2ヒーローだけ彼らが飛び抜けて上手いのか本当の理由はよくわからないな。要するに、韓国はよりコンペティティブでコンスタントにヒーローの新たなプレイ方法を発見し、新しい戦術を思い付いているということさ。

– NAのContendersの出場権を既に得ているけど、何かチームとして準備していることはある?

: 一度に考えられるトーナメントはひとつだけだよ。今はチーム全員APEXに集中しているし僕らの目に映っているのはAPEXだけだ。仮にContendersのSeason1に僕も参加するとしても、アメリカに戻るまでに2週間だけフリータイムがある(彼らがAPEX決勝まで進んだ場合)。APEXでチームの力を証明するつもりだし、自分がいまでもベストな一人であることを証明したい。Contendersに参加するかはその後で考えることにする。

– シーンでは多くのチームが解散したり引退する選手の話が話題になっている。オーバーウォッチのプロシーンについてはどう感じている?

: 現時点で、オーバーウォッチリーグに参加するためにチームは多くの資金が必要になるから、資金のないチームや新たなチームはリーグから相手にされないんだ。だからチームを運営しリーグに参入するためにスポンサーは欠かせない。そして、このゲームのシーンはまだとても小さい。僕は他のタイトルとくらべても規模が大きいとは思っていない。Counter-Strikeは毎週のように大規模なトーナメントが開催されているし、メジャーとマイナーなトーナメントが混在するほうが、ひとつのメジャーリーグを設立するよりもベターではないかとも考えている。LoLもトーナメントが一年中開催されている。多くのトーナメントが存在することで、チームはそれぞれの事情に合わせて大会をスキップしてその後すぐ開催される別の大会に備えて休息を取ることができる。こういったことはオーバーウォッチのプロシーンではまだ無理だ。仮にオーバーウォッチがesportsシーンで消えたとしても、数年経てばまた誰かが非公式な形でトーナメントを開催することになると思う。僕はそう確信してる。

– リーグがフランチャイズ制を敷いていることについてはどう考える?

: もしオーバーウォッチがそれを成功させることができればとてもビッグなムーブメントになると思う。例え失敗したとしてもそれはそれで悪くないと思うよ。esportsブランドとしては打撃を受けるだろうけど、試み自体は良いと思うし、こういったことは常に大きなリスクを伴うものだからね。

– ブリザードはオーバーウォッチのesportsシーンを成長させるために正しい仕事ができていると思う?

: 彼らが今とっている秘密裡なやり方は気に入らないね。僕らはほとんど何も知らされていないし、水面下で何が行われているのかまったく知ることができない。こういったことがリーグに対する疑念を生み、プレイヤー達に不安が広がっていくんだ。「このゲームは果たしてプレーする価値があるのか?学校に戻って普通の仕事に就くべきか」、プロゲーマーではなく何か他のことを目指そうかと考えはじめることになる。

ブリザードがマーケットをよりよいものにしたいのであれば、よりプレイヤーに対してオープンになるべきだ。大金が絡んでいる契約交渉などに関してはなるべく表に出したくないことは理解できるけど、少なくとももう少し何らかの情報をプレイヤーに知らせるべきだと思うよ。彼らがあまりにも情報を隠すから僕も選手としての長期的なキャリアについて疑いを持ち始めてしまった。僕はとても数学が得意だったからそれに関連した仕事につくことができたかもしれないってね。結局その仕事に興味を持つことはなかったけど。

僕がやりたいことはプロフェッショナルとしてゲームをプレーすることだ。例えオーバーウォッチを辞めることになっても、僕は他のゲームでもプロとしてやっていけるだろうと考えている。それからブリザードのマーケティングについても言いたいことがある。LoLのクライアントのように開催されているプロフェッショナルなゲームを常に知らせる機能を用意すべきだ。Counter-StrikeのようにクライアントからTwitchで配信されているゲームを見れるようにもすべきだね。DOTAは観戦モードでトーナメントを視聴することもできる。この点は他のゲームを見習うべきだと思う。ただ、いずれにしても、ブリザードは僕らに対してもう少しオープンになるべきだし、積極的にマーケットを改善していくべきだ。

– APEXで韓国に長期間滞在しているけど、ここでの経験で最も難しいことはなんだろう?

: 僕ら、特にcoccoはコリアンフードが大好きだ。食事に関してはなんの問題もない。一番苦労していうことはホテル暮らしが続いているとまったくプライバシーを保てないことだ。もしチームメイトに対して腹を立てるようなことが起きたときにそれを発散することができない。部屋から出ていくこと以外に選択肢がないんだ。誰しも一人になれる時間が必要だよ。一日24時間、どこか別の場所にでも行かない限り、チームメイトと顔を合わせることになる。ここにはチームメイトしかいない、家族や友達の存在が恋しくなるのは当然さ。プロ選手である以上、チームメイトは家族のような存在ではあるけどね。

– 地元に戻った時は何をしてるの?

: チームに加入してから一度だけフィンランドに戻ったことがある。両親と僕のアパートに住んでいる二人の弟達にも会った。友人達ともくつろぐことができた。フィンランドでクリスマスは一大イベントだからね。美味しいものをたくさん食べて良い時間を過ごせたよ。

– フィンランド料理で懐かしい食べ物はある?

: フィンランドではスウェーデン風のミートボールやマッシュポテトをアレンジして食べていた。これが僕のソウルフードだね。韓国でもそういった料理を食べることができるし、あの角を曲がったところに実際にスウェーデン人シェフがいるレストランもある。ちょっと高いけどとてもよい店で気に入っている。

– 最後に貴方の将来の目的は?

Victory. That is all.

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