マーベル・ライバルズの最新アップデートにて、「スマーフ」行為が正式に禁止行為として通報対象となったことが明らかとなりました。
アップデート以前には「スマーフ」に関する通報項目は存在しませんでしたが、アップデート後は通報項目に「スマーフィング」が追加されています。
これまで対戦ゲーム、とくにマルチプレイヤーの対戦ゲームでは、熟練プレイヤーがサブアカウントを作成して、初心者や格下プレイヤーを蹂躙する行為として問題視されてきたスマーフィングですが、その問題の大きさとは対照的に、多くのタイトルでスマーフィングに対しては有効な対策が取られてきませんでした。

DOTA 2では一昨年に大量のスマーフアカウントがBANされ、OWコミュニティでも「同様の厳しい対策を打ち出すべき」と話題になったものの、OW含めてその他のタイトルでは事実上黙認されてきたのが現状です。

オーバーウォッチでもスマーフ行為はOW1時代から問題視されてはいたものの、開発運営が表立ってスマーフに言及することはなく、OW2になってやっとスマーフ行為について触れてはいましたが、公式のスタンスは「可能な限り、1つのアカウントでスキルを磨いていただけると幸いです」という非常に消極的なものでした。ゲーム内の通報にも具体的にスマーフ行為を指す項目はありません。

また、以前にブログでもお伝えしましたが、ゲームディレクターのアーロン・ケラー氏が、冗談とはいえ、トップクラスのOW配信者にスマーフ行為の最たる例ともいえる「Bronze to GM」をけしかけるなど、開発のスマーフィングに対する問題意識の低さも露呈しています。しばらく前にはマッチメイキング担当の開発エンジニアから、「スマーフが存在する現状を受け入れるべき」とのコメントさえありました。

こういった開発側のスタンスについては、スマーフ行為そのものがチート以上に対策の難しい問題であることから、ある程度の理解を示す意見もあったとはいえ、プレイヤーとしては、もう少し毅然とした態度を示して欲しいというのが本音ではないかと思います。
スマーフィングはプレイヤーの体験を大幅に損ねるだけでなく、直接的な被害に遭わなくても、マッチメイキング全体の信頼性や質に関わる問題であり、上級者にとっても決して無関係ではありません。ここ最近問題となっている新規アカウントによる「認定ブースト」はスマーフ対策として導入されたものであり、これが原因でとくに上位ランクではマッチング崩壊とも言える現象がしばしば報告されています。
現時点ではマーベル・ライバルズでスマーフ行為を通報したとしても、実際にペナルティを受けるのか、受けたとしてもどの程度の罰則が科されるのかは不明ですが、コミュニティの間では、スマーフ行為を通報対象とするにあたり、ハードウェアIDを識別して、該当アカウントが所有する全てのアカウントにペナルティが適用されるとの憶測も流れています。
つまり、悪用される可能性もあるリポートや検知アルゴリズムに頼るのではなく、物理的にHWIDやIPなどでスマーフか否かを判定するのかもしれません。しかし、その場合もネットカフェやPC房など、PCを共有しているような場合はどうなるのかという疑問も生じます。
いずれにしても、同タイトルを開発運営するNetEaseが、より踏み込んだスマーフ対策に乗り出したことは間違いないでしょう。スマーフィングが通報対象になったことで、当面の間は少なくともその抑止力にはなるはずです。