Overwatchの韓国での現状に警鐘を鳴らすAPEXキャスターの提言 / [追記] EFFECTさん将来のためにCS:GOの練習をはじめる

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APEXで韓国語のキャスターを担当しているYongbongtang氏が自身の配信チャンネルで現在のオーバーウォッチが抱える深刻な問題点について言及していましたが、今回もお馴染み/u/TISrobin311氏のポストをもとにまとめました(というかそのまんま)。尚このポストは/r/Competitiveoverwatch/では珍しく既にUVが10Kを超えており、NAのコミュニティからも同氏の意見には多くの賛同が寄せられているようです。

同氏はAPEXキャスターを務める傍らで(韓国版LEFT GUY)、韓国でも有数のアナリストと評価されており、APEXの試合があるたびに配信される彼のチャンネルには多くのプロ選手やコーチがチャットに訪れ様々な議論が交わされています。

今回の配信ではブリザードに対するラントとも言える厳しい論調の議論が交わされていたようですが、その後で紹介するRunnerのコメントも含めて、一見好調のように見える韓国のオーバーウォッチシーンでさえも厳しい現実が迫りつつあるこを予感させる内容となっています。

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今を振り返ることAPEX Season 2では3タンクと2/2/2がメタを支配していた。そこでは常に異なるコンプがラインハルトを中心にカウンターコンプとして進化していった。今はどうだろう?ゲンジ+トレーサーですら生き残るのに苦労している。誰もがソルジャー+トレーサーを使い、彼らを今のコンプから追いやることはできない。今ではソンブラ+トレーサーというコンプもトップティアーではポピュラーになっている。それで、彼らに対するカウンターは?基本的に言って存在しない。マクリー?DVAがフェイスチェックにくれば彼は何もできない。ファラマーシー?ごく一部のマップでは使う意味があるね。でもそれ以外の場面では役立たずだ。現在メタを支配しているコンプにはカウンターが存在しない。そして、このことがオーバーウォッチを実況している時に、とてもフラストレーションを感じさせるんだ。本当にイライラさせられるよ。

今のこのメタに変化をもたらすことできるヒーローが少なくとも一人、すぐにでも必要だ。それが無理なら、現行のヒーローがカウンターコンプとなりえるようなパッチが必要だよ。今はもうダイブ、ダイブ、ダイブ、ダイブ、その他は存在しない。変化もなければ多様性もまるでない。今のメタは実況していても混乱するばかりだ。そして観戦するのも本当に難しい。僕が今まで見た中で最悪のメタだ。もうウンザリしてるよ(sick of it)。つい最近の試合で海外チームがワンサイドで負けたのも不思議ではないね(多分KDP対EnVy戦のこと)。チームが上手くダイブを操ることができれば、どのマップをピックしようが関係なく相手に勝ることができる。次のファイナルでさえ、事前にどれだけ上手くダイブをプランニングできたかで、結果が4-0になってもおかしくない。

ブリザードは一度に複数のヒーローをリリースする必要がある。そしてPTRで長い時間をかけてテストする必要がある。一人のヒーローを慎重に作らないと全てを台無しにしてしまうというブリザードの言い分は馬鹿げた言い訳のように聞こえるね。仮にそうなったらそのヒーローをコンペティティブなプレイからBANして、PTRでユーザーの不満をもう一度聞いて調整しなおせばいいだけの話だ。オリーサ以外のヒーローが最後にリリースされたのはいったい何時だい?もしすぐでにもこのメタに変化の兆しが見られないようならプロシーンがこれ以上進化するとは思えない。

オーバーウォッチは韓国ではとても人気がある。今のところはね。しかし、ユーザーからの不満の声は日に日に増すばかりだ。現時点でオーバーウォッチのPC房での占有率は25%だ。LoLの26~27%と比較するとこれはとても大きい比率といえる。韓国では「波があるうちにパドルを漕げ」という格言がある(明らかにチャンスがある時にそのチャンスを利用しろという意味)。今この時がブリザードにとってオーバーウォッチが持っているものを最大限に活かすべストチャンスのはずだ。そして、この機会を逃せば二度とチャンスは訪れないだろうし、このPC房の占有率はすぐに落ちるだろう1。それでもブリザードは相変わらず新ヒーローのリリースには頑なに慎重な姿勢を貫いている。

ブリザードはオーバーウォッチという本当に心から楽しめるゲームを作り出した。しかし、僕はブリザードがいったいどこに進もうとしているのか分からない。なぜならここ暫くの間まったく変化の兆しが見られないからだ。もし最近のパッチがAPEXのトーナメントで使用されていれば(APEXの試合は旧バージョンで行われている)、プロシーンでは死んだと目されているヒーローが試合でも見られただろう(ホッグのことかな?)。しかし、それはここでは大した問題ではない。僕は次のパッチで少なくとも2人のヒーローをリリースしてもらいたいと思っている。例え彼らがOPであろうがUPであろうが、何か問題があれば彼らをBANして再調整すればよい。僕はどんな変化であってもよいから、とにかく何らかの変化を見たい。すぐに新ヒーローをリリースしてもらいたい。これだけのヒーローがいるにも関わらず我々が選ぶことができるヒーローは10に満たない。そのせいで今のオーバーウォッチは退屈なゲームになりつつある。韓国のコミュニティを見る度に僕はそういった雰囲気を感じ取ることができる。

