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[オーバーウォッチリーグ] OWLの存続は今季終了後のオーナー投票で決定、Activision BlizzardはEsports部門でリストラを実施

Overwatch League

マイクロソフトによるActivision Blizzard買収完了が目前に迫る中(先程、買収期限を現地7月18日から今年10月18日に延長することで両社が合意3)、同社がEsports部門の従業員をレイオフすると同時に、近い将来オーバーウォッチリーグに起こりうる大きな変化に備えていると、海外メディアのThe Vergeが伝えています。

以下、このリポートとEsports.ggの記事を短めに要約したまとめとなりますが、一部筆者独自の見解も含まれています。

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本日、Blizzardは2023年の第2四半期決算報告を発表。その中ではOWLの潜在的な将来が示唆されている。

これによると、同社はOWL参加チームとのこれまで契約取り決めを一部変更。この変更に基づき、今シーズン終了後、OWL各チームは最新の契約内容について投票を行い、チームがこの新契約に基づいた今後のリーグ運営継続に同意しない場合は、各チームオーナーに対して600万ドルの契約解除料が支払われる(総額で推定1億1,400万ドル)。

2023年6月30日現在、この契約解除料は発生しておらず、当期のオーバーウォッチリーグからの総収入はBlizzard連結純収入のわずか1%未満。

つまり、今後のオーバーウォッチリーグの運命は今年後半に行われるオーナー投票に委ねられるということになる。

既にトロント・デフィアントを所有するOverActive Mediaがリーグ参入費用の未払い分を免除することでリーグ側と合意したことが報じられているが、チームオーナーにとっては、2000万ドルとも言われる参入費用の回収すら見込みのない不良債権化したフランチャイズを、600万ドルと引き換えに放棄することは、決して非合理的なことではなく、リーグのフランチャイズ制度は終焉を迎えると見て差し支えないだろう。

Blizzardの中国サービス撤退や先日には成都ハンターズの解散など、OWLチームはここ数年苦しいチーム運営を迫られており、比較的資金力のあるロサンゼルス・グラディエーターズを所有するThe Guardのリーグ撤退も囁かれている。

将来的に「オーバーウォッチリーグ」が存続するかは、このオーナー投票次第ということになり、我々が知っている現在のOWLが消滅する可能性は高いが、それは必ずしもリーグの完全消滅を意味するわけではない。

OWLを統括するSean Miller氏はオーナー投票がどのような結果になろうとも、Blizzardはオーバーウォッチのesportsシーンにコミットし続けるとThe Vergeの独占インタビューに答えている。

「はっきりさせておきたいことは、オーバーウォッチは2024年以降も競技シーンのエコシステムにコミットし続けるということです。私達はプレイヤーとファンを最優先にグローバルな競技シーンの活性化を目指しています」

同氏は2024年以降のリーグがどのような形になるのか明言していないが、一つの例としてOWL以前にファンに愛されたトーナメント「Overwatch APEX Season4」を引き合いに出しており、実際に今季のグランドファイナルはAPEX Season 2と同じダブルブラケットによるフォーマットで開催される。

同氏はオーバーウォッチesportsの将来について楽観的であると強調してはいたが、それとは裏腹にBlizzardのeports部門はレイオフに見舞われ50人の従業員が影響を受けている。この中の一人によると、Activision Blizzard社のesports部門にとってはかなりの人員削減になるという。

解雇された従業員によると、解雇通知はなんの前触れもなく突然宣告されたという。この従業員曰く、ここ数年、同じActivision Blizzard運営のCDL(Call of Duty League)は記録的な視聴率とモンスターエナジーなどの優良スポンサーを獲得する一方、OWLは視聴率という点ではそれほど成功したとは言えないと話している。

また、Blizzardは既にトーナメントを運営するために使用していたツールのいくつかを廃止しており、それに代わるツールの開発も終わらないまま従業員が解雇されたことで、Blizzardが今後esportsを自前でサポートするための技術的な体制がまったく整っていないと、この従業員はesports部門の閉鎖も含め、同社の今後のesports運営について懐疑的な見方を示している。

脚注:

  1. https://platform.twitter.com/widgets.js

  2. 今は亡き韓国のOGN主催によるオフライントーナメントで、S1からS4まで2016年10月から約1年に渡り開催。Carpe、Profit、Fleta、Sayaplayer、Taimou、Surefour、Seagullに、伝説のチームLunatic-HaiやRunawayなど挙げればキリがないほどのスターとレジェンドを生み出した大会。

    それまでesportsにまったく興味のなかった筆者が競技シーンに興味を持つようになったのもこの大会がきっかけでした。

  3. https://platform.twitter.com/widgets.js

  4. 今は亡き韓国のOGN主催によるオフライントーナメントで、S1からS4まで2016年10月から約1年に渡り開催。Carpe、Profit、Fleta、Sayaplayer、Taimou、Surefour、Seagullに、伝説のチームLunatic-HaiやRunawayなど挙げればキリがないほどのスターとレジェンドを生み出した大会。

    それまでesportsにまったく興味のなかった筆者が競技シーンに興味を持つようになったのもこの大会がきっかけでした。

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