Activision Blizzardが米国証券取引委員会に提出した書類から、同社が展開するOverwatch LeagueとCall of Duty Leagueへの懸念が高まっていることが明らかとなりました。
Activision gives bleak outlook on futures of Call of Duty League, Overwatch League
Activision Blizzardはこの中で、現在のビジネスモデルの下、自社のプロフェッショナルリーグ(OWLとCDL)におけるフランチャイズとの協業体制が、リーグ運営およびリーグの潜在的な寿命に悪影響を及ぼす逆風に直面し続けていることを認めています。
これらの問題を解決するための努力を続けているものの、その結果、多額の費用が発生する可能性があり、こういった努力が失敗に終わる可能性もあるとのこと。
概要としては、両リーグをより収益性の高いものにしようとする試みは、あまりにも費用がかかりすぎることが判明。結果的にボトムライン(最終的な利益)に関して言えば、そういった試みには全体として価値がないことが示されています。
また、ゲーム開発に関しては、「既存の人材の維持と新しい人材の獲得の両面で課題に直面している」としながらも、「これらの分野ではポジティブな傾向が見られる」と、Blizzardが人材確保の面で危機に瀕しているという一部報道を暗に認める形となっています。
OWL Head says Overwatch esports is “not going away anytime soon” – Dexerto
そんな中、OWLを統括するSean Miller氏が海外メディアDexertoのインタビューで、今季開幕したOWLのエコシステムについて答えていたので、以下、コメントの要点だけを一部まとめています。
—————
- 今季もOWLの充実にコミットしており、近い将来リーグがすぐに消滅するようなことはない。
- 今季もYoutube独占が続いているが、契約状況について今言えることはない。ここで具体的に話すことはできない。
- ストリーマーのミラー配信は過去にも部分的に実施したことはあるが、OWを観戦してもらうための魅力的なツールだと考えている。
- 視聴率低迷が話題になることについては、リーグの視聴率も重要だが、ゲーム内のOWL関連アイテムの売上もesportsリーグ運営にあたり重要な指標。
- リーグにとって最も重要な指標はエンゲージメントで、プレイヤーの大会への参加者と登録者数。エコシステムのどの部分を指すかで重視する指標は変わる。
- 今季の番組制作はEsports Engineが担当。4K配信、スタジオ確保、視聴ドロップが完璧に機能することを最も重視した(注:ただし日本を除く)。
- Blizzardの中国撤退後もリーグにとどまってくれた中国チームにはとても感謝しており、ポジティブな感情しかない。
- 開幕ステージ不参加となった成都ハンターズは、先日のリーグ声明にもあったように、チームが将来の方向性を熟慮しており、我々もその点について密接に協力している。
- リーグにとって最適なチーム数は変動するものであり、世界中の人々のエンゲージメントを最大化し、よりよいエコシステムを確立していくためにはチーム数の減少も否定はしない。
- OWLの規定年齢を下げた主な理由は、アジアのesports選手の平均年齢が10代と若く、今季からEAST地域でコンテンダーズチームが参加可能になったことで、リーグでの競争をさらに魅力的にするために年齢を引き下げた。
- コンテンダーズチームがOWLチームを打ち負かすことについては何も心配していない。純粋に実力勝負の世界であるべきで、それこそがオープンなエコシステムの素晴らしさと考えている。