徐々にプロシーンでも存在感を増しつつあるドゥームフィストですが、最近のトーナメントで採用されたドゥームフィストコンプについて興味深い考察がOverbuffの最新メタリポート内に掲載されていたので、この点について簡単にまとめました。
WHY PLAY DOOMFIST?
何故、ドゥームフィストなのか？まずは一番わかり易い例としてEU ContendersでのGamersOriginのプレーを見てほしい。
グラビトンサージ＋メテオストライク（またの名を“From Russia with Glove”といい、これは007の映画”From Russia with Love”『ロシアより愛をこめて』をもじったもの。また、Twitchチャットやredditでは”Space Jam”という名称も定着しつつあるらしい）はサージ＋ドラゴンブレード並のチームワイプ能力があるコンボ。さらに、このシーンでは、ドゥームフィストがこのコンボで与えたダメージによりパッシブのバリアが増加したことで、相手ジャンクラットの最後っ屁にも耐えることができ、そこからMezaのラインハルト目がけたロケットパンチへと繋げている。
この動画のコンポジションはドゥームフィストコンプとしては最も一般的な構成であるが（ザリア、ハルト、アナ、ルシオ、マクリー）、このコンプは以下のロジカルな思考過程により生まれたものと言い表すこともできる。
- ドゥームフィストは多くのヒーローをワンショットキル可能なので、彼を使ってプレーしたい。
- よって、ザリアのバリアで彼を守り、サージとメテオストライクのコンボも活用すべき。
- ドゥームフィストとザリアを出すとなると、相手チームはDVAを構成から外す可能性が高い。
- 相手チームがDVAを出してこなければ、マクリーは自由に動くことができる。
- マクリーを出すことになれば、ラインハルトのシールドでマクリーを護衛すべき。
- ザリアとハルトの両ヒーローを構成に組み込むことになれば、ゼニヤッタよりもアナのほうが彼らを生き残らせるためには適任となる。
しかし、大会で成果を上げたドゥームコンプはこれだけではない。APEX S4でNC Foxesはドゥームフィストにウィンストン/DVAという構成でダイブを試みている。
回復阻害を受けた相手DVAをSeominsoo操るドゥームフィストが味方のウィンストンとDVAを伴って追いかけるシーン。ここで両タンクはドゥームフィストがウォールピンキルの獲物を探す間、そしてスキルのクールダウンの間、彼にその余地を与えるためにサポートしている。
NA ContendersではEnVyUsもImmortals戦でこれに似たコンポジションを採用していたが、トレーサーの代わりにマクリー、そし両タンクにはウィンストン/DVAではなくラインハルト/ウィンストンを選んでいる。この理由がよく分からなかったので、MisfitsやARC6でコーチを務めたPeakに質問をぶつけてみたところ、彼はImmortalsの陣形をバラけさせるために採用した誘導作戦と話していた。
タイムスタンプからはじまる一連のシーンでEnVyは相手のバックラインを狙うと見せかけて、その後すぐにその矛先をAgilitiesのゲンジ、EnvyのDVA、ウィンストンのFateに変更する。TaimouとChipshajenこそ失ったものの、EnVyは深く飛び込んできたImmortalsのダイバーを蹴散らしている。この冒頭のシーンでEffectはロケットパンチを移動手段にのみ使っていたが、EnVyはあたかもポイントに侵入禁止のラインを描いたかのように、Immortalsをポイントから排除し続けていた。このEnVyのコンポジションはかつてのTaimouのロードホッグを軸としたラインナップを彷彿とさせるが、アンチダイブという点に関してはより強力な構成と言える。
DVA/ザリアではなく何故ラインハルト/ウィンストンなのかという点に興味を覚えたが、Peakによると、これはKarivのゼニヤッタのオーブを遮るためにEnVyが採った戦術ではないかと話していた。ウィンストンのシールドを適切な場所に置くことで不和/調和のオーブの斜線を遮ることができる。この点、DVAのマトリックスではこれを防ぐことができず、ザリアのバブルはオーブを消すことはできても、8秒のクールダウンで2秒しかオーブを防ぐことはできない。このウィンストンのシールドはラインハルトのシールドと組み合わせることで、NAでベストとされるKarivのゼニヤッタを封じることを可能にした。
—————
PTRでは既にドゥームフィストのヒットボックスに修正が入り弱体化されています。更にPTRで変更されたジャンクラットに加え、マトリックスや新スキル導入など大幅な変更が予定されているDVAの存在がドゥームフィストを含めて2、今後のメタに大きな影響を与えることが予想（期待）されています。
