[OW2] ルックス重視のヒーローデザインに舵を切った開発方針に批判が集まる

Overwatch 2

本日、海外メディア「Polygon」の取材に答えた開発者のコメントが波紋を呼んでいます。新ヒーロー「ウーヤン」のトレーラー公開に合わせて行われたこのインタビューでは、キャラクターのデザイン方針について語られていましたが、その内容にコミュニティからは反発の声が寄せられています。

Overwatch 2's Wuyang tackles the biggest challenge of all: disappointing your parents
Wuyang’s struggle comes from within

「私たちは常に、何らかの意味で“憧れ”となるようなOverwatchのヒーロー像を目指しています」と、リードコンセプトアーティストのDaryl Tan氏は語ります。「彼らはその肉体的特徴においても、その分野での卓越した能力においても、そして私たちが敬意を抱ける、本当にクールなヒーローであるという点においても、憧れの存在なのです。」

このアプローチは、印象的で心に響く物語を描きやすくする一方で、キャラクターのあり方や幅をある程度狭めてしまう面もあります。

Tan氏は、この“憧れ”を重視したデザイン方針こそが、チームがレッキングボールや、最近ではビッグ・ダディ的なオムニックのラマットラといった「変わり種」キャラクターから距離を置いて、より伝統的で――そして一般的に魅力的とされる――キャラクターを選ぶようになった理由だと説明しています。ただし同氏は、こうした非人間型ヒーローも今後少しずつ取り入れていく考えがあると述べ、その先に待つ楽しみな展開についてもほのめかしました。

この件については、「本日の雑記」でも触れましたが、基本無料となったOW2以降、キリコ、ライフウィーバー、ジュノ、フレイヤ、ウーヤンといったルックスの良いヒーローが多くリリースされたこともあり、ファンの間では外見重視のキャラクターデザインに疑問の声もあがっていました。

これを受けての発言ということもあり、インタビュー公開後には、開発のルックス重視とも取れる発言に対して、コミュニティからは反発の声が多数寄せられています。

新しいウーヤンの記事のあの発言、本当にモヤモヤした。「ハムスターやロボットみたいな“変わり種ヒーロー”から離れる」って話をしたあとに、「憧れられる体型」や「一般的に魅力的とされる外見」を今後のデザイン方針に取り入れるとか、正直気分が悪い

自分がオーバーウォッチに惹かれた最大の理由のひとつは、全てのヒーローが外見も、ゲームプレイも、ストーリーも、それぞれ異なっていたことです。デザインにおいて、美しさの基準や既存の価値観にとらわれない存在だと感じられました。オーバーウォッチのヒーローは、見た目以上の魅力や価値を持っているはずなのに……これは本当に残念です

つまらないね!みんなが望んでいるのはMAMA HONGであって、テンプレみたいなマッチョ野郎じゃないんだよ💪(Frogger)

Mama Hong信者のご冥福をお祈りします

“ママ・ホン”は初代オーバーウォッチの公式コンセプトに登場したキャラクターで、一種ミーム的な存在でありながら、ヒーローらしからぬ見た目のユニークさもあり、当時からプライアブルなヒーローとして実装を求める声が多いキャラクターです。

ぶっちゃけ一般的に魅力的とされてる18歳そこそこのキャラばかりでうんざり。もっと年上のキャラが欲しい、特に女性キャラクターだね

これ以上若いヒーローはいりません。必要なのは、もっと多くのオムニックや、興味を惹かれるキャラクター、そしてオーバーウォッチに所属していなかったユニークな組織出身の年長の女性たちです。危機後の世界で若者を描くこと自体は素晴らしいとは思いますが、もうこれ以上のティーンエイジャーや学生のキャラクターは望んでいません

もし今モイラがリリースされたらこんな感じだろうねw

2025年にロードホッグが実装されていたら……

オーバーウォッチを長く運営していくには、売れる要素が必要なのはわかる。ただ、その一方で、“変わり種”のキャラクターに惹かれてここにいる大勢のファンの存在も忘れないでほしい。そういうキャラクターを、これまで同様のクオリティと情熱で作ってくれれば、多くの人はこれからもずっと夢中でいられるはずだ

これが、「コンコード」の失敗から経営陣が導き出した答えではないかと心配しています。あのゲームの問題は“変わり者”がいたこととは何も関係ないのに、オーバーウォッチからその“変わり者”を取り上げてしまうなんて、本当に残念です。ユニークなアビリティに加えて、個性的なキャラクターこそが、このゲームを成り立たせている要素なのです

私は、OWが他のライブサービスゲームとは真逆の方向に進み、「風変わりな」存在にもっと焦点を当てるべきだと思います。そういったキャラクターがオーバーウォッチ創設の柱だったんですよ

オーバーウォッチ2の顔といえばゴリラでしょ

これはまさに、現在のゲーム業界の不安定さと、市場の力に任せて制作上の判断を下すことがほとんど常に悪手であるという事実の結果です。そして、この方針が悪い判断だったという点で、コミュニティに意見が一致していることを嬉しく思います

重要なのは、これはおそらくマイクロソフトによる買収の直接的な結果だという点だ。というのも、マイクロソフトはマインクラフトでもまったく同じことをやっている。ワールドビルディングの名のもとに、ありきたりで個性のないモブを追加するだけのアップデートを行い、そのぬいぐるみを売ることしか考えてない。今回の件も、それとほとんど同じ発想だと思うね

これまで多様性をテーマに掲げてきたオーバーウォッチにおいて、ルッキズムを肯定するようなキャラクターデザインは、売上や話題性といったマーケティング面での意図としては理解できるものの、それがゲームの根幹にある「多様性」や「誰もが受け入れられる世界」という精神に反していると受け止めるファンも少なくなく、こうした開発の方針転換に対しては懸念や批判の声が強まっています。

とはいえ、オーバーウォッチ2がリリースされて以降も、ラマットラ、マウガ、ハザードといった型にはまらないヒーローもリリースされているので、”風変わりな”ヒーローの登場については、開発が話す今後の「楽しみな展開」に期待しましょう。

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