このYongbonogtang氏の配信と時を同じくして、Runnerの配信チャンネルでもいくつか興味深いコメントを聞くことができた。そこではブートキャンプ用のゲームハウスを用意するために、どのようにスポンサーを手に入れるのかといったことが語られていたが、その中で語られたいくつかの事実は現在の韓国のプロシーンの現状をあらわすにはショッキングともいえる内容だった。

  • スポンサーは実のところAPEX Seson 2の頃に比べて減少している。企業はオーガナイゼーションに対して資金的な援助をすることに、より消極的になっている。理由は韓国ユーザーの間でオーバーウォッチが思っていたほどの盛り上がりの兆しを見せていないこと(上手いこと訳せないので原文:showing no signs of blooming)があげられる。orgがゲームハウスを設立するためのインセンティブをKespa(韓国esports協会)から受け取るためにはプロシーンではなく、そのゲーム自体が韓国でどれだけ安定したポピュラリティを得られているかが重要となる。もしゲームそれ自体がポピュラーであるなら、オーバーウォッチのプロシーンもいずれは成功する運命にあるからだ。しかしかながら、現時点で韓国でのポピュラリティに満足しているorgは見うけられないように思う。何故ならゲームバランスに関するユーザーの不満は増え続け、その結果、資金調達は今までよりも難しくなっている2。Runner曰く、韓国ユーザーの最も大きな不満はYongbongtang氏が冒頭で述べた内容に関連しており、多様性のなさ(No diversity)、ダイブだらけ(Only Dive)、新ヒーローの不足(Lack of New heroes)、そして、不満の多くは消費者が望んでいる変化に関してブリザードのリアクションが鈍いことを挙げている。
  • RunnerによるとMirageはストリーマー稼業に復帰することになった3。理由はスポンサー不足に悩むRunawayを金銭的にサポートするため。APEX Seson 4からは新たなプレイヤーが加入することになるが、面子については間もなく発表予定。
  • 安定した収入を得ることができているチームはLunatic-Haiのみというのが現実で、それは彼らにだけは良質なスポンサーが付いているからでもある。Kongdooのメンバーでさえ収入はパートタイマーの月収よりも少ない。APEXのほとんどのプレイヤーの収入はスポンサーではなく、個人のストリームに頼っているのが実情。

蛇足ながら、Lunatic-Haiのコーチもブリザードの仕事ぶりには懐疑的な考えを持っているのか、今日のKDP vs EnVyUs戦の分析をした後で以下のようにコメントしていた。

「(ブリザードの)職員からブリザードが’double-payload map’という新ルールのマップを計画しているという話を聞いた(おそらくTug of Warルールのこと)。そのマップでは両チームがスポーン地点からそれぞれのペイロードを押していくというものらしいが…さて…個人的な意見だが、ブリザードのゲームバランスの仕事ぶりの遅さから言って、それが実装できるまでに少なくとも3年はかかるんじゃないかと僕は思うね…:P」

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もうこーゆうのいいからさっさとリリースしろってみんな思ってるよ多分ね。鰤の中ではバランス以前にストーリーありきなんだろうけど。

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[追記]

オーバーウォッチの将来について不安を露わにする韓国人トッププレイヤーがまたひとりあらわれたようです。

EnVyUSのトレーサー、そして現時点で世界最高峰のトレーサーの一人でもあるEFFECT選手のつぶやきひとつを見ても、プロプレイヤー達のおかれた現状がいかに不安定であるかが伺えます。

以下、redditにポストされた英訳からの日本語変換。

オーバーウォッチの練習の空き時間にCS:GOをプレイすることにした。オーバーウォッチの将来が率直に言って不安定だからだ。通常の練習時間にはオーバーウォッチをプレーするだろうけど、もしosuやPUBGではなく他のFPSをプレーすることになればエイムの練習は役に立つだろう。そしてもしそのゲームを上手くプレーすることができれば、別の未来を見ることができる。

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脚注:

  1. http://www.gametrics.com/ではLoLはコンスタントに30%前後、OWはここ数ヶ月間徐々に下降気味で現在は20%弱。次回の計測では久しぶりに20%を割るかもしれません。
  2. ゲームバランスへの不満増加がそのままスポンサーの出し渋りに直結するとは考えにくいので、韓国でもコミュニティでの盛り上がりやPC房の占有率、さらにはAPEXの視聴者数に陰りが見られるのかもしれない。そういえばS3の決勝会場も急遽変更になりましたよね。
  3. Mirageは元々人気ストリーマーとして活躍していたそうです。
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