[OWCS] VARRELが日本勢として世界大会初勝利の快挙、OWにこだわり続けたチームが手にした世界での初勝利

Overwatch Champions Series

本日行われた『OWCS Midseason Championship | Esports World Cup』 2日目、日本代表として出場したVARRELは中国2位のROC Esportsと対戦し、フルセットにもつれ込む激戦の末、日本勢として初の世界大会勝利をあげています。

VARRELはOWWC日本代表として出場した2023年のOWワールドカップにおいても、日本勢として初の勝利を記録していますが、OWCSが発足してからはこれが初の世界大会での白星となります。

対戦相手のROC Esportsは、韓国から元リーガーのBelosrea、そして18歳にして将来を嘱望されるTaejongという2人の助っ人を迎え入れており、残りの中国出身メンバーも英雄Diyaをはじめ全員がOWL経験者2という非常に手強い相手です。

戦前の評価ではVARREL優勢との声も多く聞かれましたが、選手個々の実績を比べればROC Esportsに分があるとも言え、実際に海外ではVARRELをアンダードッグと見ていた著名なレビュアーもいました。

試合はROCが先にマップを奪取し、VARRELが追いかける形となりましが、その後は両チームが互いに譲らず、マップを取り合う一進一退の攻防が続きます。ROCはTaejongが鬼神のような爆発力を発揮し、たびたびVARRELの連携をかき乱す活躍を見せました。

一方のVARRELもKR助っ人のTopdragonとSleyが期待どおりのパフォーマンスを発揮し、さらにNicoと、久々の出場で流れを変えたQkiという日本人ベテラン2人も重要な場面でチームを支えています。

最終マップではTaejongを中心にROCの激しい抵抗を受ける場面もありましたが、VARRELはTopdragonを軸にチーム一丸となってこれを耐え抜きます。そして、最後はチームが目指す世界での一勝に向けてペイロードを押し切り、日本のOW史にその名を刻む大きな勝利をあげました。

VARRELがこの勝利を得るに至るには、これまでの長い年月にわたる努力と苦難、そして戦いの歴史があります。

VARRELの現体制の基礎が築かれたのは2021年。当時、前身となるUnsold Stuff Gamingが母体となって現在のチームが動き始めました。

この時期、国内のオーバーウォッチ競技シーンはすでに冷え切っており、多くのチームが活動を停止していく中で、VARRELは活動を続けた数少ないチームとして、苦しい時期を耐えながらシーンを支え続けてきました。

当時、日本はまだ独自のリージョンを持たず、大会ではAPAC地域に編入されていました。彼らはコンテンダーズという舞台で、パシフィックやオセアニアの強豪を相手に、ときには遅延が200を超える環境の中で研鑽を重ね、着実時に成長を遂げてきました。その積み重ねこそが、今日の勝利につながっています。

USG最後のメンバーとしてQloudが加入したのは2022年4月。それ以降、約4年に渡り同じコアメンバーで戦い続けているプロチームは、少なくともオーバーウォッチでは、国内外含めてVARREL以外にほとんど例がありません。

今年5月にTopdragonとSleyが加わるまでは、当時のコアメンバーを中心とした純国産ロスターで戦い続けてきましたが、この助っ人2人の加入は、世界を本気で狙うというVARRELの強い決意が表れた転機となりました。

オーバーウォッチという競技にこだわり続けてきた彼らの揺るぎなき姿勢が、今大会で歴史的勝利という形で実を結んだ意義は非常に大きく、今後の日本のOW競技シーンにとっても記憶に残る価値ある勝利だったと言えるでしょう。

この後のプレーオフ進出をかけたTeam Liquidとの一戦は、Crazy Raccoonを最後まで追い詰めたTLがさすがの強さを発揮しスコア3-0でVARRELを圧倒。VARRELも随所で健闘を見せたものの、力の差を見せつけられる結果となりました。

VARRELはこの試合をもって大会終了となりますが(9~12位)、プレーオフ進出は果たせなかったものの、世界に確かな爪痕を残す大会となりました。

脚注:

  1. chamomileはShanghai DragonsなどでプレイしたMolly
  2. chamomileはShanghai DragonsなどでプレイしたMolly
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